ハラスメントにまつわる心理戦
今回はいつものエッセイとはちょっと違う(?) 実験的な記事 (ネタがないとも言う)
思うところが色々あって、需要もないのにダラダラ書いていきたい。
最近、やたら「ハラスメント」って言葉が蔓延している。
昔はデリカシーがなかったり、失礼だと思う言葉に対しては、スルーや我慢を強いられてきた。それに対してイチイチ反論するのもアホらしい。反論すると「そんなのスルー出来ないなんて大人気ない」という諦めの雰囲気はあった。
しかし、令和の今。
SNSの普及により、「ハラスメント」が絶対悪として糾弾されるのが普通になった。
良く言えば、正義が勝つ世の中になった。
さて、「正義」とはなんだろう。勧善懲悪という言葉があるが、最近では正義の定義もかなり曖昧かつ歪んだものになってきたと個人的には感じている。
昔、まだ「ハラスメント」という概念が初めて出始めた頃に「ハラスメント講習」というものを職場で受けた。
「ハラスメント」というのは、相手が不快に感じれば全て当てはまるとの事。
その頃はまだ相手が不快に感じるレベルが常識的だった。つまり、誰が聞いても酷いと思える大声で恫喝されたり、人格否定されるような言葉を吐かれたりなど。
しかし、今は結構些細な事でも「それは○○ハラだ!」と言われてしまう世の中になってしまった。
何が「ハラスメント」になるか、ならないか?
そんなのは相手との関係性次第なはずなのに、SNSで圧倒的多数で叩かれる言葉は、どんな関係性でも言っていいのか、悪いのか分からなくなってきた。
つまり、冗談としてほっこり笑ってもらえるか? ハラスメントとして不快に思われるか?
この境目が最近、本当に分からなくて怖くなっている。
最近起こった事を例に挙げてみる。
ここにもたまに話題に出てくる職場のゲーマー男子。ついこの間、髪を少し切った様子。
私は朝一でそれに気が付いた (キモいオバサンでごめんなさい) 早速、「あっ、髪切ったの?」と聞こうとしてフリーズした。
そういえば、何かで「髪切った?」というワードはセクハラになるって聞いたあったような……。しかし、それは多分、オジサンが若い女子に言う場合かもしれない。
「髪を切った」
自分の変化に他人が気が付いて言ってもらえるのは私だったら嬉しい。前に髪をかなり切ったのに誰も指摘してくれなかったのがショックで寂しくて、とうとう言ってくれた人が現れた時にとても嬉しかった。
でも、これはあくまでも私の感情であり、誰にでも当てはまる事ではないのかもしれない。
そもそも、男性は「髪切った?」って言ってもらいたいものなのか?
自分の変化に他人が気が付く事に対して、嬉しいという感情がくるのか、それともウザイのか。
それが好きな異性だったら嬉しいんじゃね?
きっと男性ってこんな感じ(勝手なイメージ)
そんな結論にひとまず達したが、それなら私が言ったらどうなる? 好きな異性では間違いなくないと思うので、余計な事は言わない方がいいのではないか?
「何、このオバサンキモい」
そう内心で思われるのは耐えられない。しかし、私はお喋りオバサン。気が付いたのに言わないのは消化不良でモヤモヤする。
「髪切った?」たった5文字の言葉を言うかどうかで、何故フリーズしなければならないのだ。
しかし、ご時世柄「逆セクハラ」になる危険性もゼロではない。
リスクヘッジは非常に大事だ。
これが昭和ならフリーズせずに言えたかもしれないのに。
そもそも、SNSのせいで情報過多だと思う。沢山の炎上とか見ているせいで、一般的な常識すら歪んで分からなくなっている。前記したが、正義の定義が曖昧になっている。何を信じて言葉を発すればいいんだと悩んだ。
この自己完結心理戦はフリーズして30秒くらい続いた。
結局、「髪切った?」は言ったが、「女性に髪切った?って聞くのはセクハラになるみたいだけど、(性別)逆はどうなんだろう。不快に思ったらごめんなさい」と糾弾もされる前から謎の先回り謝罪をした。
しかし、謝罪をした後に、「こんな先回り謝罪なんかしたら、逆に嫌がらせの為にわざと言ったと思われる?」と後悔の念がグルグルと脳を駆け巡る(心理戦は延々と続く)
彼は「別に大丈夫ですよ」と言ってくれたが、明らかに「この人、変だな」と引きつった顔だった。勝手に気を回し過ぎて印象が悪くなった模様(多分)
別にたかだか日常の一コマでHUNTER × HUNTER並に心理戦しなくていいんだよ(しかも一方通行)
普通に「髪切った?」とサラッと言えば良かったのだ。そうすれば、「あーそうなんですよ」で済んだ事案だった。
結果的には考えすぎた上に対応としては失敗なのは明らか。ハラスメントに気を付けるのはいいけれど、ほどほどが良いという例。
SNSで炎上している事例はそれはそれとして、振り回されずに相手との関係性を自分できちんと掴んで言葉を選ぼうという結論になった。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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