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酒を飲んで色々とロストする話

さて「TOKIOの山口達也メンバー書類送検」が報道されるタイミング(2018年4月26日午前8時現在)で、このようなタイトルの雑文を書き始めた。時節便乗と思われたとしても、それは仕方ない。だって完全に時節便乗なのだから。
午後には外出するので、午前中一杯は各局ワイドショーなど眺めつつ、この雑文を綴っていこうと思う。朝からだらだらテレビを見るのも久し振りだ。

酒を飲むと、色々となくしてしまうことがある。飲まなくても失うことは人生に沢山あるが、飲み過ぎたときにはその確率が爆上がりする。
例えば社会的信用とか友情、恋人、お金、健康、あと仕事(これは山口メンバーの話だけでなく、自分でも経験した。あな恐ろしや)、その他諸々。

それでも、いくら酔ってもなくしちゃいけないものがある。やっと見つかった気がする。いろんな事を踏み台にしてきたけど。そう歌ったのはミスターチルドレンだけど、今回の話にたぶん全然関係ない。

なくしちゃいけないもの、それは

財布、カギ、携帯電話

まあ、この三つですよ。それさえなくさなければ、とりあえず大丈夫。
逆に言えば、これらをなくすと、すごく大変。とても面倒。被害は甚大なものになる。

そういうわけで以前から心がけていることがある。
家の外で酒を飲んで席を立つときには、ズボンの両脇と尻のポッケをパンパン叩くというクセだ。それを意識して脳に刻み込んでいる。
その行為によって財布とカギと携帯電話の存在を確認するのだ。
どれだけ酔っ払っても、その所作さえ怠らなければ大丈夫。叩いたポケットにいつもの感触や重みがなければ、さすがに気がつく。気がついたらすぐに「あれ? やばい。ないよ財布。あと携帯もない。誰か! おれの携帯から財布に電話かけて! あれれ、カギもない。誰か!」などと騒ぎ出せば、大体その場で見つかる。きっと誰かが見つけてくれる。
だから私はその三つをなくすことはないのです。いろんな事を踏み台にして。

身近なところでも、これらを失くして(あるいはカバンごとロスト)慌てふためいている場面を目撃したけど、自分からしたらまったく信じられませんね!
「しっかりしろよ! いくら酔っ払ったって最低限のさあ、お前。そういうところだぞ」なんて思わず説教垂れたくなりますね。

いくら酔っても携帯、財布、カギ。この三つは決してなくさない。
はい、皆さんも気をつけて!

しかし、である。その代わりと言ってはなんだけど、これまで自分はひどい酔い方のせいで、かけがえのない友情とか芽生えかけた恋とかデカい仕事とか未来への可能性とか健康とかその他諸々、順調に失ってきたわけである。いろんな事を踏み台にしてきた。
まあ酒飲みにはそんな涙色の思い出や古傷の一つや二つ、いや三つや四つ、もしかしたら五つ六つ……あるものではありませんか。あるだろ。あるよね?

だから個人的には今回の山口達也メンバーのことも、元SMAP草なぎ剛メンバーのことだって、決して居丈高に批判することはできない。
それにしても六本木の公園で全裸になって警官に居直るより、自宅で女子高生に酒飲ませようとしたり接吻を迫ったりのほうがタレントして圧倒的にダメージは大きいだろうなあ。同じくアイドル「メンバー」っていう忖度表記はされていても。

