第2回“お笑いゲームネタNo.1決定戦 ゲームネタGP” 感想
前書き
今更だが、第2回“お笑いゲームネタNo.1決定戦 ゲームネタGP”の感想を書いていこうと思う。*全組ではなく、優勝した超平和万博と個人的に気に入った無尽蔵の感想のみなのでご了承下さい。ネタバレもたくさんしているので、まだ観ていない方で知りたくない方は、回避お願いします。
キッカケ
数ヶ月遅れでアーカイブを観た。そもそものキッカケは、ここ最近は、お笑い芸人さんのYouTube動画を観る事が多いから。同世代の博多華丸・大吉や、北関東ローカルネタのU字工事が好き。お笑いの好みは人によって様々だけれど、この2組を見て分かる通り、私は攻撃的な尖ったネタや下品なネタよりも、人を傷付けないあるあるネタを好む傾向にある(ヌルイ奴と言われても好みだから仕方ない)ついこの間だが、男性ブランコというコンビの「数学泥棒」というコントにもハマった。どうやら、知的に創り込んだネタも好きらしい。
話を戻すと、そんなお笑い熱が上がっていた矢先、漫才で私が好きなゲームネタをメインにやっているコンビはいないだろうか?とググってみたら、このゲームネタGPが出てきたという訳だ。
ゲームネタは万人受けしないジャンル。そのゲームやキャラ、専門用語等を知らなければ、笑いには一切繋がらない。間違ってもM-1などの賞レースでは絶対に出来ないだろう。今回初めて観たが、何で私は今まで知らなかったの?と激しく後悔したが、最終的には、ググって見付けた幸運に感謝した。
冒頭にも書いたが、特に気に入って笑い転げた2組のみ感想を書こうと思う。ネタの感想に、私見のゲームコラムみたいなのも混ざっているのでご了承を。ネタタイトルは内容に合わせて、私が便宜上、勝手に付けてます。
無尽蔵
1本目「食堂で勝つにはどうするべきか(ユーザー側)」
冒頭、学生2人が食堂の入口で何か食べよう的な話をしていて、この日常にありがちなシチュエーションが、どう非日常のゲームネタに繋がるんだろうと思ったが、すぐに「長期メンテ」「ナーフ」などの専門用語が出てきた。私を含めた観ている人全員が、「そう来たか!」って思っただろう。
食堂を利用する学生(ゲームユーザー)VS食堂のオバチャン(運営側)という構図を作り上げた斬新な切り口が、お見事としか言いようがない。ゲームネタというと、どうしても特定のゲームのあるあるや、キャラのモノマネになる。ご本人達が言う通り、ゲームという常に著作権が付き纏いがちなジャンルなのに、何処に出しても困らない「著作権フリー」のゲームネタを作り出した。
構築と言ってるから、モチーフはカードゲームだろうか? ネタの中で、ユーザー間で作られた流行りの構築で、「(勝てるけれど)美しくない」「それを使って勝ったとて」というセリフがあった。それは、きっとそのゲームを愛しているヘビーユーザー(今なら、重課金ユーザーだろうか)が、運営側が意図している王道で最適な勝ち方を自力で見つけ出して、勝つのが美しい勝ち方で、それ以外は、いくら強くて勝てても邪道というゲーマー特有の美学という事なのだろう。オンラインゲームユーザーというのは、常に運営側との心理戦である(それは、2本目のネタの方に強く出ている)
メニューを決める際、負けてもいいからコロッケを食べる。採用理由は愛ってあって、「食堂で自分が好きなものを頼んでどうする!」って言われていて、いや、食堂で自分が好きな物を頼むの普通では?って思うけれど、勝つ為には、自分の好きな物よりも、確実に勝てる物を優先して選ばなくてはならないのがゲーム世界(負けたらおしまいだから)オンラインゲームのあるあるをふんだんに詰め込んだ斬新で面白いネタだった。
2本目「ヤマダ高校中央食堂メニュー会議(運営側)」
今度は先程の食堂のオバチャン(運営側)が、メニュー(アプデ)会議をしている。前シーズンの反省から入って、修正内容を検討していく。
オンラインゲームの運営が重視するのは、出来るだけ多くのユーザーが楽しめるように、そして何よりも引退を防ぐ為に、安定した環境を整えていく事。長期的な安定を望めない過度なインフレの回避、どの構築でも勝てる可能性を作り、特出した物は排除、または修正する。特定の構築をナーフしたら、それを気に入って使っている重課金勢が引退するのでは?って言った時に、サイレント修正入れましょうっていうのは、めちゃくちゃ笑った。表立ってアプデ告知すれば反発されて引退者が出るが、こっそりやれば目立たないから引退者を減らせる。これはあるあるだと思う(重課金するほどのユーザーなら、あっさりバレるとは思うが)
1本目の時にも書いたが、オンラインゲームは、運営側VSユーザーの心理戦が付き物なのである。運営側は、ユーザーがなるべく不満を持たないように、ご機嫌を取りながら、でも、ユーザーのワガママを聞き過ぎても、全体的な環境が壊れるから、なだめすかしてやり過ごす(詫び飯(石)、サイレント修正) ネタ中の「誰の為の食堂(ゲーム)なのかしら、根源的な問題よね」っていうのは、オンラインゲームの歪んだ現状だとは思う。
