6月
嵐の吹く前の静けさにJelly Fish。
夏先取り
サークルで知り合った人と地元トークで意気投合したので、二人で葉山ヘ出かけた。(一ヶ月前にパンケーキを一人で食べてた自分が知ったら椅子ごとひっくり返るだろうな。) お互い待ち合わせの時間ぴったりに到着し、相手が丁寧に事前調べしてくれていたので、完璧なスケジュールで一日が遂行された。
現地に着くと早速お洒落な喫茶店に入った。レコードのコレクションがずらりと並んだ棚があり、クラシックの名曲に埋もれている大滝詠一を見つけて「大好きなんですよね〜レコード欲しいなぁ」と話していた。すると、気さくなオーナーさんがロンバケをかけてくれた。このアルバムを聴くと世界が爽やかに見えてくるよね。
ランチを食べた後、海沿いを歩いた。台風の影響でもともと雨予報だったけど盛大に外れた。途中で琥珀色のレモネードを飲んで、バスに揺られて、八分咲きの紫陽花公園をくぐり抜けて、大好物のアイスクリームを食べた。
森戸海岸では、水着になって遊んでいる子どもたちやサップを楽しむ若者、砂浜に寝そべって日焼けしてる人たちで賑わっていた。彼が波打ち際でシーグラスを探している間、私は大きい立派な巻き貝を見つけた。耳に当てるとさざなみの音が聴こえた。もらったアイスティー色のシーグラスと一緒にティッシュに包んで持ち帰った。
華金
その日は朝からずっとキャンバスの前に座っていた。昼食を忘れるほど熱中していたけど、夕方になって集中力が切れたので、近くのショッピングセンターまで自転車を漕いだ。19時だけど空はまだ明るく、おでこに当たる風が心地よい。カフェに入ってマルゲリータとレモネードを注文する。(レモネードに完全にハマった。) あっという間に平らげて今度はiPadで仕事の続きをする。隣で作業してたお兄さんの「うあ〜さすがに疲れた〜」って心の声がダダ漏れで、私も小声でお疲れ様〜と言った。
好きな映画ベスト5に殿堂入りしている「アバウト・タイム」がリバイバル上映されているということで映画館に向かった。最初からうまくいくわけないよね、雨の日があってもいいよね、一日一日を大切に生きたいって思わせてくれる作品。3回目なのにボロボロ泣いた。6月に上映しようって思いついた人、天才だと思う。
明日も素敵な日になりますようにと祈りながら眠りについた。
不器用
とある週の真ん中。お腹を壊して起き上がれなかった。前日に働きすぎたせい。休みの連絡を入れ、溜まったメールやLINEに謝罪の文面を送り、昼までたっぷり寝た。胃腸は丈夫なほうなので午後にはすっかりピンピンしてた。家中掃除機をかけ、隅々までクイックルワイパーして、断捨離をした。はぁ、何やってるんだろう。社会人3年目にもなって体調とスケジュールの管理が下手くそだなぁと落ち込んだ。
無味
海に行ったのは今年に入って何度目かな。カメラで繋がった方と葛西に訪れた。
この日も快晴で、芝生の上にレジャーシートを敷いてサンドウィッチを食べた。紫外線がジリジリと腕に照りつける。最近は晴れ女で助かってるけど、ノースリーブで来たことをちょっと悔やんだ。その後、お目当ての水族館に向かった。一番見たかったペンギンがお休みで悲しかった。
私が「コーヒーかお茶でも飲みませんか?」と声をかけると彼は「ジュースが飲みたい」と言い、今年に入って何度目かのレモネードを飲みにカフェに入った。
真面目で良い人なんだけど趣味が少ないらしく、会話が盛り上がらなかった。私も提供できるネタが少なくて申し訳なかった。氷がすっかり溶けてほぼ味がないレモネードをひたすら飲んでいた。お互いもっと破天荒なくらいがちょうどいい。
昔のほうが良かった
画風が定まらないのが長年の悩みだった。「どんなタッチでも描けるんですね!」と言われたら普通は嬉しいはずなのに「個性が無いってことなのかな…」と考えてしまい素直に喜べなかった。
デジタルがメインだったときは万人受けしそうな絵柄について考えていた。しかし、アナログで描き始めてからは素をさらけ出せるようになり、方向性がようやく見えてきた。油彩、透明水彩、色鉛筆、水彩色鉛筆、クレヨン、アクリルなど、この3年間で色々な画材に手を出したけど色鉛筆が1番好き。せっかちで飽き性だから短時間で描き終わる絵が向いてるみたい。絵の具は乾く時間待てないし、準備と片付けに手間がかかるし、机や手が汚れるからね。
変化の代償として、デジタルで描いた高彩度で塗りムラの無い綺麗な海のイラストが恋しいと何人かに言われた。そういう「昔のほうが良かった」って言われる経験、私だけじゃないと思う。以前読んだしいたけ占いでも似たようなことが書いてあった気がする。私もQueen大好きだけど、初期のグラムロックしてる頃の妖艶な女王様たちが好きだった。だから、わかります、その気持ち。
でも、彼らが自転車大好き〜と歌おうが女装したMVを作ろうが全部ひっくるめてラブなのは、中身に惚れ込んでるから。音楽家とか画家とかアーティストと呼ばれる職人に必要なのは、人脈より人望だと思う。絵柄や画材が変わっても私は私。完成物を好きになってもらうのもめちゃくちゃ嬉しいけど、これからは誰かの推し作家になれるように精進したい。
すこぶる働いた日もあれば、昼過ぎまで寝ていた日もあったけど、トータルで見ると穏やかな月だった。来月から繁忙期なので、体調管理がんばる。
まだまだ山は続くけど風を巻き起こすよ〜(嵐)