ボンボンミー タイーダム、ヤー
表が騒がしいので窓からのぞくと頭に輪っかをはめた猿たちがコインパーキングで何やら相談していた。
ボンボンミー タイーダム、ヤー
ヌーヌーヤ、ヤ、
チーダオー
話し声が異国のようで、
あまり感情ののっていない声、
それでいて
何を話しているのかが
わかってしまうような、雰囲気。
角度を調節しないと見えない微妙な街で暮らす日々は虹のように消えがちなので、あちら側からは見えないし気楽なものなのだ。
夜も昼も無いのでいつも適当に泡を作ってはとばしている。多分そんな日々だろう。
退屈しのぎに樹脂で固めた葉っぱのキャンディーを燻して吸い込むと、感情がジェットコースターみたいに刻々と変わりはじめる。
隣の二人の笑いながらの会話がそらぞらしいのにうんざりした途端、気持ちが悪くなってしまった。
吐く、と思って立ち上がったら時既に遅し。
私の口からはマーライオンのように虹が立ち昇ったのだった。
早く!早く!早く!
雨を呼び、大きな黒い傘の下
後ろ向きで、おろしたての新札を燃やすのだ。
マッチが雨で湿気て火が点かない。
焦って軸を何本も折って
残り少なくなってしまった。
ボンボンミー タイーダム、ヤー
ボンボンミー タイーダム、ヤー
猿たちが近づいてくる気配が、する。
マッチはまだ
点かない。