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チェックイン王になったぶっとび平社員

どうもこんにちは。みいです。
今日も大阪ホカンス編です。今回のハイライトかもしれないです。



コンラッド大阪のロビーは地上40階にある。
1階の入り口から入ると、必ずホテルの方が迎えてくれる。
以前ランチで行ったときはいずれも欧米の長身の男性だったが、今回もそうだった。

大方の日本人の身長だとずっるずるに引き摺ること間違いない丈のロングコートを余裕で着こなし、スマートに翻しながら笑顔で迎えてくれるのだ。
そして開口一番こう聞かれた。


ちきんですか?


にこにこと爽やかで適度にゴツいお兄さんがいきなりちきんとは。
本当に何を言われているか全くわからなくて、チキンフェアでもやっているのかと思って「違います。」と答えた。

その後お互いに伝わらず、何回かやり取りをした。
どう考えても”ちきん”ではないことは分かっているのだが、何も思い当たらないので、思い切って「宿泊です。」と言い換えてみた。

やっと伝わった。
そしてまたにこやかな笑顔に戻って、エレベーターを案内してくれた。
40階まで一気に駆け上る箱の中で、お兄さんの言ってくれたことは富裕層にしか通じない暗号なのかな。。とか考えていた。

もしあそこで「そうです。ちきんです。」と言っていたら別のぎらんぎらんの秘密のエレベーターにでも通されるのだろうか。とか。スパイ映画の見過ぎですね。すみません。

そんなことを考えていたら、あっという間に40階についた。
知っていたけどいつ来てもだいすきなロビー。

公式HPより、風神雷神をイメージした作品だったはず
POPでかわいいクリスマスツリー🎄


ここでもお兄さん(今度は短髪のアジア系の方)が近寄ってきてくれて挨拶をしてくれたので、今度は謎の暗号”ちきん”を繰り出されまいと、こちらから食い気味に「宿泊です!」と伝えた。
当たり前に言語が通じ、カウンターに通される。

公式HPより、右側のカウンターでチェックインした

一見クールビューティーっぽいが笑顔がとても柔らかいお姉さん(Sさんと呼ぶ、おそらく中国か台湾の方)が担当してくれるようだ。

名前を伝え、泊数や部屋の内容を確認された。
1階のちきん騒動が何だったのかというくらいスムーズである。

え?これで終わり?ただのリスニングスキルが不足した庶民の話じゃんと思ったあなた、大丈夫です。
ここからが全然スムーズじゃないです。


チェックインももう終わるんだろうな~サインしてルームキー貰うんだろうな~くらいに思ってへらへらした気持ちでいた私にSさんがどえらい提案をしてきたのだ。


「みい様、本日ご予約いただいていたお部屋とは異なりますが、もう少し広いお部屋に空きがございます。」

?????

「料金は追加で頂戴することになるのですが、コーナールームになりまして、とにかく眺望がすばらしいお部屋です。」

?????????? 

この瞬間ほど日本語を注意深く反芻したことはなかったかもしれない。

そう、アップグレードを勧められたのだ。
なぜ???平社員でど庶民で小娘な私に???見込みあるように見えたのか???

きっとノルマがあるんだろうなということは接客業の端くれとしてなんとなくわかったので、Sさんも頑張っているんだなと思った。
もちろん、ノルマで言わされているなんて一切感じさせない本当に心から勧めてくださっている振る舞いだった。
それだけでSさんのファンになった。
でも一番お安い部屋でさえ精一杯の私に嘘はつけない。断ろうと思った。




結果、無理だった。
1分後にはクレジットカードを財布から取り出している自分がいた。



断らんのかい、自分。
世界中の誰よりも自分がそう思った。



何が私にカードを切らせたかというと、Sさんの最後の切り札『エグゼクティブラウンジ』だった。


要は、アップグレードすると
1.部屋が広くなる
2.コーナールームになる=眺望もさらに良くなる
3.エグゼクティブラウンジが使える
というメリットがあるということ。


ラウンジというワードが出た瞬間、私の過去唯一のラウンジ経験である空港のファーストクラスラウンジの記憶が呼び起された。
あの圧倒的別世界がホテルにもある。
というかホテルのエグゼクティブラウンジの方がいろんな側面を持っているはず。
そしてずっと憧れていたコンラッド大阪のラウンジなのだ。
それを考えるとわくわくが止まらなくなった。
ファーストクラスラウンジを知ってしまっていたがために、ここで急に私の中の大富豪マインドのスイッチが入ってしまった。


ここまでくると、あとは費用だけ。
正直覚悟した。大富豪のくせに腹を括るという矛盾。
1~2万追加したくらいじゃそんな経験は手に入らないことはいくら私でも想像がついた。
3~4の間だったら考えてみよう。と思った。
5はちょっとやりすぎな気がするとそこだけなぜか冷静だった大富豪。

Sさんに「恥ずかしながら、、、おいくらですか?」と聞いてみた。
計算してくれて電卓で値段を見せてくれたやさしい親切なSさん。



41,745


電卓に並ぶ超リアルな数字。
やっぱり!!!!予想的中。
無駄にこういうところの金銭感覚持ってて笑えた。
ま、大富豪だから当たり前にそれくらいすることは知ってたけど。(強がり)


4万。しかも四捨五入して4万。ちゃっかり4万オーバー。

一人暮らしの一か月の食費か。
推しのアルバム何枚買えるんだ。
飛行機で東京往復できる。
100均でものが400個買える。


月収に占める割合おかしいことになった。
完全に収支のバランス崩壊。赤字、、、とは??

そしてみなさん忘れないでほしい。
この4万、ただのアップグレード代なのだ。
本来の部屋代はまた別に先に支払っているということを。



本当にあほ、な私。


でも心に嘘がつけなかった。
ラウンジの話をきいて今年一番くらいわくわくしてしまった私の心。
後悔したとしても、”今”の私が喜ぶことをさせてあげよう。と思ったのだ。
そんな風に思えている自分がいることが不思議だった。


「お願いします!」
そうSさんに伝えると柔らかい笑顔がさらに柔らかくなって、「きっと喜んでいただけると思いますっ。」と言ってくれた。
なんて素敵な言葉。
丁寧に感情が乗せられた言葉を受け取ったのは本当に久々だと感じた。


そしてより詳しくラウンジについて説明してもらった。
聞けば聞くほど大富豪に確実に近づけるという確信が持てる内容だった。


支払いが終わり、部屋が決まると、ロビーから奥まったところにある宿泊者専用のエレベーターホールまでSさんが一緒に見送りに来てくれた。
エレベーターホールまでの道のりを共にしながら、以前ランチに来てからずっと泊まりたかったことを伝えたり、コーナールームがいかに素敵かを聞かせてもらったりした。

エレベーターを呼んで、滞在が良いものになるように的な声をかけてくれて、エレベーターの扉が閉まるまでお辞儀してくれた。

閉まった扉はピカピカで、幸せそうな顔をした自分が映っていた。

動き出した箱の中で、これはとんでもないことになったという気持ちと、止まらないわくわくが私の中に同居していた。
なぜかダイアゴン横丁に初めて訪れたときのハリーポッターを思い出していた。




いや~、長くてすみません。
何回考えても収支のバランスがバカなんです。
バランスとかもうないも同然ですね。
でも、全てがSさんの言う通りでした。
今この瞬間も1ミリも後悔していないと胸を張って言えます。
次回からはどんな時間を過ごしたかと、”ちきん”の正体をお届けします。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
ではまた次回。


#みい旅 #コンラッド #クラブラウンジ #今後身の丈に合ってくるシリーズ #収支のバランス









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