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2022/10/2・10/10・10/16根津美術館「蔵出し蒔絵コレクション」

最初の《秋野蜘蛛巣蒔絵料紙硯箱》から
蜘蛛の巣の繊細な表現にオオッと思ったのですが、それ以降の作品達も想像を遥かに超えた細やかさ。
食器、調度、馬具、楽器や仏具まで多ジャンルでしたが、印籠と硯箱の技に特に惹かれました。

銘 古満休伯作《乗合船蒔絵印籠》(日本・江戸時代・19世紀)
印籠の装飾面内の一部エリアに描かれた船に約20人が乗っています、その一人一人の表情が違うのが単眼鏡越しに分かりますが、
制作当時は単眼鏡などない中、
どのようにこんなにこの細工を施したのか。
印籠のコーナーは紐と根付(解説はなし)付きで
展示されているものが多く、
根付から視線を下げていき印籠を鑑賞することも出来ます。
根津美術館Instagramに拡大図がありました。よく見えるのは嬉しいけど、小さな印籠に刻み込まれた実物はもっと凄い!

飯塚桃葉(初代)《百草蒔絵薬箪笥》
チラシの写真を入れてみましたが、肉眼でこれくらいのみえ方かと。植物の名前の文字は全く読めないサイズ、単眼鏡でも細かい文字はなかなか判読困難。100種類もの薬草や昆虫はとても数え切れません。

飯塚桃葉(初代)《百草蒔絵薬箪笥》(日本・江戸時代・明和8年(1771))

《遍照蒔絵硯箱》
馬の毛並み、鞍の模様とその下の生地の模様や
僧の爪、皺、表情全体(少し微笑んでいる?)、
袈裟など見どころ満載。右後方の大ぶりな草花が
馬と老人だけだとやや地味?なところに華やぎを添えます。

《遍照蒔絵硯箱》(日本・江戸時代・18世紀)

庭園散策も途中で出来るのがこの美術館の良いところ。庭園も秋めいていました。

ニシキギ

10/10に再訪しました。いくらみても飽きないです。
技巧を凝らした繊細な作品群、根津嘉一郎の収集傾向が好みなのだと思います。

最終日に再訪問しました。
《乗合船蒔絵印籠》の左端の人が側面にかかるところにいるとか、右上の岸に立つ男がいるとか、
この1作品だけでも見どころがつきません。

https://youtu.be/K29lPjh-UTQ

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