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楽観的な日本の不動産市場展望は本当に楽観でいいのか?

ちょっとチャレンジングな題名になっちゃいましたが、最近気になるデータが出てきたのでちょっと投げかけです。

とある銀行さんのレポートです。

日銀が政策金利を上げ、さらに銀行も長期プライムレート含め金利を上昇させている状況です。
でも、それでも不動産の景況感は悪くないとのこと。

理由は、

銀行からの借入金利が縮小しても利ザヤはまだ高いから。

不動産価格の源泉、賃料が上昇基調で、DIも上がっているから。


出社率があがるなどの要因もあり、空室率も下がっているから。


一方、こちらはオフィス仲介会社のレポートです。
より実態にあった賃貸事情に基づいたリサーチなんですが、

新規賃料インデックスは2020Q2よりも下がってきています。
レポートのコメントでは
「空室率が下落する中でも、空室が多いビルでは割安な賃料設定をするケースが見られ、全体の賃料水準は横ばいが続いている」

からだそうです。

じゃ、どのオフィスが低水準なのか

実は大規模ビルが伸びていません。

そして

賃料に見えてこないFR(=フリーレント=月額は据え置きだが無料期間)
が増えているようです。

レポートのコメントですが、

● 全契約の平均FR月数は前期から0.1ヶ月上昇し、2.8ヶ月
● FRあり契約の平均FR月数は前期から0.3ヶ月上昇し、4.8ヶ月
●6ヶ月以上付与率は0.1ポイント上昇し、23.3%
●大規模ビルの中には、大規模空室に長期のフリーレントを付与したテナント募集もみられる。

です。
フリーレント4.8カ月÷24ヶ月(2年契約)=20%です。
一年なら10%。
仮に3%で割り戻すと・・・

計算すると怖いのですが、いずれにせよ「金利が上がっても賃料上がっているので不動産業界絶好調だぜい!」ではないと言えます。

変動金利が上がって来て、家の買い控えが出てきている(噂話ですが)みたいな状況も起きていますんで、
・バブル崩壊
・リーマンショック
・震災絡み
(コロナでは融資のおかげで価格はむしろ上がりました)
までの下落はないものの調整はあるかもなと思っています。




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