それにしても、作り込んだ著作権フリーネタだった。審査員長の野田さんが絶賛していたが、私も全くの同意見である。著作権フリーなので、ゲーマーが沢山集まるゲームショウ辺りで披露すれば、バカウケする事、間違い無しだと思う(混んでいるゲームショウにわざわざ足を運ぶのは、ゲーム愛がある重度なゲーマーだから) 惜しくも優勝は逃したが、私個人的には、ダブル優勝でもいいくらい素晴らしいネタだった。
超平和万博
1本目「もし、セガが天下を取ったら」
セガが取る天下。令和の世では夢物語だが、審査員長の野田さんが言っていた通り、ドリキャス辺りまでは決して有り得ない話ではなかった。セガサターンでは、せがた三四郎(藤岡弘)、ドリームキャストでは湯川専務が度々TVCMに登場して盛り上がっていた。漫才のネタである『FFⅦの誘致に成功していたら』セガとソニーの運命の分かれ道は、正にそれだった。FFⅦの誘致に成功したプレステのソニーはその後、躍進していく。余談だが、セガサターンは任天堂の同世代機(NINTENDO64)よりも売れていたらしい(両方持ってるけれど)
ドリームキャストに関しては、時代を先取りし過ぎた不幸なハードとしか言えない。ハードの性能に、時代が追い付いていなかっただけ。ドリームキャストは文字通りの次世代機であり、進化ではなく、撤退に追い込まれてしまった結末は本当に悲しかった(ぐるぐる温泉、PSO、サクラ大戦シリーズと、何年も継続してお世話になった)
プレステ(ソニー)の代わりになるソフトがセガにはあるか?という問いに、敢えて「クレイジータクシー」や「ダイナマイト刑事」を挙げていた所が良かった。セガは一般受けではなく、コアなファン層に受けるソフトが多かった特徴を良く表していた。ぷよぷよをマイクラ系に持ってきたボケに、「同じ色集まったら消えちゃうだろう!!」というツッコミ、更に「ばよえーん、ばよえーん」からの「まけちゃったー」の流れが神がかっていた。これはぷよぷよをプレイしていないと絶対に面白くない。シリならぬシーマンも笑った。問いに対してぶっきらぼうに答えるシーマン、それに対する「お前、シーマン雑に扱ってただろう!」ってツッコミ入ったけれど、シーマンは確か常に毒舌で塩対応だったよね?それとも好感度上げれば、丁寧になるのだろうか(未プレイ)そして、「ユニバーサルスタジオジャパン」改め「ユニバーサルセガジャパン」の所で、初めて任天堂の存在を思い出す(遅)でも、オチの花札の会社はともかく、サターンやプレステの時代の任天堂は、今ほど勢いがなかったのは事実。ゲームの歴史が分かる素晴らしいネタだった。
2本目「日本の三大RPG」
1本目で日本の三大RPGは、「ドラクエ、FF、テイルズ」と言っていたのを、「ドラクエ、FF、真・女神転生」と訂正する所から始まる。実は私はこの中で真・女神転生(以下メガテン)だけ未プレイなので、武器の名前とかも分からなかった。テイルズに象徴する最強武器がないっていうのは何となく分かる。そもそも、テイルズは次々に新しいシリーズが出ているけれど、世界観は繋がっていない(ディスティニーは2があるが)個人的にはテイルズは、発売スパンが短すぎで作りすぎだと思う(ファンの方いたらスミマセン)もちろん、長期間待たせるよりは良いが、ユーザーが付いていけないと思う(私はエターニアで早々と離脱)現在時点でシリーズ累計何本出ているか調べたが、あまりの多さに数える気も失せた。ナムコはテイルズシリーズに、どれだけ多くの開発人員を割いているのだろう。そうじゃなきゃ、あれだけ短いスパンで出せないだろう。
三大RPGの社会現象に関しては、確かにドラクエ、FFに対してテイルズは弱い。というか、ドラクエとFFが強すぎて他が霞んでしまう。ドラクエとFFに匹敵するRPGを真面目に挙げるなら、ポケモンだろうか。余談だが、私はポケモン世代ではないので、未プレイ故にポケモンはRPGではなく、モンスター育成シミュレーションと勘違いしていた(アホですみません)
女神転生の元祖、デジタル・デビル物語は、アトラス開発、ナムコ販売で一つだったから仲直りしようという事で、プリクラで女子高生挟んで記念撮影しようという所で、『女子高生の間に、マーラ様ズドーン』『ダメダメダメ!!!』ってあったのだが、私はメガテンを全く知らなくて、マーラ様が分からなかったので調べたら……。うん、確かにこれはヤバ過ぎる(ここには載せられないので、マーラ様でググって下さい)このデザイン作ったの、やっぱり、あのアトラスの悪魔絵師金子氏なのだろうか(ボソっ)いや、こんなん通しちゃダメでしょ!!! 女子ゲーマーこんなの出てきたら、逃げだすわ!(少なくとも私は絶対逃げる)
ゲームの歴史に引き続き、日本のゲームジャンルの花形であるRPGを掘り下げたネタで素晴らしい。
余談
ネタ中、ボケのたくみさんがセガ&メガテンマニアを演じていたが、実はツッコミの和田さんの方がセガ&メガテンマニアだった。ちなみにたくみさんはポケモンのランクマッチをする程のマニアだった。お互い本来とは違う陣営を熱く演じていたという事で、お二方の演技力に脱帽した。和田さんがテイルズ側を演じているのにも関わらず、メガテンの武器を訂正する所は、隠しきれないメガテンへの愛なのだろう。本当に面白くて感動した! 優勝おめでとうございます。
最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。