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Photo by
noouchi
先延ばしのエンディングノート
昨日は母が
今日は父が、相次ぎ緊急で入院になった。
一日違いで
二人とも同じ病院、
同じフロアに入院するとは!
診断は全く違う科ながら、
確か300床以上ある病棟の、
わずか100メートル程離れた部屋へ。
なんて、仲良し。
夫婦は互いに会いに行ったり出来ず、
娘の私でも、なかなか会えないけれど……
私には、姉が色々と指示をくれた。
なるほどなるほどと、すべきことのリストを作る。
優先順位もつけて、書いては消し書いては消し。
多分なんとかなる。
なんとかなる。
なんとかなる。
念仏のように呟く。
忙しいけれど、手持ち無沙汰よりはましかもしれない。
つい数日前の週末には、窮屈だったリビング、
いつも牢名主のように母がいたソファも、
空っぽ。
刑事ドラマやニュースで毎日何時間もついていたTVも、音がしない
ある日突然て、本当だ。
介護はある日突然始まる、ってやつ。
娘が自分の部屋に行くと、
リビングにはもうヒーターの音しかしなくなった。
娘は、帰宅時に、解放感ある!と言ってから
今のまずかった?と私を見た。
私は嫌な顔をしたから。
私はすごく寂しいから、一瞬嫌だった。
だけど窮屈だったのも同じだわ。
私はじじばばと喧嘩ばっかりしていたもんね。
あなただって嫌だったよね。
私はくどくどと謝った。
姉は、二人のエンディングノートを確認して、と言った。
私はまだ見たくない。
今日は先延ばしにした。
ひとまず、寝よう。
自分、よくやった。
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