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あなたはあのとき鬱だった③
🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻
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私は実は短編小説書いてる最中です。
読んでない人はこちらから。↓
↓
ブログを連続投稿していてます。
そろそろ、小説に変えてみたらどんな感じになるのか…
そんな気楽な気持ちではじめてみたのですが・・
結果・・小説の方がブログより圧倒的に難しいです。
今ここにあなたがこれを読んでくださること
本当に感謝いたします。ありがとうございます。
(私は昼間働いており、交流に参加の時間が作れないのがもどかしいです。だから・・ここでいいます。ごめんなさい。
創作の方に時間を割きます。。もうちょっと人間力みがいたらきっとすてきなあなたと分かち合える日もくるかと・・・
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分かち合える日ってくるのか・・・?
では続き↓
🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻🪻
灼熱の部署
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こんなですか?それとも想像は
天国だけにしておきますか?
「 山本先輩が欠勤だって。」
( おい、朝からなんだなんだ。)
「 どうやら心の病になってしまったらしい。」
( 心の病か・・・)
「 さきほど奥さんから電話がきたよ。」
( うわぁぁおい、忙しくなるやんけ。)
信彦の職場はバタバタし始めた。
信彦が来ない。信彦の下には沢山の部下がいた。
指示を仰ぐ頼れる先輩が休み。
それも、一か月??
「えーマジか?!山本さんが?」
( まさか、俺に仕事回ってこないよね?)
部下の松井が小さく叫んだ。
「 あ~これでこの部署 歴代3人目だね。
もう、いよいよどうにかしてほしいね。 」
福田も言った。
「 トラの責任だよ。あの人ワンマンだから。
ちょっとちょっとシフト割り当て変更変更・・・」
蓮池がつぶやいた。
鬱が出やすい職場。
転勤が多く、人の入れ替わりの多い職場、
そんな場所はいたるところにある。
結局人間関係。これにつきるのではないか。
この部分をうまく回していかないと
天国にも、地獄にもなるのではないか。
そのとき、人はピュアすぎてもいけない。
そして灰汁が強くても嫌われる。
個性を減らし、静かに微笑む。
そんな人が組織にはピッタリなのだろうか?
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灼熱の砂の上を裸足であるく。
火傷にならないことを信じて
てくてく歩いていく
俺には家族がいるから。
僕は家族を守るため。
私は給料で生活してるから。
皆様の安全を。
すべての安全管理を。
僕は耐えます。歩き続けます。
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信彦はそんな気持ちで仕事に臨んでいた。しかし、無残にも大やけどを負ったのだった。
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1ヶ月後…
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「 体調を崩してしまい、
大変ご迷惑をおかけしました。
みなさんでこれ食べてください。」
山本は深々と頭をさげ、
感情のない言葉を口にした。
🍃🍃🍃
「 おぉ、あっ!山本君… 」
「 山本さん! 」
同僚たちの動きが一瞬止まった。
・・・つばを飲み込んで山本を見つめた。
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そこには1か月で7キロも、
やせ細った、
しわがれた青い顔の男がいた。
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仕事のバリバリこなす輝いていた
山本さんはもういなかったのだ。
頼りになる山本さん。
たまに笑うたれ目のニコッした顔は
後輩からも好かれていたのだった。
「 だ、だいじょうぶですか? 」
好奇心を隠しきれず、だれかが
声をかけた。
彼は一気に10年をとった。
真っ赤な風船が一度膨らみ
空気が抜けて
いびつな形に変化した。
端っこのゴミだまりに
枯れ葉と一緒に落ちていった。
子どもたちに喜ばれた
赤い風船の輝きは
もうそこにはない。
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信彦は山奥に連れてこられた
子どものように静かに
小刻みに震えていた。
そんな信彦を見て
他の職員の顔も固まってしまった。
鬱とは闇の中の
自分との局面である。
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職場で自分の理想を
追いかけつつも、
職場は人で不足と
コミュニケーションがままならず、
そんななか本来以上に期待され、
なおかつ期待に応えようとする
本人の限界値を超えた時に
起こるのだった。
信彦の場合は、
真面目でだれよりも働き者だったが、
完璧主義だった彼が自分を過信して
間違った方向に踏み切ってしまったこと。
そして職場での悩みを同僚に打ち明けず、
自分自身で解決しようと決めた矢先の出来事だった。
「あの山本君が・・・」
激変した姿を見せた
山本のおかげで
職場では
労働改善会議が急遽
おこなわれることになった。
問題の上司は始末書を書くことになり、
飛ばされることになった。
丸投げの異名を誇るトラさんが
いなくなったせいか
若い職員は活気づいた。
「 山本さん大丈夫ですか。」
「 山本さんそれ俺がやるからいいですよ。」
後輩がこうやって山本の仕事を肩代わりしていった。
![](https://assets.st-note.com/img/1701177971047-qIwlgOPbWB.jpg?width=1200)
信彦は肩から重荷はなくなったが、
それと同時に人が自分を痛々しく
哀れみの表情で見ているように思った。
まどぎわ族。
山本の職場は山本のことを考えてくれた。
こんな状態でも仕事をしようとする山本
にそっと窓辺を与えてくれたのだから。
カオナシ。
無表情が彼のトレードマークとなった。
女子社員たちが笑ってチラッと
自分を見たような気がした。
( 山本さん、定年前にあんなになっちゃ、
って、ほんと、お気の毒だよね。
うちの職場環境わるいよ。怖い。怖い。)
彼女たちはただの世間話を
していたのかもしれない。
「 昨日のテレビおもしろかったね。」
「 山田純一君カッコよかったね。」
など。
しかし信彦の解釈は違っていた。
( オレをわらいやがったな。腰かけ女らめ。)
信彦は勝手な妄想で彼女たちに憎しみを抱いた
心の中で
自分の知らない世界に対してつぶやいた。
『 けっ!』
静かになった横顔はまるで銅でできたモアイ像だった。
信彦は目をつぶった。眼球の裏側のそのずっと奥にヒリヒリするような、焦燥感とどうしようもない諦めがあった。
彼には誰にも悟れない、見えない渇いた涙をながした。
処方された薬の中には気分をあげる成分が入っているらしいが今日は効いてないようだった。
山本自身、自分はできる男というプライドがあったが、それが折れてしまっていて心の中の自信の炎は燃え尽きて灰の匂いがした。
( やばいよ。俺・・・
ラーメン、つけ麺、おれ、イケメン
なわけ・・・ないだろ。
死にメンじゃん。俺が悪いんじゃない。くそ!)
信彦の心は大奥の古いふすまの扉のように
きっちり閉じた。
だれももう
無理にでもこじ開けようとするものはいなかった。
ある、一人を除いては。
事実、同僚たちはそれまでの山本の見事な
功績を知っていたのでだれも責めなかった。
ただ、
本気で人間があっけなく
人が壊れてしまう現代の病、
鬱病の怖ろしさを知ったのだった。
そして彼のの履いている
黒い靴だけが本人と相いれず、
なぜか恍惚の光を放っていた。
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いっぽう奈美子はというと・・・
奈美子は信彦にかまってられなかった。
ハローワークから通知がきたのだ。
書類を送っていたところから面接の通知が来たのだった。
続く
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