これから週刊誌、それからネットニュース、どれだけ忖度されるか分からないけどテレビでも。きっと色々と報道されるだろう。未成年の被害女性を巡ってセクハラ、パワハラ、ジェンダー問題。そして本人のアルコール依存疑惑。あとジャニーズの権力とか。それからもっとゲスな感じの話題も出るかもしれない。
しかし個人的な感想としてはとにかく「酒癖が悪いんだろうな」ということ。それに尽きる。酒のせいとは言っても、もちろん責められるべきは本人。だから素面で責任を取らなくてはならない。
でも、とにかくまず「酒癖が悪い」。問題はそこだ。
その酒癖の悪さっていうのは、どこからくるものだろうか。魂の孤独とか心の空白みたいなとこにアルコールが大量に流し込まれて、それで自分というものを失くしてしまう。己を鑑みるに、そんな気がする。
そういう人は、ほんと気をつけないといけない。例えば席を立つときポッケをパンパンするとか。酔って女の人に不用意に電話しないとか。信用できない自分にルールを課さねばならぬ。それでも酒を飲むのなら。自戒を込めてそう思うわけです。でも山口達也はもう金輪際飲まないかもしれない。少なくともいま現在はそう思っているに違いない。

「ザ!鉄腕!DASH!!」はどうなってしまうのか。たしか友達がADやってたな。あの番組では山口達也は文句なく主力だった印象が。
それから、ごく初期の「ハートを磨くっきゃない」あと「太陽と砂漠の薔薇」とかドラマ「泣くな、はらちゃん」のエンディングテーマ。TOKIOで好きな曲も結構あるんだよなあ。
そう考えると、なくしちゃいけないものが山口達也には沢山あったわけで。TOKIOはグループとして、これからどうなるのだろう。

さて、とにかく酔ってなくしちゃいけないもの。それは自分的には差し当たって財布、カギ、スマホ。まあそれくらい。
しかし実のところ、最低限のその三つすらなくしそうなこともある。そんな本末転倒な話をさらっと書いて、それで終わろうと思います。もう疲れてきたし。
そして山口達也メンバーの話とは以降しばらく関係ないので、興味がなければ読み飛ばしてください。

その朝は実家のベッドで目が覚めた。ああ地元に帰ってたのかとぼんやり思う。まだ酔いが覚めておらず、何故か体中が痛い。色んなところが痣になってる。腕は派手に擦りむけてる。なんじゃこら。外出の予定があったので起きて支度をするのだが、家のカギが見当たらない。明け方帰宅して家に入れたということはカギを自分で開けたということだから、部屋のどこかにはあるはず。しかしまともに身体が動かず、結局はマンジリと昼過ぎまで寝床。段々とアルコールは抜けて身体は楽になってきているが、今度は精神の方が不調になっていく。
「二日酔いの脳の状態は、鬱のときのそれに限りなく近い」
そんな記述をどこかで読んだ。それは本当なんだろう。「形而上的二日酔い」という言葉もあるらしい。まさにそれ。不安と自己嫌悪が止まらない。
……よみがえる前夜の記憶、己が所行の数々。駅前の安居酒屋。おれと榎木、あと若くしてハゲ散らかった中学の同級生、その三人。そこで薄毛が無邪気に年収トークをはじめた。残業まみれのIT系が、ほんのりと自慢の色を漂わす。社会のはぐれ者として普段から不遇をかこつ自分としては「大体お前よ、月50万位は貰った上で残業とかは基本なし。休暇も存分に。それくらいの条件と余裕がなけりゃ、やっぱドレイじゃねえの。お前もおれも、つまりはドレイだよ、ドレイ。お前は自分がドレイだって気づいてないだけだね。犬畜生めが。さて、ご主人様はどこでしょう。せいぜい架空の飼い主に媚び売って生きろ。キャンキャン鳴いてろ。おれは噛みついてんだ」などと喚き散らす。それから榎木と二人、ケーダブシャインとジブラの物真似をはじめる。おれらのキングギドラ。真実の爆弾を投下。焼酎のボトルを追加。大いに盛り上がる。しかし禿頭は途中から機嫌悪そうにしてたと思う。すまん。勘弁してくれ。おれもボーイケンとは同意見。会えば話合う相違点。

