10年以上の最推しと飛行機の席が隣になった話
私は10年以上前にEXOにハマり、チャニョル推しとして青春を捧げ、かなり重度なオタクをやってきたわけですが、ある日本当に偶然、チャニョルと飛行機の席が隣になりました。
冷静に考えると、空港で芸能人に会うこともすごい奇跡なのに、同じ飛行機で、隣の席で、しかもそれが自分の1番好きな推しってどんな確率だよ!と思うし、彼がプライベートの旅行で乗っていた飛行機での遭遇なので、あまり赤裸々に書くのもどうなのかなとは思ったが、表舞台ではないところでも、素敵な紳士の方だったので、せっかくの私の体験を、皆様にも共有させて頂きます。
前置きから話すと、私の仕事は海外との接点が多い仕事で、中国や韓国の旧正月時期は、比較的いつも仕事が落ち着くタイミングだったので、今年の旧正月はベトナムにプライベート旅行に行っていた。何を血迷ったのか、2泊6日という睡眠の概念をすっ飛ばした鬼ハードスケジュールで超楽しかったが、既に身体の限界がそこまで来ていた。
ベトナム旅行が先に決まっていたので仕方なかったが、その旅行明けすぐ、仕事で2泊3日の韓国出張が組み込まれていた。途中、金浦から地方への国内飛行機移動も挟む3日間で、毎日5:00起き、毎日夜は爆弾酒フィーバー会食の過酷スケジュールで、疲労困憊もいいところ。出張最終日には判断力も鈍るくらいに疲れ果てていて、この週末は珍しく何も予定も入れず、泥のように寝る!と決め込み、生きる屍状態で某地方空港から帰国すべく出発した日だった。
一旦金浦でトランジットして、羽田に帰る便を予約していた。今思い返せば、搭乗ゲートの入場列の中に、(なんか背が高くてやんちゃそうな人がいたな。)と思った記憶は薄らある(それが後のチャニョル)。
チャニョルの格好は、グレーのニット帽に黒のマスク、クロムハーツの黒スウェットの上に、グレーのダル着スウェット、やや履き潰した白スニーカー。まあ俗に言うやんちゃそうな男の人、という印象以外、その時は特に何も思わず、搭乗ゲートのところでは、チャニョルのことをそれほど注視してなかったので気づかなかった(オタク失格)。
私が乗った飛行機は、三列シートが左と中央と右に3ブロックある飛行機で、私は中央ブロックの1番右(右隣が通路)のエコノミー席に座っていた。座席に着いてすぐ、鬼スケジュールの出張レポートを少しでも書き進めておこうとPCを開き(えらい)、そのまま周りの席が埋まっていくのを横目で感じながらも特に何も気にしていなかった。
離陸前のタイミングでPCとテーブルを仕舞い、ボーッとしてる間に離陸になり、暫くしてシートベルト着用ランプが消えた。
さて、また仕事再開するか、とPCを開いたその時だった。私の右隣の通路挟んですぐ隣に座っていた人が、シートベルトのランプが消えた瞬間トイレに立ち上がった。その瞬間、私は(韓国から日本なんて2時間くらいしかフライト時間無いのに、このタイミングでトイレに行くのか。出発前にトイレ行かなかったのかな。)とか小学生への教育みたいなことをぼんやりと思って、その人を凝視したわけでは無いけど、チラッと一瞬目を向けた。その人の顔(顔と言ってもニット帽とマスクをしていたので目だけ)が一瞬見えて、なんとなくチャニョルか?とその時初めて思った。けどその時はまだ半信半疑(オタク失格)。
やがてその人が席に戻ってきたが、真横の席は、しっかり横を向いてガン見しないと顔ははっきり見えないし、とはいっても当然ガン見するのは失礼なのでできない。通路挟んで真横の席といっても、厳密には半シート分くらい列がズレている(私がやや後ろ側で、その人がやや前側)ので、チラッと横目で確認したとしても、その人の左目横くらいまでしか見えない。
チャニョルだったら耳を見れば秒でわかると思ったが、ニット帽で耳まで隠していた。
10年以上チャニョルオタクやってれば、顔が全部見えなくてもすぐにわかるだろ、と皆様は思うかもしれないが、悔しいが私には瞬時にはわからなかった。それくらい良い意味で一般人に紛れていたし、何よりも割と履き潰してるっぽい靴が、芸能人のそれではないと無意識に思っていた(これを機に、私は靴を見て人となりをある程度判断しているんだと自覚した(失礼)。)
チャニョルだと確信し始めた第一のきっかけは、彼が左腕をまくった時に、青の文字盤で金のブレスのロレックスが見えた時。(おおん?!チャニョルも過去にこんな感じの派手目なロレックスしてたような?!確かこんなんだったよな?!)と思って、履き潰した靴でこの人は芸能人ではないと判断してた私は、ここで自分が見誤っていたのではと思い始める。
