『ナンカレー屋』のはなし
ラジュというナンカレー屋が京都にある。ナンおかわり自由とコスパが良く、学生時代よく通った。店員さんはみんなインドやネパール系。日本の飲食店にない独特のゆるさが良い。
店内には大きなモニタがあり、ずっとインド映画のダンスシーンが流れていた。ダンス部分だけ集めた放送があるのか?そうなら尖りまくった番組だ。出演者は総じて美男美女。もれなく顔が濃い。カレーも濃いほうがおいしいし、そういう価値観なのだろう。テキトーなことを言っています。
よく頼んでいたのは最安メニューの『豆カレー』。だが、ほぼ食べたことがない。いつ頼んでも『豆はない』と断られるからだ。ないのか、ならしょうがないな。しかしほかのカレーを頼むと豆が入っている。なんで豆カレーだけはダメなんだ。一見さんお断りのメニューなのだろうか。店も京都にあるしなあ。テキトーなことを言っています。
驚くなかれ、お釣りもザックリしている。多いときも少ないときもあった(もちろん多寡があれば申告する)。一万円札しか財布にないときは、いくら返ってくるのか緊張する。どうやらこの店では円の価値が変動するようで、独自の為替相場があるらしい。テキトーなことを言っています。
昨今、周りに気を遣うことに疲れがち。だけどナンカレー屋はもっと『テキトー』でいいんだと思わせてくれる。「テキトーだったって死にゃあしないよ」僕はそんなゆるさが好きだ。ナンカレー屋は、人間関係に疲弊した現代社会にスパイスを与えてくれる存在なのかもしれない。はい、これもテキトーなことを言っています。
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