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今日の要支援 87歳の母、歩く


母が、今年初めて外に出た。

休みに悪いけど、イオンに連れて行って貰えないかしら、と。
びっくり。
お安いご用!!

このところ暖かく、駐車場や店の出入り口など日陰でも足元があまり滑らない。
雪がとけた水たまりはあちこちあるけれど、
転倒の不安に比べたら、なんてことはない。

店内を、母はまずカートを押して髪の毛をカットしに行く。
こざっぱりしたが、かなり疲れたそうで、
車椅子に切り替えた。
階段を使わなくていい場所に車を移動することにして、
父に車椅子介助をバトンタッチ。
父は困惑しながら、母を不器用に介助した。
うわあ、危なっかしい
そう思ったが、黙っておいた。
母が、私が父を叱ることを非常に嫌がるのだ。
自身が転びそうになっているのに。

父が銀行の用事を済ませている間に、
母と話す。

みおさんの体調が落ち着いているから安心したわ、と母。
私も、心配を掛けていたのだなあ。

父は、今日も出掛けに母に癇癪を起こしていた。
父の短気、癇癪に関しては、もう諦めるしかないわと母は言う。
母は耳が遠いのでそれでいいのかも。
最近は私も、娘のようにスルーできるようになって来た。

母の入院中と比べたらマシになった。
母の入院中、父のイライラは酷かった。
お母さんがいなくて、不安が強かったのね、と私が言うと
あら、そうかしら。
確かに、奥さんがダウンしたり、亡くなると、
がっくり気落ちしてしまう男性は多いみたいね、と言う。
反対に、高齢女性は配偶者が亡くなってから元気になる人が多いのよね〜、いきいきと。
私が言うと、母は、あははと笑った。
そうだ、それまで、元気でながらえて欲しい。

うちのお父さんもわがままだからね、とも。

あなたが、面倒だからと指摘や要求を諦め甘やかしたのでしょう、
おかげで大迷惑。
私は母にそう言いたかったが、やはり黙っておいた。

もうすぐ母の誕生日、お店の予約も頼まれた。
お安いご用。
私が前に提案したファームレストランだと
“お父さんは気後れするみたい、
気楽なところがいいわ”と言う。
父が昔から会合で使うレストランに行くことにした。
和洋中華の定番がずらり、確かに気取らない。
やはり父第一。
それが母の流儀だもんね。

母は引きこもり生活が続いていて、
もう外出は難しいかと諦めかけていた。

母が元気だと、皆が安心する。
そこで今さらハッとする。
自分も母親だった。
元気でいなくてはね。


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miomioみお
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