【スタマイ】昔歳編(瀬尾研究室:前編)を性格タイプで読み解く
こんにちは。性格タイプ別にキャラ分析している途中で、ISTPの今大路、カナメについての記事を書いていたのですが、更新されたメインストーリーが気になったのでそちらについて今回は取り上げていきます。
瀬尾研のみんなのタイプ
可愛ひかる:ENTP
早乙女郁人:ENTJ
瀬尾鳴海:ISFJ
(日向志音:INFP)
(宝生潔:ISFP)
今回の更新でメインとなるのは可愛ひかるを中心に、早乙女郁人、瀬尾鳴海の三名となります。志音や潔についてはまた次回のメインストーリーで気になることがあれば別途書きたいと思います。
語り手が可愛ひかるであるということ
一部語り手が志音のところもありますが、過去のことについて大半はひかるが語っています。
これはどういうことかと言いますと、洞察力には優れるけれど、感情の読み違いが発生している可能性があるということです。ひかるは人を観察しているので、その行動からどのような考えだったのかを推測することには長けています(NeTi)、なんだったら一般的な感情(Fe)も理解できているはずです。しかしながら、より深い心の機微(Fi)に関しては疎いというのが事実としてあります。
そしてひかると対立状態の早乙女郁人はENTJであり、劣等機能にFiを持っています。ひかるは早乙女の表の態度(TeNi)を見て性格を理解しているのですが、早乙女の中にはFiが確かに存在していて、その部分についてひかるは理解することができません。それどころか早乙女の中にそのような感情が存在していることすら知覚できない可能性があります。そしてそこがストーリーの一番のポイントになっています。
可愛ひかると瀬尾鳴海は双対関係
双対関係とは、MBTIでいうところの使用する機能の順番がすべてひっくり返った関係のことを言います。しかし順番は違えど重視する価値観は同じになりますので、同クアドラに属していて社会への関わり方は似てくるのです。
瀬尾の論文『行動が心に及ぼす影響と、それを利用した心の理解とコントロール』を読んで、ひかるは瀬尾研に入りました。早乙女にも、したい研究は『統計データで”人の心”を理解することは可能なのか』、瀬尾研究室に求めることは瀬尾教授であり、理由は「人間の心理を、『自分の心』以外を用いて読み解く――僕がやろうとしていることについて、ひとつの解に辿り着いている人だからです」と語っていましたね。
「僕と同じように、”心”という不確かな<人間の中身>を、心以外で読み解く人」
ひかるが瀬尾に惹かれた理由はこの一文に集約されています。
そしてひかるが瀬尾に対する興味をさらに深める独白があります。
「自分と自分以外の人達は、違うところに立っている感覚がする」
「……でも、瀬尾さんはもっと近く。もしかすると、同じところにいる人なのかもしれない。だとしたらこの人の<中身>はどうなっているのだろう。もし、それが見えたら――」
この二文からは三つのことが読み取れます。
①ひかるは自分の<中身>がマイノリティであると自覚している
②瀬尾は自分と同じタイプだと感じている
③瀬尾の<中身>を知ることができれば、自分の<中身>を知ることができるかもしれないと思っている
一番重要なのは③の太字部分ですね。
これは明確に言葉にはされていませんが、そういうことでしょう。
つまり可愛ひかるという人は自分の<中身>を知りたい人である、と言えるのです。
今までひかるについての掘り下げはあまりなかったと思いますが、ここでパーソナリティの開示が来ましたね。
ひかるが瀬尾に対して似ていると感じたのは必然でしょうね。性格タイプが双対ですので似ているというのは正しいですし、また瀬尾の研究内容とひかるの求めているものも一致しています。
ただ瀬尾が「人間の<中身>を心以外で読み解く」研究をしているのは、自分の記憶障害を治す、またはコントロールするためです。瀬尾は感情が揺れると記憶を保持できなくなると言われていますが、それは言い換えれば、「瀬尾には感情がある」ということになります。
