【レポ】2024年4月14日 中瀬智哉ピアノリサイタル@武蔵野市民文化会館
2024年4月14日
中瀬智哉 ピアノ・リサイタル
@武蔵野市民文化会館 小ホール
♪プログラム
シューマン:アラベスク ハ長調 Op.18
シューマン:謝肉祭 Op.9
シューベルト:幻想曲 ハ長調 「さすらい人幻想曲」D760
リスト:2つの伝説 S175
(アンコール)
シューマン:五月、愛する五月よ―もうすぐお前は再びやってくる Op.68-13 ホ長調
桜舞い散る、汗ばむくらいの陽気の中で開催された東京初リサイタル。
チケットは即日完売。
私も売切寸前でチケットを確保。冷汗かきました。
地元の年配の男性が多く来場されていたのが印象的。
開演前からクラシックを熱く語る声が聞こえてきて耳の肥えたかたが多い様子。「大谷翔平」というワードがあちこちから耳に入ってきて、期待の大きさも感じました。
中瀬くんのお師匠さま、中井恒仁先生のお姿も。
今回はマイクを持っての登場。
プログラムの説明がありました。
急遽変更された前半プログラム。
きっと「春」がテーマですね。
シューマンのアラベスク、会場までの道中に見た、はらはらと舞い散る桜、あたたかな風、明るい陽射しを思わせる柔らかな音。
聴いてたら涙が出てきてしまい、自分がどれだけ疲れていたかを思い知らされました。
本当にいい演奏だなぁ。
ハンカチ忘れてきたのを後悔。
続く謝肉祭。
後半に向けてグイグイ聴衆を引き込んでいく熱量、素晴らしかったです。
熱気いっぱいの拍手。
ブラボーも出ました!
「ショパン」をしっとりと歌い上げるところ、私はとっても大好きです。
後半は初出しのシューベルト。
デビューリサイタルでモーツァルトのソナタを聴いたとき、中瀬くんの弾くシューベルトをいつか聴きたい、きっと素敵なはず!と思ったんですよね…。
中瀬くんが「青春」と言ったこの「さすらい人幻想曲」、技術的に難しいと言われますが、そんなことを微塵も感じさせずしっかり聴かせてくれます。
シューベルトらしい可愛らしさが出てるところも豊かな歌いっぷり。
第2楽章は胸がギュッと押しつぶされそう。
いつも思うんですが中瀬くん、第2楽章キラー。モーツァルトのソナタも然り、ラフ2もまた然り。
そして第3楽章からはクライマックスへ向けてドキドキしっぱなし。平常心では聴けませんでした。
もちろんブラボー、出ちゃいますよね。
すごかったです。
この曲を聴きながら、ふと思いました。
ショパンのソナタ2番、いつか聴きたいって。中瀬くんのオールショパン、聴きたいなぁ。
その日を楽しみに待っています。
重量級の曲が続き、中瀬くんも汗を拭いながらの演奏。
ラストはリストの伝説。
ガラリと音色が変わり、ホールに広がる第1曲の高音、そして第2曲の低音。
なんと美しい…。
会場が違うと響きもまた違い、味わいが違います。
またしてもブラボー。そしてスタオベも。
最後に再び中瀬くんから一言。
アンコールはシューマン。
毎回どんなアンコールが聴けるのか楽しみ。
やさしく、落ち着かせるかのように。
シューマンに始まりシューマンに終わる、とっても幸せなリサイタル。
終演後はサイン会が。
プログラムにサインします、とのこと。長蛇の列に加わりました。
短い時間を目一杯使って皆さんが感動を伝えてる姿、嬉しくなりました。
私もこの感動を皆さんに少しでもお伝えできたらと書いてますが、伝わってるでしょうか。
中瀬くんにも上手く伝えられたらいいのだけど…💦
武蔵野市民文化会館さん、スタッフさんがとても丁寧に対応してくださいました。
アナウンスでは座席でのフタ付きペットボトルなどでの水分補給はOKの一言も。これは初めて聞きました。
ホールの響きがいいだけでなく、独特の手作りチラシも最高でした。お気に入り。
また行ってみたいホールです。
武蔵野市民文化会館の前にある図書館も、とても素敵な空間でした。
図書、そして雑誌。ものすごい数がズラリ。
ニューヨーク・タイムズとか、地方紙も北海道から沖縄まで。
再読したいと思いながら、うちの周りの図書館にはない、村上春樹「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」が普通にポンと置いてあって、目茶苦茶うらやましい!
音楽関係も読みたかったなぁ。
動物関係の企画本もセレクトが良かったです。
コンサート前のお食事場所としても使えました。談話室があるっていいですね。
行きの新幹線では珍しく何もせずに車窓から桜を眺め、トンネルで眠り…の繰り返し。
日本にはこんなにもたくさん桜の木があったんだなぁ。
特に川沿い。
先人たちに感謝です。
いつもいつも、疲れてテンション低めのタイミングで中瀬くんの公演があって、すごくすごく助けられて帰ってきます。
今回も元気をもらいました。
本当にありがとう。
また聴ける日を楽しみにしています。
桐朋学園大学の特待生としてのスタートを飾る、素晴らしいリサイタル。
誠実に音楽と向き合っていきたいとのことでした。
Bravo!中瀬くん。
お疲れ様でした。
素敵なキャンパスライフを。