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スタートアップ1人目UIデザイナーが1年半でやったこと

久しぶりにnote書きます!

私はHANOWAという歯科医院と歯科医療従事者のマッチングプラットフォームのUIデザイナーとして参画しており、既に1年半経過しています(あっという間)。

参画して間もない頃、スタートアップ一人目UIデザイナーがどんなことをしたのかnoteを書いているのですが、本記事はその後の話となります。

1年半でやった施策をできる限りぎゅっとまとめています。深掘りできそうな施策は後日記事にするつもりですのでお楽しみに!

本記事でわかること

  • フリーランスUIデザイナーがスタートアップに長期間入って何をしていたのか

  • HANOWAのデザイナーは何をしているのか

ユーザー理解

参画初期は副業という形で参画しており、短い稼働時間で目に見える結果を出す必要があったので、ユーザー理解は最低限に留めていました。スタートアップでは、すべての情報やドキュメントが揃っているとは限りません。

最初は暗中模索しながら走り出すしかなかったですが、嬉しいことに代表の新井さんから「できる限り稼働してほしい」というお言葉をいただけたので、今までできていなかったことに取り組む時間がとれるようになりました。そこでユーザー理解を深めてデザインリニューアルを推進していくため、以下のようなことをしてきました。

インタビュー

本来はどんなユーザーが利用しているのか、という背景を理解していなければ、課題解決のためのデザインはできません。
ユーザー理解のために、まずはユーザーインタビュー動画をすべてチェックすることから始めました。

※インタビュー動画はYouTubeに公開されていますので、気になる方はこちらを御覧ください。

この動画でユーザーがどんなバックグラウンドで、どんな課題を持っていて、HANOWAがそれをどうやって解決しているのか、徐々に理解できました。

動画だけでなく、実際にインタビューに参加させていただくようになり、自分が気になっていることを深掘りすることができています。

HANOWAユーザーコミュニティ

インタビューでHANOWAユーザーの利用状況の理解は進みましたが、個人的な課題として、毎回インタビューするのは限られたリソースでは限界があるのと、インタビューができるメンバーが固定化しており、もっとラフにユーザーと接する仕組みがあれば良いなと感じていました。

そこで、SmartHRさんの以下の記事を参考にして、HANOWAユーザーコミュニティをコンテンツチームのわだやんリードで立ち上げることが出来ました。

詳細はまた別で記事にしたいと思いますが、HANOWAユーザーコミュニティというのは

「ユーザーをSlackに招待してHANOWAについてあれやこれやコミュニケーションが取れる」

ことを指します。
運営側でコミュニティに参加していただきたいユーザーにお声がけさせてもらい、3~4名くらいの少人数でSlackチャンネルを作成しヒアリングをしています。

デザインの過程や、新たな施策を進める上で「これユーザーとしてはどう思っているのかな」となったら、すぐにコミュニティチャンネルで聞くことができます。

実際にこのコミュニティからの改善施策が多く生まれているので、まだまだコミュニティの運営方法の改善余地はありますが、ユーザーのご協力もあり、仮説検証のハードルはとても下がりました。

採用

参画して半年くらい経過した頃、HANOWAでの稼働を増やしたとはいえ、仮説検証をやって仕様作成してプロダクトデザインをすべて一人でやるのは、まあまあきついです笑
そして「そろそろ仲間必要ですよね…!」みたいな話がMTGで挙がるようになり、デザイン改善サイクルを加速させるため、採用活動をスタートさせました。

優秀なデザイナーの採用はなかなか難しいのは理解しているので、長期戦になるとは思っていましたが、PayCareerという求人サイトですぐに面談が決まったり、私個人のTwitterのDMにも連絡が来たりと、デザイナーとの接点を作るのには時間がかかりませんでした。

