モンブラン146を修理に出した話
万年筆が好きだ。
安いものから高いものまで何本も持っているのだが、中でもお気に入りの1つがモンブラン マイシュターシュテュック 146 ル・グランというペン。
ヴィンテージのものを2本持っていて、片方は70年代から80年代にかけて作られたもの。
もう片方は80年代後半に作られたものなのだが、こちらのペンが故障してしまった。
首軸にヒビが入ってインク漏れするようになってしまったのだ。
気に入って使っていたのでショックが大きかった。
傷心のままモンブランブティックに持って行ったところ、キャップとペン先以外は全交換になるとのことだった。
故障は首軸の割れだけだったのでてっきり首軸だけ交換になると思っていたので面食らった。
モンブランは高級ブランドだけあって修理費用もそれなりにかかる。
全交換だといくらになるだろう…2,3万くらいかかるんじゃないか…と内心怯えていたのだが、郵送料930円を合わせて15,340円と予算内だったので安心した。
いや、それでも新しい万年筆を1本や2本買える値段ではあるのだが。
万年筆バカはこと万年筆となると金銭感覚がバグるのである。
146は定番商品なので修理パーツも国内で問題なく見つかったようだった。
国内在庫がない場合はドイツまで送るそうだ。
更に廃盤モデルなどになるとパーツがなくて修理ができないこともあるらしい。
そうなった場合はパーツを独自に作っているような万年筆修理の店に出すしかないのだろう。
当然そうしたお店に出してしまうとモンブランでは保証対象外になってしまうのだが、廃盤モデルならどの道同じだ。
話を戻して私の146。
3週間くらいかかると聞いていたがそれより早く戻ってきた。
キャップは問題なかったようでそのままだが、胴軸やピストン機構などがまるっと現行品になって戻ってきた。
ペン芯もエボナイトという硬質ゴムから現行の樹脂芯へ。
エボナイト芯も気に入っていたのだが致し方ない。
もう1本持っている方もエボナイト芯なのでそちらは故障させないようにしたい。
ヴィンテージにはヴィンテージの良さがあるので出来ればそのまま使い続けたいのだ。
万年筆というのは名前の通り大切に扱えばとても長い年月を共に過ごすことができる筆記具だ。
使えば使うほどペン先が自分の書きグセに沿って育っていき、極上の筆記感を味わえる。
今回修理に出した146も随分長いこと使っていたので、ペン先がそのままだったことには安心した。
育ったペン先というのは万年筆ファンにとっては財産だ。
修理に出す前にいくらくらいかかるかGoogle先生に聞いてみたのだが、モンブランの公式ページにも書かれていなくてブティックに行くまでとてもドキドキした。
ペン先の故障の場合はいくらくらいになるか分からないが、首軸や胴軸の割れ、ピストン機構の故障などであれば今回のオーバーホールと同じ値段になると思うのでモンブランの万年筆を修理に出そうと考えている方の参考になれば幸いだ。
インク窓も現行品と同じ縞模様になって少しオシャレになった私の大事な146。
これからも楽しい万年筆ライフの相棒として共に走ってもらいたい。