デザイン原則完成しました
みなさんの組織にデザイン原則はありますか?
デザイン原則というのはその名の通り、デザイナーがデザインをする上での指針になるものですが、その指針の言語化は組織が大きくなるにつれ必要性も増してくると感じています。
今回はそんなデザイン原則をHANOWAというスタートアップで完成させた過程をお伝えできればと思っています。
(HANOWAのデザイン原則に関しては、社内向けではありますがこちらでもCOO南部さんとお話させてもらっているので、是非聞いていただけると嬉しいです!)
なぜ作ったのか
HANOWAというスタートアップに参画して半年程経過した約1年前、新たにUIデザイナー2名の参画が決まり、オンボーディングの準備をしている最中にふと思ったのでした。
「デザインするとき自分の頭の中でしか理解できていないこと多くない?」
この半年間、「UIデザイナー0人」、「プロダクトのデザインデータほぼ0」、「デザインガイドライン無し」の状態から少しずつデザインリニューアルとユーザー理解を進めてきました。
その過程で「HANOWAらしさ」の解像度も少しずつ上がっている感覚はあるのですが、今後人を増やして更にデザイン改善を進めるには、「HANOWAらしさ」を定義して誰が見てもHANOWAの性格が理解できる状態にする必要性を感じました。
またデザイン原則はコーポレートブランディング、フィロソフィと密接に関わってくるところで、代表新井さん、COO南部さんも以前から必要性を感じていらしたことも、デザイン原則策定プロジェクトを推し進める大きな後押しとなりました。
どうやったのか
他社のデザイン原則を知る
デザイン原則の必要性は感じましたが、当時の私にデザイン原則策定の経験はありません。とはいえ新しいデザイナーの参画も決まっているので、スピーディーな進行を目指しました。
色々調べていく中で特に参考にさせていただいたのはラクスルさんです。
よくあるデザイン原則は、抽象的なワードのみが定義されていて、具体的にどのようなデザインが原則に沿っているのか、個人的に不明瞭だったりします。ラクスルさんは分かりやすい言葉で具体例を出しながら定義されているので、デザイナー以外のメンバーでも理解しやすい構成になっています。
デザイン原則初稿作成
アウトプットのイメージがついたところで、HANOWAらしさってなんだろう?をあまり考え込まずにひたすらアウトプットしていきました。
まずは私から初稿として、FigJamを使用してHANOWAらしさを発散していき、代表新井さん、COO南部さんと時間をかけながらイメージのすり合わせを行いました。
他のメンバーを巻き込んでブラッシュアップ
デザイン原則のアウトラインが見えてきたところで、他のメンバーからのフィードバックを求めてブラッシュアップしていきました。
スタートアップのプロダクトは代表の思想が色濃く反映されるものではありますが、チーム全体が納得感を持ってそれぞれの役割を果たすためには、プロダクトに関わるメンバーがどのように考えているかも重要です。
ここではHANOWAを初期から支えてきたメンバー(職種問わず)へヒアリングを実施し、各メンバーの「HANOWAらしさ」をアウトプットしてもらいました。
集まったキーワードを元に最終調整
各メンバーから共有してもらったHANOWAらしさのキーワードはざっと40くらいはありましたが、ここからキーワードをグルーピングして最終調整していきます。
また最終調整をするにあたって、以下のデザイン原則策定の条件を設けました。
デザインする際に実用的な指針になること
抽象的、汎用的過ぎる言葉ではなく、その原則の背景にある 意図を深堀りして、最適な言葉を見つける
「なめらかな働き方を通じた自己実現」 という視点が含まれていること
簡潔で覚えやすいキーワード(3〜4つ)
デザイン原則は作るだけで終わりではなく、実際にデザイナーがデザインする際の指針にならなければ意味がありません。具体的にこの原則はどんなデザインを指すのか、を明確にしたい思いがありました。
一方で原則を10個〜20個と作っても覚えられないですし、言葉の重みも薄れていくと感じているので、キーワード数も厳選することにしました。
そして「なめらかな働き方を通じた自己実現」は、HANOWAのValueにもある、「滑らかに働こう」があるので、代表新井さんの要望もあり、ここはこだわることにしています。
デザイン原則完成
丁寧且つスピーディーに進めた結果、完成したデザイン原則は以下3つです。
「なめらか」
「誠実で清潔」
「親しみ」
それぞれ解説します。
「なめらか」
HANOWAのValueにもある、「滑らかに働こう」からとりました。レガシー産業の歯科業界でなめらかに、迷わせないことはHANOWAの生命線であるので、こちらを最優先としています。
「誠実で清潔」
これからサービスを拡大していく上で、この誠実さも非常に重要です。HANOWAはもちろんのこと、HANOWAを利用いただいているユーザーも誠実さを忘れてしまってはプロとして良い仕事はできないはずです。
「親しみ」
上記の2原則が土台にある上でこの「親しみ」の効果が現れると思っています。
HANOWAを通して働くと楽しい!
他のサービスではなくHANOWAを使いたい!
といった、HANOWAを使うと「帰属意識」が生まれるような人感のあるサービスにしていきたいという想いで最後にこちらを定義しました。
完成した結果どうだったか
デザイン原則が完成してから1年くらい経過しましたが、デザイン原則はどのように活用されているのかというと、
デザインレビューがしやすくなった
参画間もない副業のUIデザイナーさんたちにこのデザイン原則を共有することで、HANOWAの性格と異なるデザインが初稿で上がってくることは一度もありませんでした。
レビューする側としてはとても嬉しいことですし、より踏み込んだデザインレビューに注力できるので、大きな効果を実感しました。
デザイン原則の枠を飛び越えた存在になった
デザイン原則本来の目的は、HANOWAのデザインをする上での指針を設けたかったからですが、このデザイン原則はデザイナーだけのものではなく、HANOWAに関わるみんなが「プロダクトの価値観・行動指針」として掲げるようになりました。
デザイナー以外の職種でも浸透されてきた
HANOWAのデザイナーは日々、デザイン原則にある3つの思想のもとデザインしているわけですが、デザイナーではない人から見てもその意図を読み取っていただく機会が増えてきています。
また、CSのメール案内文のレビューでもこのデザイン原則が活用されていたりします(南部さんありがとうございます)。
最後に
今回はデザイン原則の作成をリードさせていただきました。
多くのメンバーを巻き込んだ施策でしたが、スムーズなテキストコミュニケーションと効果的なビデオ会議のおかげもあり、中だるみせず2ヶ月くらいで完走できました。
デザイン原則完成後の効果としても確かな手応えを感じていますが、より組織に深く根付いていくような施策を今考えているところですので、その話もどこかでできればと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました🍀
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