キタニタツヤのオールナイトニッポンX(第25回)2024.9.23②

・お知らせ、来週のゲストになとりさん。10月からスタートする『るろうに剣心 ー明治剣客浪漫譚ー 京都動乱』OPテーマを、我々キタニタツヤ×なとりで担当させていただくが、来週はこのお話をする。
『いらないもの』フルサイズで初O.A.なので、ぜひ聴いてください。

・この番組のゲストとしては、初めての年下。なとりくんは、自分で言うのも恥ずかしいが、キタニタツヤを非常に尊敬してくださってる。ぼくのことを音楽の原点と言ってくれたりしている。こういうの40歳くらいになってから言われるつもりだったんですけど、恥ずかしいですね。

・そういう子としゃべるということで、下手なことは言えない。緊張している。なとりくん何回も会ってるけど、未だに上手にしゃべれない。向こうも恐れ多いですって感じで来てくださるし、おれの一挙手一投足がパワハラみたいになっちゃうから。

・私キタニは、年上が不快にならないちょうどいい舐めた態度で馴れ馴れしく相手の懐に入るっていうのがお家芸。これ一本でここまで売れた。年下への対処は下手くそ。だって酔っぱらうと説教しちゃうもん。
だから、年下と会う機会が増えたから、お酒飲まなくなった。年下の方とご飯とか行くときはお酒飲んでもビール1杯で、その後はウーロン茶。

・(カンペ、何の説教?)  そりゃあ、「おま、音楽はなぁ、そういう半端な魂でやっちゃいけねぇんだよ!〈ドン!〉」 そうなの〜きついの〜。笑 おれだって客観的に見たらきついってわかるけど、お酒飲んで後輩の前で気持ち良くなっちゃったら、それどころじゃないんだよー!!笑
尊敬してるって言ってくださってるし、めちゃくちゃ売れてる方だから、どういう振る舞いが最適なのか事前に教えてください、マジで。来週ぜひご注目ください。ちなみにベイ確です。笑

・フリートーク、舞台『ぼっち・ざ・ろっく!』のお話。本日9/23が千穐楽だった。今日は行けなかったが、今年Blu-ray先行のシリアルコードでS席をとって初めて観に行った。

・『【推しの子】』の主題歌『ファタール』をやらせていただいているが、今推しの子が「東京ブレイド」を扱った「2.5次元舞台編」のセクション。で、主人公たちが2.5次元舞台って全然どんなのかわからなくて、「学校の体育館でやってる舞台みたいなもんじゃないの?」って感じで思ってて、2.5次元舞台を知ってるキャラが「いやいやいや、今の舞台はそんなレベルじゃないから、その認識を改めるために行こう!」と皆で観劇しに行くってシーンがあって、ちょうどそこに自分も曲を書くってところだったし、1回2.5次元舞台を観ておきたかった。

・自分も正直舐めてるところがあって、我々世代だとニコニコ動画でテニミュのミュージカル映像が散々ネットでいじられたりしたのもあって、2.5次元へのイメージがそれで止まってる。それをアップデートしようと。で、ちょうど『ぼっち・ざ・ろっく!』がドンピシャであるから絶対観たいと思って、Blu-rayを買った。

・Part1とPart2は、映画の前後編と同じ分かれ方。
Part1はライブハウスでライブをするまで、2は文化祭でライブをするまで。ぼくはPart2を先週か先々週観に行った。

・場所は新宿の東急歌舞伎町タワー内のシアターミラノ座で、いざ行ってみたら最前A列のど真ん中。笑 うわー!嬉しいけど恥ずかしいんだけど!みたいな。
で、あらゆるグッズを身に着け並んでる人たち、歴戦のおじさま方の中に並んで、何かおれ恥ずかしくてグッズとか身に着けないで行っちゃったんですけど、その方が浮くやん!しかも、何で最前なんだよー!って。笑

・元々、自分は演劇やミュージカルに全く行ったことがなかったし、2.5次元舞台に対するちょっと変な先入観みたいなのもあったから、すごい緊張してた。共感性羞恥になったらどうしようとか不安もあった。でも完全に無駄だった。めちゃくちゃ満足度の高い超エンタメだった。かなり幸福な時間で、脳内物質出っぱなしの非常に楽しい時間だった。

・まず、目がいくつあっても足りない。カメラ越しじゃなくて生で観ることの強みって、特定の人物にフォーカスが当たることがない。だから、観る人が1カメ・2カメを切り替えながら観るんで、メイン(今スポットライトが当たっている)でないところで、端っこできちんと演技をやり続けてるのが観れるのがすごいって気づいて。

・それでアニメとの親和性としていいなって思ったのが、アニメだったら捨象されてる情報が、舞台だとステージ上の至るところで常に同時展開されている。
アニメではこのキャラがアップで映ってこういう表情してます、ってもののフレームの外側で、ほかのキャラの俳優さんが演技されている。これをぼくはニーア オートマタの2周目と呼んでいる。

・つまり、こういう出来事が起こっていたとき、一方このキャラはこうしてました、っていうのが同時に観れる。公式スピンオフが舞台上に遍在してる状態。これがアニメ2.5次元舞台のめっちゃすごいところ。まずそこで感動。

・(キャラのすごさを熱弁。「おれはもう後戻りできないところまで来てしまったんだな」と言うキタニ。)

・ぼっちちゃん役の守乃まもさんという俳優さん、この人がマジでヤバい。ほんとにもうぼっちちゃんだった。いわゆるコミュ障的なしゃべり方、早口で変なリズムになって、トータル全然言葉が出てこないとか、ボリューム調整がヘタクソで急に声がデカくなるとか、目が合わないとか、オタクの自分の身体の扱い方が下手な感じとか、ぼっちちゃんが現実にいたら確かにこんな感じかもね、というアニメを一旦現実レベルに落としてくるとこれぐらいだねっていう絶妙なライン。この人が観れた時点で、もう既に観に来た甲斐があったと思った。
(〜顔が吉沢亮さんにそっくり、キタニは吉沢亮さんの顔が本当に好き、守乃さんが普段めっちゃ普通だとしたら、俳優という職業が怖いと思っちゃうぐらい素のぼっちちゃん感があるというお話)

・それで、めちゃくちゃギター弾ける。ぼっちちゃんはバカテクギターの人なんで、エグいフレーズも目の前でちゃんと弾いてる。例のボトルネック奏法とか、アニメでしかできないよこんなの、みたいなのも生でやる。

・ワンカップ大関みたいなボトルがステージの上に置かれて、それを見て咄嗟の思いつきでライブでやるシーンだが、それがステージに置かれた瞬間に、最前のおれの横にいる歴戦のおじさんたちが気づいて、「アニメのあのシーン、まさかやるのか!?」とザワめいた。

・で、ちゃんと弦も目の前で切れる。どうやったか全然わからなかったけど、本番前ちゃんとしてた弦が、ライブシーンの途中で切れる。
こういうところもリアルで、「本物だ!」という感じをちゃんと与えてくれるのが嬉しかった。『【推しの子】』も、そういう「本物だー!」って熱くなるシーンがある。

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