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フランスな日々。 #留学編4
フランス語を覚え始めて肌で感じたことがある。
“フランス人はフランス語を話す外国人に優しい”ということである。
たとえそれが「ボンジュール」の挨拶だけでも…
ところでフランス人は日本人よりも英語リテラシーが高い。(田舎の老齢の方に関しては不明だが…)
英語は世界の公用語とも言えるから当然ではある。
しかし、ここは隣国である英国と100年も戦争していた国である。
そのためか、英語に関して微妙な気持ちを抱く人たちが一定数いたりする。
いつか、あなたがパリのホテルにチェックインする時には、挨拶だけはフランス語をおすすめする。(挨拶以降は英語でも良いと思うが。)
私は週末になると、美術館巡りや友人に会うため、たまにパリに出てきた。
そしてホテルで1泊して帰っていたのだが、そこで何度も感じたことがある。
これはパリでのとある週末のことである。
予約したホテルにチェックインした時、私の前に英語圏からのカップルがフロントマンと話を始めた。
が…、カップルの男性が大きな声で話す英語を、フロントマンが明らかに無愛想に聞いている。しかも投げやりな感じで。
“うわー、このホテル駄目かも〜”と内心思いつつ、カップルが出ていくと私の番になり、恐る恐るフロントに近づいた。
そして、フロントマンの一言。
「Hello~」
“ん???ハロー???”
案の定、私も同じ人種だと思われてるらしい。(仕方ないけど。)
そこで私は返事をした。
「Bonjour」
私の挨拶にフロントマンはハッとし、突然満面の笑みで挨拶をし直してくれた。
「Bonjour~♡(^o^)/」
その後、私がフランス語が少しでも理解していると判り、とても良い部屋に通してくれた。
やはりフランスではフランス語がダントツ1番なのだろう。
まあ、英国と100年も戦争していた歴史背景を考えれば仕方ないのだが…。
フランスに限らず、その国の言葉を覚える事は、とても大事なのである。
例えば来日した外国人が、シドロモドロでも何とか日本語で話そうとしているなら、かなり対応が違うだろう。
おそらくたいていの日本人は、そんな外国人には優しいはずだ。
言葉を習得するのは本当に難しい。そのうえ日常的に触れていないとすぐに忘れてしまう。
しかし、通じた時の喜びは、その苦労を遥かに超える。
そうして楽しさは波紋のように広がり、人との繋がりも出てくるのだ。
話を本線に戻すが、私は景色の良いところや市場などから、良く日本の家族や友人に、スカイプなどを使い現地から中継をするようになった。
せっかくフランスに居るのだから、出会った美しい景色や日常を共有しかったのだ。
そしてこのスカイプ作戦は、大正解だった。
何より家族も私の楽しそうな姿を見てホッとしていた。
それはそうだろう。以前書いたが、ありえない出発の仕方でフランスに来たのだから…。
私はルーブルやオルセー、オランジュリーなどの主な美術館はもちろん、こじんまりした美術館などにも足を運んだ。
オランジュリーにあるモネの睡蓮の部屋は、誰もが癒やされるはずである。
ルーブルやジャックマール・アンドレ美術館のカフェも美しい空間の1つで、私のお気に入りの場所の1つだった。
街中に描かれた落書きとは思えないレベルの壁画。
どこからともなく聴こえる音楽…
コロナ禍で旅行が出来ない現在、このような現地をビデオ案内するサービスが世界中で大人気らしい。
そして私も最近You tubeで在仏の方のルーブル案内を見たばかりだ。
その方にとても知識があり、1時間があっという間だった。
いつか世界中に旅行に行けるようになった暁には、このようなYou tube案内を前知識として見ることもおすすめしたい。
前知識で見た映像を目の前で見られた時、きっととても感慨深いと思う。
学生時、アートは魂の食べ物だと聞いたことがある。
フランスには、そんな食べ物がいたる所にてんこ盛りなのである。
もう魂への三ツ星フルコース三昧だ。
きっと私は毎日食べても、飽きることがないと思う。
そうして1人フランスに来て心底良かったと思ったのだった。