最初に瀬尾の性格タイプを分析した時、どのタイプなのかを知るのに苦労しました。それは瀬尾があえて感情を抑えているため、本質が見えなかったからです。ストーリー内でひかるも「瀬尾には”手ごたえ”がない」と評していましたしね。
感情を抑えた結果、瀬尾は補助機能Feよりも代替機能Tiを使うことが増えたようです。これによって、ひかるはより似ていると感じたのでしょう。
ISFJらしい瀬尾、ENTJらしい早乙女
今回のストーリーの中で瀬尾はものすごくISFJらしい行動をとっています。
ひかるが分析していましたが、瀬尾は好きなものを繰り返し食べるタイプだそうです。これは主機能Siを満たしています。食感か味か、それが心地よいと感じるから食べているのでしょう。
馴染みない場所が苦手というのも、劣等機能Neが表れています。Siが主機能の人は新奇性のあるものを苦手としています。特に瀬尾に関しては記憶障害のこともあって、特に注意深く避けているようです。
また、瀬尾については手帳に記載する内容についての具体的な基準が出ました。
①感情が揺れて忘れてしまいそうなこと
②覚えておきたいと思ったこと
この二つを分けている理由については語られていませんでしたがもしかして、「今は感情が揺れてなくて覚えておけそうだけど、何かのきっかけで忘れてしまう可能性があるから、覚えておきたいと思ったことはメモを残しておく」ということなのかなと思いました。そう考えると、現時点で忘れてしまいそうなこと①と現時点では問題ないけれど何かのきっかけで失われると惜しいと思うこと②という分け方に納得ができます。
そして早乙女についてですが、彼のひかるに対する悪口を記しておきます。
・ぴょんぴょこピンク
・ミクロマン
これらはどちらもひかるを指している言葉です。確かにひかるは髪色ピンクですし、動きも可愛らしいためぴょんぴょこピンクは絶妙な悪口(?)ですね。ミクロマンも背丈が平均よりだいぶ低いひかるにはうってつけです。この、人をよく見た絶妙な言葉選びはN型らしいです。
ひかるが早乙女の本性をはっきりと知ってしまうことになった『わらびもち事件』でも言われていましたが、早乙女は脇が甘いです。最初の方でも門前払いする生徒については”瀬尾に伝えるメモ”に記入をしていなかったので、ひかる以外の生徒にも勘付かれていた可能性があります。
しかしひかるの言う通り、本性がバレても対応できるという自信があるからこその態度でしょう。
可愛ひかると早乙女郁人は疑似同一関係
ソシオニクス的に言うと、疑似同一関係は自我とイドに共通の機能を持っている関係です。MBTI的に言うと、重視する機能がすべて反対であり、真逆のクアドラに属しています。これによってどうなるかというと興味を持つ分野は同じだけれど、アプローチ方法やアイディアが異なる関係、ということになります。
まさに今回はその疑似同一関係が如実に現れていますね。
ひかると早乙女のどちらにとっても大事な人である瀬尾を、それぞれが別の角度から理解しているという象徴的なお話になっています。
ひかるが連れ出したことで、瀬尾は数少ない思い出を一つ失ってしまいました。それがきっかけとなってひかると早乙女は衝突します。
ひかるの主張
「瀬尾は人が後悔したり反省してる姿を見て心が休まるタイプとは思えない」←Ti使用
気にしないでって言われたことを気にしてたら、余計に瀬尾に悪影響だから気にしない←Fe使用
早乙女の主張
「瀬尾さんがどんなタイプだとか、お前の妄想はどうでもいい」←Ti否定
瀬尾の数少ない昔の思い出がなくなったことについての、ひかるの感情を聞いている←Fi使用
これはすごいですね。Ti-Fe軸 VS Fi-Te軸の戦いとなっております。
「ぶつかったところで分かり合えない」というのはその通りでしょう。なにせ着眼点が違いすぎます。
ひかるは早乙女が怒っていると読み取ってましたが、(怒ってるのもあるでしょうが)一番は「悲しんでる」のではないかなと思いました。
大切な記憶を失くしてしまった瀬尾、感情を理解できないひかる、この両方を悲しんでるんじゃないかと。早乙女は劣等機能がFiですので、その悲しみを上手に表すことができませんし、怒っているように見えるのも無理はないです。
