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彼岸花
こんな感じの陽だまりに、もしかしたら小さい神様や、仏様が笑って居られるかも知れない!
と、密かにじっと目をこらす子供だった。
「サンタクロースは外国のお伽話で、そんなものはいない」
という父の教えに、幼児には知ってても黙っていて欲しかったとも思ったこともある。
彼岸花は忌み花だった。お墓に生えていて、毒があるから触るな、採るな!と、子供の頃はかなり厳しく家人に言われた。咲いたところに咲くがまま、が我が家の鉄則だった。
古い城下町がある山村なのでか、赤い花と長い茎が、落ち武者の末路を連想させたのかも知れない。
大人になって、リコリスなんて外国産の品種が花屋さんにあるのを見た時、複雑な心情になった。外国の彼岸花じゃない!と。
我が家の禁忌の花だったけれど、美しいと思う心は止められず。
父も神棚や仏壇、地域の点在する石仏を、強く否定し無かったので、彼岸花の近くには、もしかしたら小さい神様や、仏様が笑って居られると言う発想に至った。
サンタクロースは海外だけど、
神様仏様は日本代表に違いないと。
高貴な存在には、無闇に触れない、崇めて感謝して大切にすると言うことは、何となく子供心にもあったので、こんなきれいな花が嫌われ無くてもいい理由を、当時は探したのかも知れない。
会ってどうするものでもなく、ただ、笑って欲しかった。神様仏様にお話して欲しかった。この世の矛盾や、昔の時代のこと、後は色々と世間話でも…とか。ポケットの飴玉を一緒になめたり出来ると良いなとか。
神様仏様が居た!と安心したかった。
そんな訳で、未だに彼岸花を見ると、神様や、仏様に出逢えたら良いな!と、淡く期待してしまう。
今年は少しゆっくりめの開花。
今週くらいは、楽しめそう…。
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