業務委託ではありますが、面談には私も同席し、企業として採用する側という貴重な経験をさせてもらいました。

スカウト担当でした

最終的にはPayCareerから経験豊富で優秀なUIデザイナー2名の参画が決まりとても嬉しい反面、ずっと一人でデザインしていたため、新たなデザイナーを迎え入れる準備もしないと!って感じでした笑

ディレクション

無事採用が決まり、迎え入れるためのオンボーディングをさせてもらったり、自分のメモ帳にあったプロダクトのペルソナや、カスタマージャーニーマップ等を用意して、ユーザー理解をしてもらってから、デザインを進めていただきました。

ペルソナ(一部だけ公開)

現在は要件定義から仕様書作成まで私が行い、ワイヤー作成〜UIデザインまでを他のメンバーに任せて、デザインレビューさせてもらう流れになっています。

HANOWAのデザイナーはフルリモート且つ、私以外は副業という形になるので、限られた時間で最大限のアウトプットをしていただく必要があります。そこで仕様書のクオリティは意識していて、認識のズレがでないようにしています。
参画当時こそ、仕様をガチガチに固めてデザインしてもらってましたが、慣れてきたら仕様に関してもデザイン担当者に考える幅を持たせることで、より主体的に進められるようにしています。

デザイン原則策定

UIデザイナー2名の参画が決まったのは、個人的にもHANOWA的にも大きな出来事でした。

ですが、HANOWAのデザインって何が正解なの?みたいなところが定義できておらず、自分の頭の中にしかなかったため、組織としてデザインするためにデザイン原則を設けることにしました。

デザイナーだけでなく、コンテンツチーム、役員の方々と一緒になって、「HANOWAらしさとは?」についてディスカッションを進め、納得感のある指針を作ることができました。

そのデザイン原則を意識してデザインレビューをすることができ、役員の方にも『ここのデザイン、まさにデザイン原則の「親しみ」が現れてるね』といったお言葉を頂いています。

(デザイン原則についてはまた後日深掘り記事書きます)

UIデザイン

ディレクションやPdM的に立ち回り、他のUIデザイナーに任せることも増えていますが、引き続き自分でも手を動かしてUIを作っています。
デザインシステムを元にして、プロダクト全画面のデザインリニューアルを行いながら、ユーザーフィードバックからの改善施策や、新機能のデザインも適宜も平行して行っています。

タイムラインのハッシュタグ機能追加施策(新機能)の様子

やっぱりFigmaでデザインするのは楽しいですね!大きなデザイン組織になると役割がはっきりしてしまいがちですが、私は戦略から表層まで一気通貫でやりたい気持ちがあるので、HANOWAみたいなスタートアップは私の思想とマッチしているな〜と感じています!

今後やりたいこと

いろんなタスクを抱えてはいるのですが、以下3項目はどこかでやりたいと思っています。

  • アクセシビリティ対応

  • Storybook導入

  • デザインシステム公開

特にアクセシビリティ対応に関しては、HANOWAには幅広い属性のユーザーがいますので、できるところから小さく始めて、デザイン原則の「なめらか」「誠実で清潔」の考え方の元、「すべてのユーザーが公平にタスクを遂行・達成できる」ようにしたいです。

デザインシステムも公開している組織はまだまだ少ないと感じていて、公開しているものでも、スタートアップが参考にしづらい壮大な規模だったりします。
スタートアップのデザイナーが少人数でどんなデザインシステムを構築しているのか、というのは同じスタートアップで働くデザイナーであれば気になるところかなと思うので、こちらも進めていきたいですね。

最後に

まだまだ書ききれないところがたくさんありますが、業務委託という立場でもこれだけの仕事を任せてもらえるのは、HANOWAという企業文化ならではだと思います。

一人目のUIデザイナーとして土台を作るのは時間と労力が必要ですが、0→1にするのが自分の得意領域だなと思っているので、ある程度デザイン組織としてワークする状態にまで持ってこれたのは、自分の大きな財産になっています。

というわけで、結構なボリュームにはなりましたが、この記事がみなさんの参考になると嬉しいです!

ではまた!

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