居酒屋を出た後はコンビニで缶チューハイ(ストロングゼロ。凶悪)を購入。歩きながら飲んだ。そしてツルリンの耳元でイエモンの「球根」(歌詞が意味深。毛髪的に)、続いて中島みゆき「命の別名」を歌い続けていたら逃げられた。それから榎木の実家に立ち寄った。ウィスキーを飲ませろと喚いていたら、リビングから榎木’sペアレンツがゾンビのように這い出て(二人揃って、うたた寝をしていた様子)「あら久しぶり、元気」と思わぬ歓待を受ける。そこでウィスキーとビールを交互に呷り、気がつけば他人の両親の足裏マッサージをしている。そんな自分を発見する、午前2時。
「あ、痛い痛い。でもなんか効きそう」「あー、ここは内臓です。気をつけましょう」「あら、気持ちいいじゃない。そんなに痛くない」「榎木ママは長生きしそうですね」「えー、長生きするのか」「なによお父さん、えーって」「あははは」という深夜の団らん。なかなかシュールな光景。
しかし二日酔い鬱の最中にその記憶がよみがえると、思わず入滅したくなった。以前も同じようなことをした憶えがある。どうやら自分は酔うと他人の足裏を押す癖がある。「健康に良い」という大義名分で相手に痛みを与える、まるで承認された暴力みたいな感じが楽しい。おれ性格悪いな。また落ち込む。そして帰りの自転車でこけたらしい痣と傷が痛む。やっていることがマイルドヤンキーそのままだ。もういい歳なのに。このまま地中深くに埋まってしまいたい。そしていつの日かカンブリア爆発。自分でもなにを書いているのか分からなくなってきた。そして結局のところカギはベッド下から出現。井上陽水の歌詞通り、探すのを止めたとき不意に見つかった。よくある話だ。戻りましょう夢の中へ。行ってみたいと思いませんか。うう、う〜。この曲はモックンもカヴァーしてるらしいね。

……あれ、なんの話だっけ。
なくしちゃいけないものをなくしてしまいそうって話だった。
そういうわけで、家の外でお酒を飲んで席を立つときは、ポケットをパンパンしましょう。いまのところ、まだ完全になくしてはいない。これからも気をつけよう。
それにつけても辛いのは二日酔い。二日酔いのとき訪れる鬱状態。とても恐ろしい。これは下手したら人を殺す

あれ、そんな話でもなかったか。

——僕たちはあらゆるものを失って生きていく。言ってしまえば、失うためにこそ生きているのかもしれない。あらかじめ僕たちは失われている。マイロストメモリー。
というように書くと、ちょっと村上春樹っぽい。そうでもないか。

いや、こんな話でもなかった。
山口達也の話題で書き始めたんだ。ではそこに少し戻って終わります。

ビビットの冒頭での代理謝罪。そして「でも福島の野菜の味は変わらないので、食べて欲しいです……」と思わず泣いた国分太一に衝撃。

あとジャニーズの三行謝罪文、なんだあれは。ふざけてガラス割った小学生みたいな。

それから日テレの「スッキリ!」にチャンネル替えたら、林芳正文科相の絡みでヨガスタジオの話題に。そこで話を振られたモーリー・ロバートソンが「ヨギー(ヨガ愛好家の自称)として……」と番組側の意図から外れた専門的なヨガ知識を語り出した。すごい早口で。曰く、ヨガが終わった後はシャヴァーサナという死体のポーズをして身体を休めなきゃ脳波の状態がなんたら、だからヨガが終わった後オイルマッサージとかってヨギーとしてはどうもうんたら……。すごく面白かった。モーリー・ロバートソン、結構好きなんだよな。言ってることぶっ飛んでるけど知的。いかがわしくて面白い。

とか朝からダラついてたら、もうすぐ山口メンバーの謝罪会見が始まってしまう。流石にもう家出ないと、しかし会見が見たい。というわけで終わります。雑文を失礼しました。

P.S.
結局、会見も見てしまった。やっぱり依存症ぽいし、本当に記憶飛んでたと思う。そして本気で反省、激しく後悔してる印象だった。見ていて辛くなった。同情してる。我が身につまされる。自分もすぐ自分を見失うので。

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