Cafe Carpe diem・・・eigaとongaku 10,
海辺の小さな町にある、カフェ・カルぺディエムへようこそ・・・。
Kenny Burrell
"midnight blue"
好きなジャズ•ギタリストを、三人あげろといわれたら、ウェス•モンゴメリー、ケニー•バレル、パット•マルティーノ、ですか•••。
このCDは、やはりライフ•クライシスの時、行くところがなく、彷徨っていた時、ふと立ち寄った、今は無くなって、大手の雑貨専門店のビルになりましたが、その頃までは、各階にジャンル毎のCDが沢山あって、視聴も出来る、巨大なお店がありました。
其処の店員さん一押しが、この、ミッドナイト•ブルーでした。
何故か、懐かしい、モダニズムを感じて、それを買って、車中で聴いていたのです。
このCD、いつものパターンで、誰かに貸したら、それを聴いた、ほかの誰かも気になって、と、行方不明になる可能性が大のアルバムでした。
もう一人の、ウェス•モンゴメリーとは、極ですが、ケニー•バレルは、長く活躍していて、老練の感があり、もう一人のウェス•モンゴメリーは、短くも鮮やかに、ジャスシーンを彩り、去って行った感があります。
ウェス•モンゴメリーが、ニューヨークのプラザ•ホテルのライブ演奏で、観客から、やんやの拍手と歓声を浴びて、演奏している、貴重なテープがあったのですが•••今は、行方不明で、どの様な経緯で、それがあったのか、どうして、行方不明なのかは、いまだに謎です。
実は、パット•マルティーノは、最近亡くなりましたが、仕事の製作担当者の友人のニューヨーク修行時代のギターの師匠で、つい数年前の事、災害支援の演奏旅行で、彼が来るので、以前も会っていた事もあり、会いに来ては、と、その友人からのお誘いがありましたが、何故か行けなかったのが、残念でした。
彼の奥様は、日本の方で、晩年は、脳に記憶障害のある彼に、最後まで優しく付き添っていらした様子に、深く感銘を致しました。
彼の演奏には、何故か、哲学的な、静謐さがありました。
さて、ケニー•バレルのジャズの名盤のもう一つのお勧めは、”Autumn In New York”で、アルバムのジャケットのデザインは、あのアンディー•ウォーフォール、ドラムは、アート•ブレーキと、今では、考えられない、揃い踏みです。
このアルバムのタイトルで、思い出すのは、秋のニューヨークの公園の木々の紅葉の美しさです。
ニューヨークの行きの飛行機の中で、同行の方が、同じタイトルの映画を観て、泣いてしまい、飛行場に着くと、目を泣き腫らしていらしていたので、皆さんから、心配されたのではと、立て続けに悲恋物の映画を、三本も観たせいだと、説明していらしたのを思い出しました。
さて、このアルバムタイトルに思い入れがあるのは、ベンチャーで立ち上げた、テキスタイルの仕事で、交織生地を、シルクとカシミヤ、シルクとウールで製作する時、三色展開のうち、紺だけでも何十色もあり、選ぶのに、とても迷いました。
そして、このアルバムを思い出して、一番イメージに近い色を選択したのですが、ネーミングも、同じmid night blueでした。
因みに、シルクとウールの交織の黒は、プラダの生地のバイヤーの目に留まり、商談の前に、値段を打診されましたが、原価がそれを上回り、残念でしたが、お断りするしかありませんでした。
なんやかんやで、このアルバムは、まだ、私の手元にありますが、深まりゆく秋の、mid nightのニューヨークを思いながら出しながら、聴くのも、また一興かなと、思います。
本日も、お越し頂き、有難う御座います。
またのお越しをお待ちしております。
それでは、また•••”a bientot!”
Mio