娘の涙 “面会交流”について私が決めたこと。
娘が、また父親のことで泣いた。
習い事での、ある瞬間
私が“しょうがない、ここは我慢しようね。”
と声を掛けると
“嫌だ”と一言。
それでも皆の前ではふんわり笑っていたので、
どれだけの気持ちか気づかなかった。
体育館を出て、トランクにスポーツバッグを積んでいると急に表情が変わった。
一瞬私に抱きつき、
直ぐ私をすり抜け、後部座席のドアを中から閉め、
小さく声を出して泣いた。
友達親子も次々と駐車場に来たから、
見られたくなかったのだと思う。
お父さんが精神病を治さなかったから、
こんなことになった。
いつもたえこだけ、皆ができることができない。
お父さんは気に入らないとすぐ裁判だって騒ぐから、
皆が嫌な思いをして、
うちだけ変な目で見られてる。
小さな、震える声で、そう言った。
全て、本当にその通り。
私はただ、聞くしかなかった。
相手は、実際に訴訟をいくつ起こしただろう。
近くで娘の様子を見たという人から電話があった。
うちの娘(たえこの先輩)が、たえこがなんか泣いてたって言ってたけど、と。
我が家の事情を知っている数少ない人の、一人だ。
会わさなくていいんじゃない?
たえこはお父さんのことどう思ってるんだろう
たえこの習い事にこんな干渉して
悪いけど、言ってることがまともじゃない
決めるのはあなたとたえこだけど
俺ならきっぱり会わせない
これを言われたのは初めてではない。
あなたは甘いと思う
なぜ会わせるの!?
恩師は、普段声を荒げることなどしないのに
叫ぶように言った。
住所を知らせなくていい
そう言った人も。
姉は、実は娘の父親と同じく強迫性障害がある。
ずっと娘の父親に同情的だったが、
私が別居後には、一回だけ
会わせなくていいんじゃないの?
たえちゃんにとって害でしかないと私は思う
病気だからと言って踏み越えてはいけないラインがある
最低限の義務も果たさず厚かましいと思うし、
腹立たしい
そう言い切った。
娘は、思春期には次第に、自ずと父親と距離ができるだろう。
私はそう思っていた。
自身の強い不安の解消が最優先で、家族や他者を巻き込む。
周囲と調和できない。
調和を“同調圧力”だとして糾弾する。
あとは、実子誘拐、片親阻害、
ネットで拾って来たそんな言葉で。
他者の非難や私の訴えは“空想、ドラマチックな脚色”と非難、排除。
娘の苦しさ、涙さえも、見ないふり。
そんな、遺伝子だけの父。
ただ、娘は父親に懐いていた。
仲良しだった。
私はその関係は大事だとも思っていた。
相手はそんな思いすら踏みつけにして
やはり、強迫観念を優先した。
会いたくない時は会わなくていいよ。
私は娘にずっとそう伝えて来た。
遅過ぎたかもしれないが、
やはり会わなくていい。
会わない方が、いい。
あなたがまた傷つくのは嫌だ。
そう話そう。