えっと…“苗字にさん付け”どこいった…?
数あるサイトの中から、当ブログを覗きに来てくださり、ありがとうございます。
さて、記念すべき第1回目となる今回、何を書くべきか色々悩んだ末、選んだのは……最近世間をちょっとザワつかせたこの話題
『全国の刑務所職員が受刑者に対し、従来行なっていた“番号”から“苗字にさん付け”へと、呼び方を変更することになった』
昨年、某刑務所で起きた数々の問題により(知らない人は調べてみてください)受刑者の人権が見直され、その一環として今回の措置が取られることになりました。
実際、私の居る刑務所でも、今年の2月下旬頃から導入されたのですが、世間の反応は賛否両論……というか、否定的な意見を多く目にします(うん、でしょうね……)。
ではここで、私の居る刑務所の“現状”をお伝えしましょう。
まず、知らない方のために先に説明しますが、受刑者には“刑務作業”が義務付けられているので、日中は工場で作業を行なっています。
当然、作業中はかなりの騒音が出る訳ですが、私の居る刑務所は現在『受刑者を苗字の呼び捨てで、呼び付けることを主流』としていた為、遠くに居る者が苗字を聞き違える、ということが多発していました。
しかし、今回の処遇改善以降、刑務官が用事がある際、受刑者の元まで行き『○○さん』と呼ぶようになったので、聞き違いが減り、作業効率が向上しました。
その一方で、一部の職員(刑務官を含め)は、作業騒音のなか遠くから呼び付ける為『○○さーんっ!!(1回目)、○○さぁあーん!!(2回目)、○○ーーっっ!!!(3回目)』という感じで段々呼び捨てに。また場合によっては『おいっ!!』と呼び止められ(もはや苗字ですらない……)、会話中に『お前』に降格されたりもします。
えっと……“苗字にさん付け”どこ行った……?
“呼ぶ側”も“呼ばれる側”も、慣れるまでもう少し時間がかかりそうです。