絶対に浮気しないと誰もが思っていた彼氏に浮気された話(5)

彼に電話で別れを告げた後の話です。

私は明るい声色で、「直接、感謝を伝えることが出来なくてごめんね。今まで本当にありがとう、応援してるよ。何かあったら相談のるから連絡してね!」と彼に伝えた。前日、カフェで3時間に及ぶ別れ話をしても、私は別れたくないと言っていたのに、1日経っただけで、サッパリとした様子であっけなく別れを告げたからか、彼は少し戸惑いを隠せない様子だった。そしてしばらく沈黙が流れた後、彼はボソボソと話し始めた。

「浮気をした俺の事を責めることもなく…本当に…最後まで…良い人だね…。距離は離れていたけれど、電話やLINE、旅行とか、本当にたくさんの思い出をありがとう…。しんどい時、辛い時に少しでも支えてあげられていたなら良かった…。俺も…ずっと…支えてもらってたし…こちらこそ直接会って、感謝伝えることができなくて…本当に…ごめん…。今までありがとう…。」

そうして、彼との恋愛は静かに終わりを告げた。

別れてから2か月が経ちましたが、1番辛かった時期は"別れた後"ではなく、彼の態度が変わり始めた"別れる1か月前~別れるまでの時期"だったなあ…としみじみ感じています。別れてすぐは別れた実感が無かったのもあるけれど、思い返せば別れる前よりスッキリしていた気がする。

彼は付き合ってからずっと、どんなに仕事が忙しくても「少しだけ電話しよう~!」と言ってくれて、「大好き!仕事頑張れる~!」と毎日言ってくれていたのに、別れる1か月前(11月頃)から、電話をしようと突然言い出さなくなって。愛情表現の言葉もぱったりと無くなり、私が電話しようと言っても何度も避けられ、「仕事が忙しくて、全然連絡できてなくてごめんね。」の言葉だけ。

それでも、全く怒らず、責めることもせず「体調崩さないようにね…心配…。時間がある時に連絡してくれたらいいからね!」と強がっていたけれど、正直私は、精神的にかなりダメージを受けていた。

その頃、私は実家で家業を手伝っていたから、毎日朝から晩まで家族と一緒。家族とはこれまで恋愛の話を一切してこなかったので、今更相談することもできず、毎日、常に明るい素振りで過ごさなければいけないのも、本当にしんどかった。1人の時間が欲しくて、夕食後に散歩をするようになり、親友には何度も泣きながら電話していたなあ…。

私は、付き合ってから一度も、彼のプライベートに干渉しなかった。「女の人と2人でご飯に行くのも事前に伝えてくれるなら大丈夫だよ~!なんなら、彼女が出来たからといって、今まで仲良かった人と距離を置いてほしくない、私以外の人との時間も大切にして欲しい。」と伝えていた。

あ、そういえば、絶対に私にバレないように墓場まで持っていく覚悟があるなら浮気しても良いよ、なんてことも言ってた。今考えたら、バレるも何も自白しちゃってるんだよなあ…彼…と思うけれど、この話は、私が失恋からすぐに立ち直った理由に繋がるので、今度詳しく書こうと思います…!

彼は仕事が忙しい人だったから、「余裕がある時に返事してくれたので大丈夫だから、私の事は気にしないでね!」と付き合ってからずっと伝えていたし、これは強がりとかではなく、心の底から彼の事を信じていたから、本心だった。

でも彼の態度が急変した11月頃は、「仕事が忙しいだけ、ごめんね。」の言葉を信じたくても、心のどこかで疑ってしまう自分がいて。なんか気に障ること言っちゃったのかな…という考えがずっと脳内を支配していて、不安でたまらなくて、どうしたらいいのか分からなかった。

こんな状態で付き合い続けたくないと思い、私は勇気を振り絞って、「多忙なのも分かるんだけど、電話もしなくなって、おはよう、仕事終わった、疲れた~の報告LINEだけだと、ちょっと寂しい…」と彼に伝えると、「なかなか連絡出来なくてごめん…なるべく返信できるように時間確保するね!平日は仕事とジム、家に帰って寝るだけの生活だし、休みの日はMくんと飲みに行くぐらいしかしてないから!」と彼は答えた。

そんな風に言われると「そうなんだね!でも体調が一番だから無理だけはしないで~!」って言うしかなくて。でも、このとき私が聞きたかった本当の言葉はそんな言葉じゃなくて、「早く会いたい」とか「好きだよ」の言葉だったんだと思う。それだけで救われるのに、全部解決するのに…って思っちゃう自分のエゴに情けなくなって落ち込んだ。

頑張って勇気を出して、慎重に言葉を選んで伝えたはずなのに、結局何も変わらなくて。彼の気持ちも、自分の気持ちも分からなくなっていった。

そんな心情の中、ある日、私の中で限界が来てしまった出来事が起きた話とその続きは次回。


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