チャニョルだと確信した決定的な瞬間は、彼が右腕をまくった時に、例の「L-1485」のタトゥーが見えた時だった。ゾワゾワと鳥肌が立った。激重愛タトゥーを刻んでくれてまじでありがとう。あれはオタクしかわからん印なのよ。
多分ここまでの出来事が離陸して15分くらい。
私はここで、搭乗ゲートの時に見た、やんちゃそうな人だと思ったチャニョルの姿を思い出す。確かにチャニョルって気に入ったアイテムを暫くずっと使うタイプだよね。だから靴も愛用してるやつだったのか〜。あ、確か搭乗ゲートのところで男友達っぽい1、2人と一緒に列に並んでたな。じゃあ彼の右隣に座っているのは友達か。
え待って、そしたら反対の左隣って通路挟んで私しかいないじゃん。強いて言えば私の前に座っている人もいるけど、その人から見るとチャニョルはやや後ろの位置になるから、無理やり振り返らないと見えないしな。え、じゃあ私の席って、唯一チャニョルがフライト中何を観てどう過ごしてるのか全部見える席ってことじゃん。え、は、待って、この推しが何してるか何もかも見える状況で2時間弱過ごせと?まじかよ。。。。。。まじかよ。。。。まじかよ。。。(脳内エコー)
頭が一気に上の空になった。(まあ文字通り上空にいるんだけどな。)でもこの状況で、仮に私がチャニョルに話しかけたところで、2時間弱彼も身動きが取れないわけだし、それはプライベートで乗っている彼の気が散るし、あまりにも可哀想。ほぼ満席の状況で、もし私が話しかけたら、その内容が周りにも漏れて芸能人がここにいると騒がれるのも可哀想だよな。よし、とりあえずEXO?何それ美味しいの?ってくらいオタクじゃないです感満載の一般客な感じで落ち着こう。ポーカーフェイス余裕でかましてあなたのこと全然興味無いですよ感を維持しよう。と思い直し、あえて仕事をしようと意気揚々と開いてたPCに再び向き直った。頑張って2行くらい書いてはみたが、案の定全く集中できなくて、とりあえずPCはそっと閉じた(笑)
それでも何もせずにチラチラずっと見るのも憚れて、とりあえず映画でも見ようとパネル操作して、1番上に出てきたMs マーベルを流し始めた。
映画観ながらもチラチラとチャニョルを見てしまっていたので、めちゃくちゃ細かい事が多いけど分かったことを書こうと思う。
まず彼は自分の携帯の背面に指リングを付けていて、モニター上の溝に上手くそのリングをはめて、いい感じに画面を固定してネトフリを見ていた。見ていた作品は後で調べてわかったが、「オオカミちゃんには騙されない」という恋愛リアリティーショーで、それを韓国語字幕で見ていた。(まじでそのチョイス誰に教えてもらったん?ディープすぎるやろ。私の仕事上でのお客さん(日本語達者)でも見ているドラマは半沢直樹の王道コースよ?)と思いつつ、そりゃナチュラルな日本語が上達するよな〜と思った。
じっとそのドラマだけを見ていられないのか、時たま携帯をいじったり、他の番組を見たり、座席のモニターと二刀流で見てたり、ニット帽脱いだり被ったりして、皆様のご想像の通り、落ち着きがないチャニョルだった。
1番印象的だったのは、そのドラマを見終わった後に、恐らく音楽を聴いていて、指をトントンしたり、手のひらで自分の腿を(音は出さないけど)ドラムみたいに叩いたり、首でリズムをとっていたこと。表でもオフの場でも本当に彼は音楽が好きなんだなと思った。その日の夜の彼のインスタのストーリーにRADWIMPSの「正解」という曲を載せていたから、それを聞いていたのかな。
あとチャニョルは機内食は丁寧に断っていたけれど、飲み物は頼んでいた。機内食を断る時の身体を縮こませて低姿勢に断っていた姿が可愛かった。お〜いお茶を一気飲みしていたので、私もお〜いお茶を飲んだ。チャニョルは食後のコーヒー紅茶も丁寧に断っていたので、私も断った(ヤバいオタク)。
そんなこんなで、私は案の定映画にも全く集中できず、映画で唯一分かったのは、パクソジュンがヤン王子としてハリウッドデビューしていたということくらい(笑)
いよいよ着陸準備の体制になって、この後私はどう行動に出るべきかめちゃくちゃ悩んだ。私が悩んでいる時に、ようやくチャニョルが右隣に座っていた友人と喋り始め、あの聞き慣れた低音ボイスが聞こえてきて、余計に手汗も出てきた。
