MVPと、雪のウユニ湖

初めて、MVPに選ばれた娘。
名前を呼ばれ、呆然としていたようで
“たえこだよ〜”と監督にもう一度呼ばれた。
マイクでコメントを求められると、
小さい小さい声でふにゃふにゃ、
“これから（もがんばります？）…”と。

控え室に向かいながら、私を見つけると、
◯◯◯（エースの子）とかが選ばれると思ったから、
びっくりして固まった！、と
頬を赤くして言った。
優秀って言うより敢闘賞？かも、
がんばったで賞みたいな？…と照れてもいた。

でも私は勝手に、
母子で賞を貰ったような気持ちになって、
じーんとした。

帰り道、
チョコレート工場でソフトクリームを食べて、ささやかにお祝いをした。
例によって私は家にお財布を忘れて来たけれど、
バーコード決済ができて幸い。

建物から出ると、
広い広い畑や道が、雪と氷でウユニ塩湖みたいに光って
二人でうわぁ、と立ち止まった。
こんな景色を一緒に見られることも、
どちらともなく“すごいね”と言い合えることも、
嬉しかった。

嵐のような一年の終わりに、
ことのほか嬉しい一日。