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森のようちえんとは、この世界をいかに楽しく遊ぶためのリテラシー教育である。

ポートランドは相変わらずの雨模様で、南房総の天気を恋しく思わない日は無い日々なので、記憶が色褪せないうちに記事を書きます。

南房総で孤独な自然育児をして1年、2歳になった息子に朗報。南房総市富浦にある森のようちえんはっぴーの存在を人伝に聞き、さっそく2歳児クラスに一日体験に参加させてみたところ、海に囲まれた広大な大房自然公園を思いのまま駆け抜ける園児達、息子の目の輝き。
あ〜ぁ、これが毎日の生活様式になるなんて何て素晴らしい事だろう!
それまで在籍させていた通常の保育園と、制作と並行していたグラフィックの仕事を辞める事に迷いは1ミリもありませんでした。(森のようちえんは親の積極的な関わりが必須です。)

はっぴーでは基本スタッフは子供の安全や行動を見守るだけ、後は2歳児から5歳児までの子どもたちが一緒に大房岬の森や海で、雨でも熱中症警報が出ていても一日中、自然の中に存在する「何か」で自発的な遊びを繰り広げます。
親も月に何回か引率やイベントに参加するので、はっぴーの子供達はまるで自分の子の様に関わりが深くなります。他の子供との比較が可能になります。比較する事で子供への理解が深まる一方、ネガティブ面にも大直面しました。

そこで経験したのは、子供や大人という枠に当てはまらない、人間的責任とか、自己の誇りとか、他者を認める。 という人間同士のぶつかりあい。エネルギーの爆発でした。

息子は森のようちえんに入園してから野生味を取り戻し、私はほぼ毎週先生やお母さん達に謝り通しで、それでもなお一層ワイルドネスになる息子の振る舞いに、怒りが爆発&涙が止まらない夜を過ごしました。それでも先輩お母さん達の優しい言葉に何度も助けられ、同期の母親達と励まし合い、日々をやり過ごす。子育てコミュニティーの存在の尊さ!を身に沁みて感じました。

そんな親の心配を余所に、傍若無人な息子に対して子供達の対応はとてもフラットで、一年後には仲良しとか好きだけでない、家族の様な強固な人間関係が形成されていたのでした。
自然の中にいるからこその個々の自己表現力、他者を認めるという難しさと、日々変わる自然の天候。どうしたら楽しく毎日を過ごせるかの取捨選択を小さい身体と脳みそにほぼ丸投げされる事で、子供達はありのままの人間力を発揮し、自らリテラシーを学んでいきます。人間も自然も含め多様性を認める事が脳の発達に大事なのです。

これね、彼らの未来にとても大切な事だと思うのですよ。AIが発達し仕事のあり方が大きく変容していく現在も大変だけど、より自発性を求められる今後に、「遊び」がもっと大きな意味を持ってきて、だからこそどう遊ぶか?その思考を原体験を持って学ぶための一つが森のようちえんなのだと思うのです。

ドラマティックな毎日だったからこそ、息子は毎日登園するのをとてもとても楽しみにしていたのだと感じます。親も同じ思考を持つコミュニティーに入れる事で育児で一番大事な「安心」を得られる事が出来ました。

道中「歩きたくない」と石の様に動かなくなる息子と、それを見守る子供達。母は地獄。
毎日おにぎり2個で5時間のハイキング。どこでおにぎりを食べるかも自分達で決める。

悩み苦しみの育児中、色々な本を読んで助けを求めているのですが(笑)
心が一番楽になった本はこちらでした。心理学者のアリソン・ゴプニックの「カーペンターとガーデナー(原題)」。
人間には優勢も劣勢もなく、ただ進化している。
これもパーマーカルチャーの授業で習った事と完全にリンクしてて面白かったです。子供が自ら成長する力を信じて、環境を用意出来る大人が増える事、私もまだまだですが意識して常に心がけたいと思っています。





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