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手紙を書いたら【スキを、201もいただいたこと】

ある晩、象は象小屋で、ふらふらたおれて地べたに座り、藁もたべずに、十一日の月を見て、
「もう、さようなら、サンタマリア。」と斯う言った。
「おや、何だって? さよならだ?」月が俄に象に訊く。
「ええ、さよならです。サンタマリア。」
「何だい、なりばかり大きくて、からっきし意気地のないやつだなあ。仲間へ手紙を書いたらいいや。」月がわらって斯う云った。

宮沢賢治 オツベルと象 より

娘が保育園の最後の年に、読んで貰ったお話。
娘は、微かに覚えているらしい。
お父さんの一人が、子ども達一人一人に物語の見事な切り絵を作ってくれて、感激した。
保育士達の歌った、仲間達の歌にも。
母達で、切り絵を行灯のように飾った。

よく遊びに行っていた
絵本と児童書のお店の店主は、
“オツベル”は保育園ではまだ早いのじゃないか…と言った。
でも、こんな話が、心のどこかに残ってくれたらいいですね、
子どもは、読んでもらった話に戻って来ますよ、
と話してくれた。
子どもに本を読む時間って、
親にも与えられた時間なんです、とも。

娘に本を読まなくなった。
手紙も、随分書いていない。
そのかわりのように、
私はブログを書くようになった。

半年経ったこの頃、
ある記事に、いいねと印をつけてくれた方が200人を超えた。

しっかり読みたいのと、シングルマザーの余裕のなさ故、
フォローをしてくださっても、
私の方でフォロー返しを(という言い方で合っているならば)していない方もたくさん。
しかも地味な、独り言のブログに。

私には、どうしても書かずにいられなかったことだった。
ああ、書いて良かったのだと思った。

関心を持ったり
読んでくださったお一人お一人の方へ、
改めて、ありがとうございます。



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