「そらいろのたね」
「そらいろのたね」
中川李枝子・大村百合子(福音館書店)
梅雨の合間におひさまが顔を出す日は、お洗濯やお掃除がしたくて、からだがうずうずしてしまいます。
今日は、太陽と風がなかよく一緒に過ごしているような1日で、とても気持ちのいい青空でした。
ちいさくて狭い庭には、布団やリビングマットがところせましと並んで、ぐーんと両手を広げているようです。
「ぐりとぐら」でおなじみの作者さんが描かれた、この本を今日は読んでみました。
おひさまの光や、ゆうじからの水をもらって、ぐんぐんおおきくなっていく、そらいろのたね。
なんだか夢がいっぱいで、子どもたちの顔が浮かぶようです。
小さいころ、(いや、今でも考えることがありますが…)身近な不思議について、ひとりでじっくりと考え込むことがよくありました。
なんで飛行機は空を飛ぶんだろう…
あんなにたくさんの人を乗せて、重たい鉄のからだをしていて、空に向かって進んでいくのはなぜだろう。
目の前にある、ティッシュペーパーやビニールなどの軽いものでも、必ず下に向かって落ちてしまうのに…どうして…???
なんで魚は水の中でしか生きられないんだろう…
動物と同じように酸素を吸って生きているのに、わざわざ水の中の酸素を探し求めているのは…どうして???
こんな小さななぜ?を、布団の中でずーっと考えることは、すごく楽しくて、さっきまで眠かった目が、ぱっちりと冴えてしまったことを思い出します。
そらいろのたねが成長していくような不思議なこと、ちょっとだけ子ども心を思い出して、想像してみると、なんでもない日常が、ほんの少しおもしろくなるような気がします。
おしまい。