知らない君を知る日
眠れない夜
写真フォルダを見返す
隣でスヤスヤ寝ている君
そんな君より少し若々しい君が
画面越しに笑いかけてくる
今日はちょっとした不安を晴らしてもらおうと何気なく発した疑問形に「そんなことは聞かれてもわからない。」と曖昧な返事をされて、私は拗ねていた。
火に油を注がれた、のか、注いだのかは別として、
とにかく何故こんなにも私を理解してくれないの?
と不思議でたまらなくて
抱きしめてほしい気持ちもどこかへ行ってもう帰ってこないまま朝を迎えるんだろうと思っていた。
でも、画面越しで笑いかけてくる少し若々しい君
途端に蘇る情景、あの日に出逢って、あの日に繋いで、日が変わるごとに知らない君を知る。
知った気になっていた、知られている気になっていた。
でも、まだ始まったばかりだったんだね。
今日は君の中に知らない私がいるということを知った日。