食べて楽しむ南仏花の香り:オレンジフラワー&ローズ
オレンジフラワー
先日の記事で紹介したネロリオウムを訪れた際、併設のショップでオレンジフラワーのフローラルウォーターを購入した。
フランスへ行った時の楽しみの一つが植物由来のスキンケア商品を探すことだが、フローラルーウォーターの原料はビターオレンジの花と水のみの超ナチュラル&シンプルな素材でできている。
ところでネロリオウムのE-shopサイトを見ていると、このフローラルウォーターは化粧だけでなく料理にも使えると書いてあった。
そういばフーガセットもそうだな〜と思い浮かべた。
フーガセットはグラース名産の一つで、平べったい楕円形のパンをオレンジフラワーウォーターで香りづけしたもの。
甘くも塩辛くもないフォカッチャのような生地に、ふわっと花の香りが漂いい、味も香りも食感もとても軽やか。
オレンジの果実に似た、だけど苦味や酸味の少ない優しい風味が広がる。
↓グラース観光局のインスタグラムより。
フーガセットで有名なVenturini Fougassettesというお店が紹介されている。
グラースからは少し離れるが、南仏にはもう一つナヴェットというお菓子がある。マルセイユの名物で、こちらはふわふわのフーガセットと対照的な堅焼き(かちかち)の舟形をしたビスケット。素朴な味付けの中にオレンジフラワーの香りが優しく香る。
思えばフランスの焼き菓子はバターたっぷり、リッチなものが多いが、フーガセットやナヴェットは花の香りを活かすためかバターを使用せず、シンプルで素朴な味わい。フランスのお菓子ではめずらしいかも。
ローズ
このnoteでも度々写真を使用している、グラース近郊の農園 マ・ドゥ・オリヴィン(Mas de l’olivine)では、グラースを代表する香料植物であるローズ、ラベンダー、スミレなどを栽培し、香料でなくジャム、キャンディー、ハーブティーなどの食品に加工、販売している。
ここを訪れた際も、スキンケア用にセンチフォリア ローズを蒸留したローズウォーターを購入した。
香りは甘味のある優しいローズの香りで、「ローズです」と強く主張しない淡さが魅力。パウダリー感が少なくとても自然な感じ。洗顔後のローションに使用すると、甘い砂糖菓子に包まれているような気持ちになる。
こちらのローズウォーターもスキンケア、食品両方に使用できる。
フランスではどんな風に食品にバラが使用されるのだろう?
そんなことを考えていると、グラース滞在中に食べたバラのマカロンがすごくおいしかったことを思い出した。
フランスに行くと自分で買わなくとも、なにかとマカロンを食べる機会もあるが、私はマカロンの大ファンというわけではなかった。
だけどこの時食べたマカロンは、脳がとろけるほどなめらかなクリームで、身をよじった。
じゃあバラでなくクリームの力なんじゃ、と思うかもしれないが、フレーバー違いのコーヒーやキャラメル味では同じような感動がなかった。
クリームのフレッシュさにバラの酸味や、繊細だけど豊かな香りが絶妙にマッチして極上のハーモニーを生み出していた。
たくさんあって食べきれないからと、ラップに包んだものをもらったもので、どこの店のものかわからないのが残念だ。
バラといえばもう一つ、ディオールの専属農園として有名な ドメーヌ・ドゥ・マノン (Domaine de Manon)でバラのジャムを購入した。
バラのジャムはきれいなピンク色をして甘酸っぱく、味はどことなく梅の実と似ている。トーストやホットケーキにあわせたほか、炭酸水に溶かしてのむとさっぱりとしておいしい。
香水のMiss Diorなどに用いられるバラ(センチフォリアローズ)を自宅で食していると、なんとなく優雅な気分になる。
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