「『人付き合い』をする気ならただの記憶と思い出の違いくらいは理解しろ」
「”人として”向き合う気がないなら、引っ込んでろ」
早乙女はこの言葉をひかるに残します。
記憶と思い出の違いは感情を伴うか否かです。
それをひかるは頭では理解できますが、心で感じることは出来ません。
「僕は今も、分からないでいる。」
というひかるの独白で締められているので、ひかるは今でも感情が分からないということになります。
早乙女郁人という人
東大法学部を卒業後、心理学専攻に転向。淑央大の院へ。
今まで詳しく語られてなかったと思うのですが、ここで初めて早乙女の経歴が開示されました。
転向した理由について述べられていませんでしたが、推測してみます。
法学部から心理学専攻に転向したのは、もしかしていじめ問題とかが理由になったのかと思いました。
法学部を出て検事や弁護士になっていじめ問題を解決しようとしていたけれど、法的な罰では被害者の心の救済にはならないし、なにより、未来志向な早乙女なら起こったいじめよりも、これから起こるいじめを減らすことに重きを置く可能性が高いので、心理学を学んでいじめが起こらない社会づくりをしたかったのではないかと考えました。
法学部ということは犯罪心理学も学んでいた可能性があるので、あながち間違いではないかな、と思っています。
とはいえ、全部推測でしかないですが。
さらに推測で話を進めますが、早乙女は本当にひかるが思っているような人なのでしょうか?
確かに早乙女は「味方につけるのが難しく、敵に回すと厄介な切れ者タイプ」「ひかるのことを邪魔だと思っている」というのもありそうな話です。けれどそれだけの人ではありません。劣等機能Fiがきちんと機能している、倫理観を持っている人です。
個人的には、早乙女はひかるに対して「本気で嫌いとか思うわけがない。同じステージ立っていない奴のことなんか眼中にねぇーんだよ」くらいに思っていても不思議ではないです。
早乙女とひかるは八歳差です。早乙女にとってひかるは学生であり庇護の対象です。ひかるは成人していますし、頭も良く器用で立ち回りも上手というのは早乙女も知っていますが、同時に感情面に問題があることだって分かっています。
つまり早乙女は瀬尾を守りながらひかるを成長させようとしているのではないか、と私は思っています。
ひかる視点で語られているため早乙女の真意は見えませんが、この見えていない部分がとても大事だと思います。
早乙女郁人と瀬尾鳴海は衝突関係
衝突関係ではお互いが先導機能⇔弱点機能、創造機能⇔役割機能という状態の関係です。衝突関係という名前からあまり相性は良くなさそうですが、それ以前に関心の範囲も違っていて、仲良くなるのが難しい関係と言えます。
だからこそどうしてこの二人が仲良くやっていけているのかが知りたいです。何かエピソードがあったことは間違いないのですから。
ひかるから見ると早乙女は「秀才」「目に見えるところに現れる心理を上手に”使う”人」で、瀬尾は「天才」「目に見えるところに現れる心理を上手に隠す人」となっております。傍目でも全然違う性質を持った二人というわけですね。
この衝突関係ではどちらかの双対関係に当たる人間が間に入った方が良いとされているようなのですが、早乙女(ENTJ)の双対は潔(ISFP)、瀬尾(ISFJ)の双対はひかる(ENTP)なんですよ。
もっとも早乙女と瀬尾に関してはひかるが来る前にすでに良い関係を構築できていたので、仲を取り持つ必要はなかったのですが。
早乙女と瀬尾の関係については今後(もしかしたら後半で)描かれることと思います。そうしたらまたその時のエピソードに基づいて考察していきます。
まとめ
瀬尾研メンバーの関係性が想像以上に面白かったです。ひかると早乙女の似ている部分もあるけれど決定的に違うところも、ひかると瀬尾の本質的にはどこか似ているところも、こうして文章にしてみると実感が深まります。
次のメインストーリー更新時にも関係性が分かるエピソードが出てくれば、またこうして考察したいですね。