英国のジュエリー学校を探す/その時筆者は東京で震えていた
ある社畜が東京のオフィスで震えていた。
左斜め前に鎮座するパワハラ気質の上司を横目に、PCにはパワポの編集画面を表示させ、あたかも企画を練りにねっている真面目な表情をしながら頭の中では「渡英するか否か」を考えていた。
🧸「ひょっとするとイギリス駐在になるかも、2年くらい」
と配偶者から告げられたのはいつだったか
「あっ、そうなの!イギリスか!いいね!いってらっしゃい!」と確かその時、これからも会社組織にしがみ付く気満々の全力社畜はそう答えたはずだ。
しかし配偶者の渡英時期が近づいて来たある時、パンデミックがやって来た。
パンデミック前まで社畜は、月に一度海外のどこかをあっちこっちする仕事をしていた。しかし世界各地でパンデミックが広がり、あれよあれよと予定していた海外出張が次々とキャンセルに。
社畜は立ち止まった。
海外にも行かず、飛行機にものらない。
飛べない社畜はただの社畜である。
立ち止まって社畜は思考する。このままで良いのかと。
お察しの通り、社畜はパンデミックの影響をもろに受ける業界にいた。
果たしてこのパンデミックの状況で、配偶者一人をイギリスへ見送って良いのかとも考えた。
社畜は思考した。
そしてふと、社畜は思い出した。
1年前、ハワイ出張でお世話になった現地コーディネーターの方のことを。
「いやーやっぱりハワイって良いですよね、どうやったら日本に帰国せずにハワイに残れるか、考えちゃいますよ〜!」と、ワイキキにウキウキする社畜。
その現地コーディネーターの方は、かつて社畜と同グループの会社員だったそうだが、グリーンカードに当選してハワイへ移住、現地で起業して成功という誰もが羨むキャリアを築いていた。
現地コーディネーターの方はこう言った。
「捨てれば良いんです。
会社への、忠誠心を。」
で、捨てたのね。
はい。長い前置きでしたが、以上が東京の限界社畜が渡英に至るまでの話です。
この頃社畜はすでに東京で彫金教室に通っており、社畜活動の合間にジュエリー製作を習っていました。
海外出張が全て取り止めとなり、全社員在宅勤務の開始も相待って、手持ち無沙汰な社畜は気を紛らわすためにひたすら手を動かし、ジュエリーを造りまくるように。
そうしている間にどんどんと気持ちがジュエリーに傾き、渡英を決心した際には「2年間イギリスにいるなら、もっとジュエリー製作の学びを深めたいな」と思うようになりました。
(そもそも社畜がジュエリー製作に目覚めるきっかけ話はまた別に書こうかと。)
そして英国にて
英国はジュエリー製作がとても盛んなので、各地に作業環境が整ったワークショップ(工房や教室)がたくさんあります。
なぜそんな孤島に・・?というような田舎の島でさえ、めちゃくちゃ整備された工房があったりと都市部だけでなく各地で人気があるようです。
しかし、社畜が渡英するタイミングはまさにパンデミック真っ盛り。
案の定ジュエリーのワークショップや工房は軒並み閉鎖されておりました。
がしかし!
学校は例外なのです。
イギリスではロックダウン中でもオンライン授業や在宅での課題に切り替えるなど工夫をして、人々は学び続けておるのです。
英国には名だたる芸術大学があり、ジュエリー学科を設けている学校も数々ありますが、大学は基本的に3年制です。社畜に与えられた時間は2年。
芸大にはサマースクールや短期コースを設けているところもありますが、できる限り手を動かしたいとなると、うーん、どうしよう。
と、いろいろ探していたところで、ジュエリーの専門学校を発見!
数ヶ月から年単位で、学びたい内容ごとにコースが選べるようです。
2つ良さそうな学校があったのですが、うち一つは政府基準の感染対策が取れないということで閉鎖とのこと・・・。
残された1校のWEBサイトを見ていると、なんだかしっかりしてそうです。ジュエリーメーカーに就職した人向けに、技能向上の目的で会社からの派遣を受け入れていたりもするそう。
パンデミックの状況下でも、感染対策をしっかり行い英国政府から授業続行が認められているとのこと。
社畜が学生に・・・・?
え・・・社畜って何歳だっけ・・・結構いい年齢してるんだけどな・・・
これは若い人のための職業訓練学校では・・・・?
と悩みながらWEBサイトを見ていたところ、
「1日体験シルバーリング製作体験」のワークショップが来月開催されるらしい。
えーっと、場所は・・Birmingham・・?
バぁー?バーみん・・? 「バーミンガム」とな!ほぉ!
よし、とりあえず行ってみよう!
ということで、
次回、
元社畜、英国Birminghamにてシルバーリングの1日製作体験へ行く
をお送りいたします。