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対面販売に求めるもの

前書き
今回は、エッセイっぽいもの。対面販売について思う事を語っていく。

というのも、今日、ちょうどデパートの対面販売で赤エビを買って、その対応に思う事があって。対面販売について考えてみた。


対面販売の今昔

対面販売のイメージというと、昭和の頃でいえば、商店街で直接店主と話しながら買う形式である。

アニメのサザエさんで、いつも魚屋や八百屋でサザエさんが、店主と話しながら買っている様子が描かれている。その際に、店主は名指しで「サザエさん、今日は安い良い魚入ってるよ!」と呼び込んで、言葉巧みにオススメを買わせようとしたり、逆にサービスでオマケを付けたり、価格をまけたりする。

この場合は、店主と客は顔馴染みであり、気持ちがある程度ほぐれている関係性だ。店主はお客であるサザエさんの性格を知り尽くしており、サザエさんも店主を信頼して買い物している。

売る側と買う側のこのような関係性には、何となく違和感がある。私も昭和生まれだが、もっと昔の商店街で買い物をする場合、みんなこんな感じだったのだろうか?  サザエさんの中の買い物がファンタジーに見える。

昔から住んでいる所が商店街が既に廃れていて、スーパーでばかり買い物していたから、ピンと来ないだけかもしれない。

頭に刷り込まれるダミ声の呼び込み

令和になった今でも、デパートやスーパーの一角で、たまに対面販売をしている。主に魚類が多いのだが、不思議と肉や野菜の対面販売はあまり見ない(何でだろう) 

魚類の対面販売というと、昔は魚売り場の店員さんが、ドスの効いた大声で「はい、ご利用、ご利用、ご利用! ○○、○○、○○(魚の名前)ー!」と、連呼する独特な呼び込みをしたりするイメージが、未だに頭に焼き付いている。今思えば、連呼する事で、こちらの頭に強制的に焼き付けているのだろうか。

あと、揃ってダミ声なのは、1日中声を出しているから、声が枯れるのだろうか? 何処に行っても、魚売り場の店員さんは特徴的なダミ声なのが不思議だった。逆に今はなかなかお目にかかれないのは何故だろう?

対面販売の醍醐味

最後に対面販売の醍醐味を感じたのは一昨年の就活時。何社も何社も書類送ったり面接して疲れ果てていた。何社も落ちてようやく内定もらって嬉しかったので、美味しい物でも作ろうと、普段は滅多に行かないデパートに買い物に行った。

魚売り場で対面販売があり、真鯛が売っていて、デパートの割には安かった。めでたいから鯛でいいかなーと寒い事を考えながら、私が真鯛の前で迷っていると、笑顔で元気の良い男性の店員さんが、「これは塩焼きがオススメですよ!」とか、真鯛のオススメな調理方法とかを教えながら、沢山置かれているカゴの中で良さげな真鯛を選んでくれた。私は気持ち良く真鯛を買って帰った。

今日は同じ売り場で買ったのだが、あまり批判的になる事を書きたくないので詳細は省略するが、前回のような接客を受ける事が出来ずに、ちょっとガッカリした(違う店員さんだった) やっぱり、私は対面販売の独特な触れ合いを求めているんだろうなと感じた。

そういえば、以前もそんな店員と客の触れ合いの事について書いたんだった。私の考えはブレていない(ただの寂しがり屋)

最後に

対面販売は人件費も掛かり、非効率とは言われるが、和やかな会話で人の心を解し、財布の紐を気持ち良く緩めさせる事が出来る。ただ商品を売るだけではなく、人と人が触れ合い楽しく買い物が出来るのが対面販売の良い所だと思う。それが煩わしく思う人は最初から対面販売で買わないと思うし。

今日の事は、私も対面販売の接客に期待し過ぎた結果、期待通りにならなかったからモヤモヤしたんだろう。

これから、どんどん対面販売が無くなっていく世の中になると思うが寂しいものである。

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春原美桜(miosuhara)
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