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東北大は「地方」に再興隆昌をもたらすか

東北大学が東大や京大を飛び越えて、国際卓越研究大学の1期生に選ばれたことは大きな驚きでした。

「世界トップクラスの研究力をめざす」というお題目に、ファンドの運用益という「タケノコの皮を剥がして運営資金にする」みたいな話ですが、人生も大学も「先立つものはお金」ですね。

掲げたミッションが「ハードル高すぎ」と心配されていますが、ぜひともそれを乗り越えてほしいと思います。


社会改革を推し進めるコアプレーヤー


実はもう1つ。どの程度、国際卓越研究大学の指針の中でウェイト付けされているか分かりませんが、東北大には『東北エリアの再興と隆昌』という社会政策の一翼を担ってほしいと期待しています。

これまでの枠組み(社会構造)やしがらみ(地域の利害関係)を取っ払って、デジタル技術をベースに東北をどう再生していくか。


東北大が東大や京大と違うところは、地方にある旧帝大として、東北という「後背地を持っている」点です。

これは、国レベルの人材育成だけでなく、「国家レベルの大局観を持って地方を統治運営できる知見と人材を養成する」ことにもつながっています。

今の、インターネットやコンピューターをはじめとしたテクノロジーが社会構造の中心的な機能を司る時代にあっては、

「自らが社会ニーズの高いテクノロジーを生み出し、地方社会に実装する」ことも、東北大の重要な役割ではないでしょうか。

国際卓越研究大学として「世界大学ランキングの上位を目指す」傍らで、どんな「社会への強烈なインパクト」を生み出してくれるのか。とても楽しみです。

○  アカデミズムの延伸と世界に向けたイノベーションの発信
○  大学の英知を持って地方社会を救う


東北は「地方」のリーディングケース


東北エリアは、日本の地方社会が抱える深刻な問題の多くに直面しています。例えば「少子化」

出典:ランキングデータニッセイ基礎研究所

<人口減少2021-2023>

県内人口は3年で4-5%減少(宮城は -2%以下)


<赤ちゃん数 2000-2021>

毎年生まれる赤ちゃんの数は20年で半分まで減少(宮城は4割減)


ことの本質が『雇用と経済の問題』にあることは明白ですが、国や自治体が提唱するものは、「婚活」「子育て支援」「教育費」といったバンドエイドのような異次元の対応ばかりです。

地方の少子化(=経済や生活基盤の弱体化)の裏側には、高齢者問題という巨岩もセットでついています。

さて、こうした行政の「レベチの課題と取組み」を横目に、東北大が(行政からの外注ではなく)自らが発案者となってプロジェクトを組むとしたら、どんな解決提言と実装を考え出すでしょうか。例えば、

○ ドカンと、成長力の高い新種の地場産業を創出する
○ 大学の魅力や人脈をフックに、人材集積と雇用を生み出す有力企業を誘致する
○ 福祉・医療的観点から、高齢者も安心して暮らせる 長寿社会のJapan モデルを整備する


『少子化と地方の崩壊』を切り返す
ことができれば、それだけで世界ランキングより遥かに大きな評価と感謝を得ることができそうですね。



キーワードは『そこに未来はあるんか』 


東北大のサイトにこんな取組みがアップされていました。素敵ですね。本記事で触れた「地域を良くする大学」が、ドンドン具体的に進められています。


大学が「偏差値トーナメントのオモチャ」にされたり、「学歴をゲットするだけのツール」であったりという次元をはるかに超えた、頼もしい存在になりそうな手応えを感じます。

大学は、技術や研究、社会の在り方などに関し高度かつ専門的なことを学び、更にそれを推し進めていく中で、社会に対してその成果を分かりやすい形で示し、実生活に還元してくれる時代になってきたような気がします。

東北大には、国際卓越研究大学の賞金レースを上手く引き寄せながら、ぜひとも『Save Tohoku』をお願いします!


ガンバレ! 東北大!

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