<南仏グラース> 香りの都で本格調香体験も! 3大香水メゾン ガイド
南仏のグラースは香りの都と知られ、その中でも老舗香水メゾン(メーカー)として知られているのが、Fragonard フラゴナール、Molinard モリナール、Galimard ガリマール の3軒です(本記事では勝手にBIG 3と呼んでいます)。
いずれも香水販売だけでなく、工場見学や調香体験を行っており、観光の大きな目玉となっています。
ではそれぞれメゾンで香りはどう違うの?調香は観光向け、それとも本格派?費用や体験内容などどれが自分に合っているかな?
本記事でグラースに拠点を持つ老舗の共通点と、メゾンごとの香りや雰囲気、工場見学 & 調香体験の概要をまとめました。グラースでの香り巡りの参考にご活用下さい。では、スタート♪
はじめに
グラースを代表する 老舗香水メゾン BIG3
グラースの老舗メゾンBIG 3は代々家族経営で、グラースに製造拠点を持っています。
バラ、スミレ、オレンジフラワーなどグラース産植物を原料やモチーフに用いた香りが多く、土地や伝統へのリスペクトを感じます。
エズやパリなどにいくつか支店がありますが、大規模な全国展開はしておらず、ローカル色が強いのも特徴です。
香水の他にもスキンケアや石鹸、キャンドルなど幅広い製品が揃っているので、自分用やおみやげにお気に入りを探してみてはどうでしょうか?
工場見学 & 調香体験 概要、注意点
各社とも工場見学(ガイドツアー)は無料です。
調香体験はブレンド済みのエッセンスを組み合わせるなど、簡単なものだと所要時間20~30分で約30ユーロ〜。より本格的なものは所要1~2時間、約60ユーロ〜で体験できます。
基本的にフランス語と英語のサービスがあります。
*注意
グラース観光の中心地は、標高300メートルほどの丘の中腹にある「旧市街」と呼ばれる中世からの城壁都市です。
買い物は城壁内のお店でできますが、調香体験等は郊外(丘のふもと)にある工場で開催しているものもあります。
それでは各メゾンの香りや体験メニューを紹介していきます。
気になるものがあればチェックしてみてくださいね^^
グラース香水メゾンガイド : 香り紹介 工場見学&調香体験案内
Fragonard フラゴナール
概要
1926年創業。店名はグラースを代表する画家ジャン・オノレ・フラゴナールに由来。カラフルな絵柄のパッケージで南仏らしさを前面に出しています。
施設は旧市街(観光の中心)と郊外の二ヶ所に分かれています。
手軽に観光や買い物を楽しみたい方は旧市街のブティック兼工場がおすすめ。調香体験を希望する方は郊外の新工場へ。
香り&雰囲気
南仏の花や植物をベースにした自然で清潔感のある香りです。
オードトワレが中心なので軽く、強い香りが苦手な方にもおすすめ。ファブリックやお皿など、インテリア用品も充実。オードトワレ 50ml 22ユーロ〜。
工場見学
旧市街にあるThe Historical Factoryは初代の工場を改装して作られた人気観光スポット。製品販売の他、予約不要のガイドツアーが常時開催され、古い蒸留設備やボトリング風景を見学できます。
郊外にある新工場The Flowers’ Factoryではオートメーション設備の見学(予約不要)ができるほか、香料植物の植物園も併設されています。
調香体験
新工場で開催されている調香体験はブレンド済みのベースを使うため、手軽にオリジナルの香り作りにチャレンジできます。
いくつかのベースを組み合わせて香りをカスタマイズするコース、プロ調香師のレクチャーを受けながらオリジナルのフレグランスを作るコースなどがあります。
詳しくはこちら
Molinard モリナール
概要
1849年に創業。避寒で南仏にきたロシアやイギリスの富裕層向け製品で成功した歴史があり、現在でも高級感あるパッケージや店舗設計で世界観作りに力をいれています。
メイン施設The Bastideは、もとはエッフェル塔を手掛けたギュスターブ・エッフェル設計による工場で、現在はショップ兼ミュージアム。旧市街を出て徒歩10分ほどの場所にあり、見学や調香体験ができます。
香り&雰囲気
バラやスズラン、キンモクセイなど植物の香りを再構築したもの、レザーやバニラ&ベチバーの個性的な香りなど幅広い香りが揃います。全体に共通するのは現代的でスッキりとした香り、クールでモダンなイメージ。オードパルファム中心のラインナップで 75ml 69ユーロ〜。
工場見学
見学は予約不要で常時開催しています(昼休憩あり)。
こちらでは20世紀初頭の蒸留設備やラボ(調香部屋)が展示されており、
プレゼンテーョンにこだわり、各部屋がとても美しく作られています。
調香体験
調香体験はブレンド済みエッセンスのカスタマイズ、キッズコース、90種のエッセンスを用いて行うグループレッスン、シャンパンつきのラグジュアリーなプライベートレッスンなど幅広く用意されています。
詳しくはこちら
Galimard ガリマール
概要
1747年創業、当時の国王にも香り製品を献上したフランスで最も歴史あるメゾンの一つ。パッケージや店舗などに派手さはありませんが、製品や調香サービスに力を入れていて老舗の誇りを感じます。
調香体験と見学ができる工場は郊外にあり、バスや車でのアクセスが必要です。
香り&雰囲気
堂々たる王道の香り。フローラル、オリエンタル、グルマンなど各ノート(調香)がバランスよく揃い、どれも「これぞ香水」といったクラシカルな香りが漂います。同じ香りで濃度が異なるパルファム、オードパルファム、オードトワレが選べます(一部例外あり)。オードトワレ 100ml 29ユーロ〜。
工場見学
こちらでは実際に稼働している工場を見学します。人々がのんびりと検品やラベル貼りをしている様子から、南仏暮らしが垣間見れます。
予約は不要ですが開催時刻が決まっており、英語とフランス語でも異なるので事前確認をお忘れなく。予約制の簡単なブレンド体験つきツアーもあります。
調香体験
調香体験は100種類以上の香料が並んだオルガン(作業台)でのグループレッスン、特別メニューが組まれた個人レッスンなどがあります。
また自身で調香せずとも、専任のカウンセラーにオリジナルの香り(オードパルファム)を調香してもらえるオーダーメイドサービスもあります。
調香したレシピは保存され、後日メールにて再注文できます。香水だけでなくシャワージェルやディフューザーなど他のアイテムでのオーダー可。
ウェブサイトによると、ガリマールには日本人調香師が在籍しているようです。運がよければ会えるかも??
詳しくはこちら
おわりに
いかがでしたでしょうか?
メニューや価格等は執筆時のもので、変更になっている可能性があります(実際、私が昨年参加したプログラムでなくなっているものもありました)。気になるプログラムは所要時間や予約の有無とあわせに必ずご自身で確認くださいね。
この記事がみなさんのお気に入りや目的にあった場所を見つける助けとなって、訪問や滞在がスムーズになればうれしいです^^
今回は主要メゾンの紹介でしたが、今後はグラースのニッチフレグランスの紹介も行なっていきます。どうぞお楽しみに。
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