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節分と、見ざる言わざる塩昆布
節分ですね、おはようございます。
朝刊のバイクの音で目が覚めた。
雪道を走るってすごい。
昔、娘と見に行ったサーカスを思い出す。
母が娘の誕生日にとチケット代を渡してくれた。
娘も私も、ダイナミックな技に大興奮
(バイクから話が逸れるが、身体一つで挑む技がやはり素晴らしかった)。
思えば、私達にプレゼントしてくれても、
母がお祝いごとに一緒に行かなくなって久しい。
昨日の夕飯は、
エリンギ、大根葉、乾燥ごぼうの味噌汁。
鶏肉、キャベツ、新じゃがの味噌炒め。
キャベツを少し切り過ぎたので
梅和えにして、
両親の好きな塩昆布を加えた。
父は、高血圧気味だが
薄味では物足りないと
テーブルに置いた食塩を使う。
ではなるべく安心な塩をと思い、
不妊治療中に使っていた塩を取り寄せているが
父は忘れて使わない。
塩昆布も、少しくらいならいいかな。
塩分、確かに加えましたよ!という感じで野菜の上に載せた。
母は、食卓までなんとか一人で歩けるようになっている。
家事も、ほんの少しするようになった。
それはそれで、小さなトラブルが増えているのだけど。
歩行は万全ではなく、掴まりながら移動。
ドタ、ドタ、とすり足で危なっかしい。
外出は年末以来一度もしていない。
退院前のICでは、毎日リハビリをしますと熱心に言っていたが、
退院後に特段の運動はせず、一月が過ぎた。
デイサービスは人付き合いが煩わしいそうで
前にも利用を渋り、やめてしまった。
しかし訪問リハを頼むには
娘(私)に定期的に病院に連れて行って貰わなくてはならない、
ああ、人(私)のお世話にはなりたくない、
考えたくない、と棚上げ。
そんなところのようだ。
リハの話って、ケアマネに返事をしたの?
デイの、見学に行くのじゃなかったっけ?
最近尋ねると、
私が“デイの”としか言わないうちに
母は烈火のごとく怒り出した。
色々口出ししないで!!と。
あの決意表明は何だったの…
日常に戻る容易さ。
新しいことを始めるハードルの高さ。
いただきます、美味しそう。
昨日は、ここまでは平和だった。
父は一口も食べないうちに
おかずに食塩を掛けた。
最初は頭に来たが、少し慣れた。
みおこ、ナイススルー。
そして母は、テーブル上に置いているガラス容器から塩昆布を取り出した。
えっ?それ、どうするの?
私が聞く間に、母はおかずに大量の塩昆布をこんもり載せた。
父にも勧める。
その量に目を疑う。
小さなスプーン、2杯か3杯分!!?
和物にも塩昆布入っているじゃない?
つい詰問した。
母はキッとなって返した。
良いじゃない、どうせもう味音痴になってるんだから!
これ、もう何を言っても通じないやつだ。
母は最近、父にも、こんなヒステリックな口調で怒りをぶつけるようになった。
母は律儀にも父を立てて来たから、驚く。
思うように動けない苛立ちか。
母の姿が悲しかった。
家族の健康を考えて
40年以上前に生活クラブに入り、
おやつも手作りし、
生真面目に長らく食卓を守って来た人が。
こんもり。
炒め物に載せるセンスにも。
私がいない昼時はインスタント、冷凍食品、菓子パン。
これが長らく続いて、味覚はもう濃いものしか
受け付けないのか。
娘が気遣わしげに私を見た。
たえこは味付け、ちょうどいいよ。
て言うか最近ちょっとしょっぱい。
ばばは、一口も食べないうちに何かかけるのは作った人に失礼って言ってたよね。
庇ってくれてありがとう、
気を遣わせて、ごめん。
お通夜のような夕飯。
トラブルはなくても、このところずっとだ。
両親はたぶん、私に何か指摘されるのを警戒して、黙々と食事する。
二人きりでお茶を飲むと、いつまでも楽しそうにおしゃべりしているのだ。
私は横暴な悪者か!?
私はまた目まぐるしく感情を整理しようとした。
悲しかったのは
母の過剰にヒステリックな反応。
母が、まだ思春期の娘の、心情を推し量ることもできないこと。
あの理知的だった母が、という喪失感。
それに、
日々、喜んで貰えるだろうかと思い作っている食事を無碍にされた憤りだ。
しかも理不尽な悪者扱い。
食事を終えた母は、
ぎくしゃくとリビングに移動しつつ、
ぎくしゃくと私に言った。
おご馳走様でした。
嫌な気持ちにさせてしまうでしょうから、
やはり食事は別がいいわね。
その方が、はるかにいい。
憎々しく言い捨てないと気が済まないらしい。
はい、お粗末様でした!!!やってらんねー
私は答えた。
50代の娘が80代母に暴言。
少しくらい荒ぶらないとやってられねー
声、でっか!娘が突っ込んだ。
前からそのつもりだったのだ。
先に両親に食事して貰い、
私達母子はその後食事するようにしていた。
すると、
急かされてるみたい、食べた気がしないわ。
母が聞こえよがしに言ったので、
私達母子が先に、両親はその後に食事をするようなった。
いっとき、平和が戻った。
お正月にまた一緒に食事をするようになり、
その後は私達母子が食卓につくと
両親もやって来る。
あらら、、、
この時、また別に食べましょうか、とは
言いにくかったのだ。
ミスった。
やはり距離感は必要なんだ。
塩昆布ショックは起こるべくして起こったのだ。
長年、積み重ねて来た互いのペース。
特に両親は老いとともに様々なことに折り合いをつけて来たのだと思う。
90近い。
数十年続けた健康的な食生活だって
葛藤しながら手放して来たのかも。
はい、また別々に致しましょう。
塩昆布もお好きなだけどうぞご存分に。
両親は配食を頼んでもいいのかもしれない。
こってりした感じの。
作り手の押し付けがましい価値観は感じられない、気楽な食事。
タイミングを見て提案しよう。
みおこ、ナイスファイ。
後悔ばかりしていられない。
びっくりしたけどね。
これからも、
見ざる言わざるで、やり過ごそう、そう決めた。
びっくりしたけどね。
これにて邪気祓い。
鬼は外ーーー!
長い文を読んでいただき、ありがとうございました。
手製の塩昆布を作っても、
“味変”されてしまいそう(笑)
せめて無添加のものにしようかな。
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