祝辞

美大はクレイジーなのか？私からすると普通の大学生とそこまで変わらないと思う。でも、まぁ、ほんの少しズレてるかも。

1年生の5月。ふと大学内にある池を見ると、何かが浮かんでいた。

なんだろう？人…？
池の反対側にまわってみると、顔が描かれているのが見えた。あれは、


剛田武。

落書きのレベルを超えている。デジタルで描いて厚紙に貼ったっぽい。あまりにも完成度が高かったので、私たちは「きれいな、、、、ジャイアン」と呼んだ。大学内で当時一番の有名人は間違いなく彼。

きれいなジャイアンはゆっくりと沈んでいき、3日も経つと何事もなかったかのようにすっかり姿を消した。その後、誰かが引き上げたという話も、また浮かんできたという話も聞いていない。

あれは誰が作ったのか？課題で作ったのか？実はこうした作品なのかゴミなのかわからないものが転がっていることは日常茶飯事なんだよね。「あぁ、またか」ぐらいにしかみんな思っていない。美大生だけでなく、先生も事務の方も。

美大にいると良くも悪くも「常識」をだんだんと忘れていく。

「大学に合格したということは、テーマパークのチケットを手に入れたのです。4年分のフリーパスを。」
美大を使い倒せるかどうかは自分次第。卒展のときに教授が言ってたっけ。

今年の春から美大生になる皆さんへ。一年中甚兵衛に草履で講義を受ける人(寒そう)、スケボーで大学に来る人(一応禁止されてる)、雑草や毒キノコを食べる人(バズってたね)を見かけるかもしれないけど。惑わされずに楽しんでほしいな。そして、分別のある大人になりましょう。(自戒)

充実した大学生活が送れますように。