写真やサインも確かに欲しいけれど、こんなに人が多い身動きが取れない飛行機の中で話しかけて、それに気づいた他の人に騒がれでもしたら可哀想だと思い、お願いするかどうかめちゃくちゃ悩んでいた。あとせめて何か気持ちを伝えたいけれどなんて伝えようかと悩んでいた。
飛行機が無事に到着し、シートベルトランプが消えた瞬間、乗客皆が立ち上がった。チャニョルはまず自分のDiorのリュックを棚から下ろした。その後がまさかの出来事である。私はチャニョルの真後ろで自分のキャリーケースを棚から下ろそうとしてたのだが、チャニョルが咄嗟に私のキャリケースにひょいと手を差し伸べて、下ろしてくれたのだ。。。(私から頼んだわけでもなかったのに。)その後、私の前に座っていた人のキャリーケースまで下ろしてあげていて、まじで超絶怒涛の圧倒的高身長美男紳士だと思った。(話が脱線するが、このキャリーケースを棚からおろす問題、おろす場所は狭いし、高いし重いし、すぐ横に立っている人の頭とかに当たりそうになるので、結構真面目に飛行機乗る度に辛いと思っていたが、これまで誰にも助けられたことはなかったので、チャニョルの行動力にシンプルにめちゃくちゃ感動した。)
キャリケースを下ろしてくれたのはいいものの、皆様ご存知の通り、飛行機は降りるまで少し待たされる時間がある。チャニョルのすぐ後ろに私が並んで立って待ってるわけで、ほぼ0距離。キャリケースを下ろしてくれた後のタイミングで、もう今しかないと思い「チャニョルさんですよね?」と話しかけた。流石に周りに人もいたので、あまり大きい声で話しかけると悪いと思い、小声で話しかけたが、チャニョルも『はい。』とこちらを見て小さく返事してくれて、(わぁ喋っちゃったよ。。)って一気に緊張爆上がりで、次の言葉がなかなか出てこなかった。。。
次にようやく出てきた言葉が「10年以上チャニョルさんが1番好きです。」で、いきなり激重告白をしてしまった。『ありがとうございます。』ってこちらを見て言ってくれた。(本当にこんな身動き取れない状況下で見知らぬ人間が告白しちゃってごめん。怖いよね。。でもまじでありがとう大感謝!)と思ったけど、まだ列が動くまで時間があったので、会話が続いた。「私はベッキョンの来月のライブ(今振り返ると正しくは4月の幕張)に行きますが、チャニョルさんも来ますか?」『はい。多分行くと思います!』
「今年はニセコとかにスノボしには行かないんですか?」『最近あんまりスノボはやらなくなっちゃって。。。』とか何往復か会話した。最後は「日本楽しんでください〜!」と挨拶して、列が動き、それが最後となった。会話中は緊張のあまり声が出なくなって、絞り出すように声をかけていたし、チャニョルもそれに合わせてちょっと耳をこちらに傾けてくれて、お互いの顔が多分10cmくらいの距離で喋っていた。なんかもう意味わからない距離感でお互いの顔を見て話してるものだから、あまりにも自分が固まってしまっててめちゃキモかったと思う。チャニョルはすっぴんだったけど、目はやっぱり大きくてキラキラで綺麗だった。私はせめてもっとちゃんとメイクすべきだったなぁまじで。
サイン会とか握手会の、数秒間目線合わせる世界線で、その数秒間に全力で何をすべきかを考えるイメージはできるが、30cm隣に座ってる推しを2時間眺めながら、最後0距離で話すという前例を知らず、オタクの誰しもが一度くらいは妄想するような夢のシチュエーションすぎて、私は終始どう行動すべきだったのか正解がわからなかったが、遭遇してラッキーという感情よりも、プライベートに遭遇してしまってすぐ隣にずっといて申し訳ないみたいな感情の方が強かった気がする。それでも夢のような現実を受け入れるまでに時間がかかり、その後私は放心状態のままオフィスに戻って仕事をして(終始上の空)、出張後にも関わらず夜は懇親会2次会までたっぷり終電までこなして(冷静に弊社の体質ヤバい)、やっと1人になったところで、一連の出来事をゾワゾワ思い出して今ここに記憶が新しいうちに書き留めている。
アイドルって本当にいつどこで誰に見られてるかわからなくて大変な仕事だと改めて思った。そして私の推しは、表舞台でも裏でも関係なく、本当に紳士で真っ直ぐな人間だと思った。ずっとあなたを推していて良かった。ありがとう。もはや弊社の過酷スケジュールにも感謝。衝撃すぎて出張の記憶全部吹き飛んだけれど。
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