『雑談アンチパターン』のはなし
人との雑談ってむずかしい。もう雑談というものをし始めて20数年になるのに、まだ上手に雑談ができない。幼少期にあんなにむずかしく感じた自転車だって1~2年そこらで乗れるようになったというのに。
そんな雑談、うまくいく方法は分からないけど、うまくいかないパターンはなんとなくわかる。いわゆるアンチパターンってやつ。今日はそんなアンチパターンの1つを紹介したい。
それはズバリ、「知識かぶせ」。
誰かの発言に対して「知識でかぶせる」。これは本当に劇薬。うまくいくと尊敬を得られるのだけれど、たいていはへ~、そうなんだ~、知らなかったからギュウウンと盛り下がって終わる。だから関係性が成熟していないときにこの返しを使うのは悪手でしかない。
でも、この劇薬がつかわれているのをよく見かける。
例えば「こないだ食べにいったおいしい店」の話をしたときに「その近くにあるもっとおいしいお店」の話、「もっと安い店」の話、「もっとお洒落な店」の話。次に待ってるのは「へ~そうなんだ今度いって見よ!」、あるいはさらなる別の「知識かぶせ」。
こうなるとずぶずぶ泥沼。知識披露合戦に落ちていき、なんか早く終わって次の話題いきて~な~の雰囲気。こんな場面、ありません?僕もたまにそんな返ししちゃう。意識してるつもりなのに。なんか「知識かぶせ」の不思議な磁場に吸い込まれていきそうになる。
そんなときに僕はとる戦略の1つは「クソアホ」。「その近くにもっとおいしいお店あるよ!」ともし言われたら、「そりゃあめでてえ、しかしあたしゃぁ舌バカなんで、悲しいかなおいしさの分解能が ガラケー並みの荒さなんで、ヘヘ・・・」だ。これでとりあえず「知識かぶせループ」からは脱却できる。
ま~、「知識かぶせ」に対して「そうなんだ!めっちゃ勉強になるなあ」と心から素直に思うときもあるから、なかなか難しいんだけどね・・・。そもそもなんで僕は「知識かぶせ」に抵抗を覚えるんだろう。話をとっていかれた気がするから?マウントをとられるのがイヤだから?なんか、いっぱい理由がありそう。
あれ、これもしかしたら単純に性格の問題かもしれない。どうやら自分というものの面倒くささが露呈しただけになりましたね。僕だからこそ雑談が苦手なのか。
納得。
泣いて良いですか?泣きますね。
(男の嗚咽が、だんだん小さくなっていっておわり)
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