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NYアート巡り:グッゲンハイム美術館

カタツムリのように渦になった建築が有名なグッゲンハイム美術館。いつか行ってみたいと思いつつ、今までNYに来たときはなかなか時間が取れず、今回初めて訪れました。この美術館はマンハッタンの北部、アッパーイースト・サイドと呼ばれる、セントラルパークの真ん中の東側に位置しています。私はミッドタウンからバスに乗って向かいました。Madison Av/E 89 Stの駅で降りると、左手すぐにセントラルパークが見えるのでそちらの方面へ歩くと、徒歩3分で到着します。

Solomon R. Guggenheim Museum(グッゲンハイム・ミュージアム)
1071 5th Ave, New York, NY 10128

セントラルパークの目の前にそびえ立つ、不思議なデザインの建物。これがグッゲンハイム美術館です。入場料は25ドル。日曜午後に予約無しで行きましたが問題ありませんでした。徒歩5分のところにメトロポリタン美術館がありますが、そちらは要予約です。いつも混んでいます。

世界に誇る建築家、フランク・ロイド・ライトが設計したことでも有名なこの美術館。2019年にはなんと建物自体が世界遺産にまで登録されたそうです。外側の形状から想像できるように、中央が吹き抜けになって螺旋階段のようにとぐろを巻いた形状になっています。1階、2階・・・という区分けがなく、見学者は一つの展覧会を滑らかに順番に見て行くことができます。今回の企画展はロシア人画家「ワシリー・カンディンスキー」の展示でしたが、下から順に見て行くと彼の晩年の一番有名な作品から若い頃に時代を遡って見て行くことができ、上から見ると駆け出しの画家としての時代からどのように変化しながら作風を作っていったかが時系列に見れるという、非常に面白い作りになっていました。

企画展:Vasily Kandinsky: Around the Circle

下から眺めた全体図。
螺旋部分は全て企画展で、2階にある突き出した部屋に常設展があり、ピカソ、セザンヌ、ゴーギャンなど19世紀の画家の作品が飾られています。
螺旋状になっているため、この床は全て少し斜めになっています。
数枚の絵ごとに仕切りがあるので、不思議なことに見ているときは何の違和感もありません。
カンディンスキーらしい原色の色使い。ソ連からドイツに渡った頃の作品だったと思います。
即興性を感じさせる動きのある絵だなと思ったのですが、説明を読んだところ全く逆でした。この絵は思いつきをそのまま即興で描いたのではなく超綿密に計算されて書かれた・・・とありました。芸術とはなかなか難しいですね。感じるものと事実に差異がでたりします。
今回の企画展の注目作品の一つ「Painting with White Border」。
1913年の作品。こちらも即興で描かれたものではなく計算され尽くした作品だそうです。右上から下側中央に続く白い波のような所が彼の心情を表している・・・そうです。難しいですね。ちなみに左上の3個の茶色の物体は馬だそうです。アートは解読しようとすると難しいので、私はもっと感じた通りにシンプルに心に納めたいと思います。
上階から階下を見下ろすとこんな感じ。写真を撮りながら携帯を落としたら大変です。ちなみに高所恐怖症は結構怖いと思います(一番上は7階)。


1923年の作品「Composition VIII」
まるで楽譜が踊り出したようなこの作品は、絵の中に音楽的な要素が見受けられます。カンディンスキーは、物の形をそのまま表現するのではなく、感情を表現していたと言われているそうです。
こちらも今回の見どころ作品の一つ「Several Cercles」。
1926年の作品です。戦争や不安定な政治の影響で不安定な心の動きを表しているそうです。
確かに、カラフルな円がたくさんあるのにも関わらず、真っ黒な背景、そして、なによりも中央にある黒光りした円が強い印象をもたらしています。
「Yellow Painting」1938年。
元気のでるようなイエローの際立つ作品。晩年、パリに渡って生活していた頃の作品です。
見ているだけでパワーを与えてくれる絵でした。
絵はこんな感じでテーマ別に飾られており、大変見やすい構成です。
説明はあえて絵の近くではなく少し離れたところにあり、白い壁に絵が際立ちます。絵を見る際に無駄な情報がなく、質感や全体図を読み込みやすい印象でした。

携帯にアプリを落とすと、音声ガイドが無料でつけられます。興味のある作品の説明だけ聞きながら見て、午後3時前から見始めて大体1時間で企画展を回ることができました。最後に30分ほど常設展を周り、ピカソ、セザンヌ、ゴーギャン、モネ、マネなどの19世紀の作品を見ました。こちらは別名「Thanheiser Collection」とも呼ばれており、ドイツの画商タンハウザーが収集した作品だそうです。確かモディリアーニの絵があったはずで、見るのを楽しみにしていたのですが今回は見つけられず。どこかの美術館に貸し出し中だったのかもしれません。

併設のカフェに行こうと思っていたのですが、15時半の時点ですでにClosedで入ることができませんでした。この美術館の辺りは公園の真横で何もない住宅街エリア。美術館を出るとあまりカフェがないので、私のようにここで最後に休もうと計画するひとは、事前にカフェの営業時間を要確認です(ま、私が調べたときはこのカフェは日曜も17時まで営業のはずだったんですけどね。本当にガイコクではそういう予想できないハプニングだらけです)。

最後、出入り口の隣にミュージアムショップがありますのでここは是非行って欲しい所。ここはオリジナルグッズが豊富でとても素敵な商品がたくさんあります。特徴的な外観を模したデザインの食器や文具、さらには洋服にキーホルダーなど、雑貨がたくさんあります。

日本からの旅行だとどうしても割れ物系は避けがちだと思うのですが、今回はアメリカ国内の移動なので手持ちでも楽々。コワレモノも自由に持ち帰ることができるので、今回はいつもにも増して楽しいショッピングでした。ただ、唯一の問題点は、我が家が断捨離中であること。邪魔になるものは買えないのでとても悩みました。最終的にどうしても欲しい物を見つけたのですが大幅に予算オーバーで・・・買えないかなと諦めかけたのですが最後に購入しました!

それで買ったのがこちら。
グッゲンハイム美術館限定の大きなスノーボールです。

直径は10cmほどありかなり大きめサイズです。私が買うのを躊躇したのはお値段のせいなのですが・・・なんと65ドル!NY州の税金は9%近くあるので、日本円計算すると、驚きの"約9000円"!!!
そんな1万円近くするスノーボール、それはさすがに買うのに勇気いりますよね笑。

こちらのスノーボール、直径10cm程のガラスボールの下にブラックの台座があり「GUGGENHEIM」と刻印が入っています。中には自由の女神を真ん中に、グッゲンハイム美術館を始め、セント・パトリック大聖堂、ロックフェラーセンターなど有名な建物がたくさん!実はこれ、驚くことに1万円近くするんです。さすがにちょっとお高すぎ?!で驚きなのですが、お土産屋さんに売っている安価なものとは異なりとにかく雪の舞方が綺麗&ゆったり!超微細な雪が美しく舞い、長い間キラキラを楽しむことができます。

スノーボールと言うとちょっとクリスマス感もあるかもしれませんが、今日はマイナス13度まで冷え込んだ1月のニューヨーク。実はこれから今晩はずっと大雪の予報なのです。「Snow in New York」を表現したこのスノーボール、あら、今にぴったりではありませんか?!あまり安くはないお買い物でしたが、大満足です。これから大切におうちに飾りたいと思います。

先ほどから早速雪がちらつき始めました。すでに道路が白く彩られ始めています。明日の朝はどうなるでしょう。Let's see…



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