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年上


試合の帰り際に、なかなか控室から出て来ない娘と友達。
友達母が、まさか外で遊んでいるのかな?と言う。
もう暗い。
私は体育館の玄関口で待っていたので、外ではないわ、
中でお菓子パーティとかしてるのかな?と
母二人で控室を見に行くと、コーチが、娘と友達に図解しながら技術的なアドバイスをしているところだった。 
我々、黙って退散。

コーチ達の真剣さにはハッとする。
まだ十代の大学生や、社会人になりたての人達が、こんなに能動的に動くものかと。
年下の子達を可愛がって、からかったり一緒にふざけて、きょうだいのよう。
一方で、子ども扱いせず、真っ直ぐに要求をする。
精神論を語らなくても、この競技、この場を大事にしているのだと伝わって来る。
あれこれ齧りつつもスポーツと関わりが薄かった私には、眩しく、この場にいられる娘達が羨ましくもある。

指導者への謝礼の少なさにも驚く。
大学生なら他のバイトの方がずっと効率が良くて、辞めていった先輩達もいて、寂しいけれど当然だとも思う。

コーチから
妙子、話したことわかった?
と聞かれて、うん多分…とクネクネして答える娘。
多分って。
年上の人達の姿が、娘のどこかに残ると嬉しい。




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