枕からの命令
娘たえこ。
あるクラブチームに入っている。
最近はレギュラーに入れて貰えるようになり、
運動量はかなりのもの。
帰りは、お喋りが途切れ、うとうとしかけた頃に、自宅に着く。
私に何度も起こされる。
たえちゃん、着いたよ
たえちゃん、おうち
たえこー
たえこ！
シートベルトを外せば、楽に休めると言う。
だけど、万が一のことを思うと
外していいよとは言い難い。
かくして、
リクライニングできない後部で、
いつも、ぎくしゃくと身体を折り曲げて休む。
スポーツバッグを片付け、シャワーを済ませ、
ベッド最高、と呟いて横になる。
片付けは翌朝したら、と私は言うが
頑なに夜のうちに済ませる。
せめて、車内でもう少し楽に仮眠が取れないかしら。
枕代わりに、エアクッションをポチッと。
娘のリクエストで、フリースの毛布も買った。
私の毛布も積んだ。
ネックピローもいいかもしれない。
洗えるのがいい、と洗濯表示を見る。
ということは、多分洗えるのだろう。
仮眠グッズに、随分費用がかかるなあ。
全部で1万円近く！
我が家の収入と、なんとアンバランスなこと。
悩ましいけど、頑張っているもんなあ、娘。
ネックピローは私の車内休憩にも使えそう。
冬の夜道、元気が出そうな色（私が）。よし！
ポチ。
これ見て、と同僚に洗濯表示を見せると、
もう命令形ではなくなっていた。
ちょっと残念、
暮らしの中で、命令されることって
あまりないですよね、、、？
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