ツンデレなのに「ツン」が弱い、愛すべき男ジュンワンー『賢い医師生活2』Ep4
今週、「賢い医師生活シリーズ」とキャストが被る「刑務所のルールブック」を完走した。
この「刑務所のルールブック」ではチョン・ギョンホが重要な役どころで出演している。加えて「賢い医師生活2(Ep4)」がジュンワンにフォーカスした内容だったことも相まり、チョン・ギョンホを堪能した一週間となった。
ということで、今週の「賢い医師生活2」はジュンワンのエピソードを中心に、思うところを綴ってみたい。
1. ジュンワンの気持ちになりきり、かなり切ないEp4
Ep3のラストでジュンワンを不安にさせたのは、セギョンというイクスンの友人の存在。それまでジュンワンはセギョンを女だと思っていた(と思う)。
イギリス留学中のイクスンが事故にあったというだけで十分不安なのに、イクスンと共に旅行をしていた友人が男だと知った時の胸騒ぎ、そして衝撃は如何なるものであっただろう。(二人きりで旅行したわけではないのがせめてもの救いだが)
ところで、遠距離恋愛を円滑に続ける秘訣は、ひたすら連絡を取り合うこと、そしてお互いの状況をオープンにしておくことだ。
だが、たとえそれを実行していても隙間風が吹く時もある。
実際のところ、ジュンワンとイクスンも努力をしていた。
が、仕事でも多忙を極めるジュンワンと留学生活を満喫するイクスンには温度差がある。ジュンワンにとってそれは寂しいことだったに違いないけど、それでも彼女を想う気持ちは変わらなかった。
しかし、イクスンは違った。
兄イクジュンから、ジュンワンが心身共に疲弊しいる様子を聞かされた彼女は、その原因が自分にあるであろうことを悟り、ジュンワンに別れを告げる。
しかもこう言ったのだ。
「好きな人ができた」
イクスンの気持ちはEp4では、ほぼ表現されていないため、彼女の本音はわからない。
考えられる理由としては、自分に弱さを見せないジュンワンにもどかしさや申し訳なさを感じたとか、ジュンワンの負担になりたくないと思ったとか。あるいは本当の本当に好きな人(セギョン?)ができたとか?
もう一つ考えられるのは、イクスンの肝臓に病気が見つかったことで、これ以上ジュンワンに心配をかけたくないと思ったとか?(ジュンワンに別れを告げた後にイクジュンに体調の相談してたけど、時系列的には、先に体調不良を知ってジュンワンと別れる決意をした可能性も。。)
いずれしても、ジュンワンにとっては耳を疑うイクスンの言葉。
セギョンが男性だと知ってから、ひっそりと抱き続けてきた嫌な予感が「的中した」と思うのは無理もない。
でも、思うのだ。
もしイクスンが本当に心変わりしたのなら、あんなに屈託なく、イギリスでの生活の話をしたり、「サランへー」と挨拶を交わしたりできるだろうか。
いや、できない(はず)。
だから、「別れ」がイクスンの本音ではない(はず)と信じたい私。未練たらたらなジュンワンと同じく。
きっと、近くにいれば修復できる類のすれ違いなのに、いや、そもそも遠距離でなければ起きないすれ違いではあるのだけれど、悲しいかな、今、二人の物理的距離は果てしなく遠いのだ。
それにしても、
「もっときちんと別れの理由を聞きなさいよ!」
とジュンワンにツッコミたくなるのは私だけではないはず。
ここで大人の男的な態度を取ったり、相手を思いやり過ぎるのはダメ〜と、外野としてはやんやと言いたくなるのであった。。
にしても、S1で、イクスンからの連絡をヤキモキしながら待ち、一方で電話が来ると嬉しさを隠せず小躍りするほど浮かれていたジュンワンを思い出すと、もう、切なくて、切なくて。。
で、そんなジュンワンを支えているのがト・ジェハク先生。
日頃はジュンワンに頼りきりの彼だけど、その天真爛漫さが、なんだかんだとジュンワンの癒しになっている。正反対の二人だからこその良きコンビなのだ。
「刑務所のルールブック」ではシリアスな役を演じていたト先生が、ここでは3枚目に徹しているのがなんとも好き。
2.「最善を尽くします」を超える言葉とその想い
私生活で辛いことがあったとしても、仕事に影響を及ぼしてはプロとはいえない。
人の命に関わる仕事をする医師なら尚更のこと。
そしてこう言うのだ。
「最善を尽くします」
この言葉は、手術の前、不安にかられている家族に向けて医師がかける言葉。
S1でも頻繁に出てきたセリフだ。
この「最善を尽くします」に対するエピソードが同じくS1のEp6で語られる。
それは腫瘍検査の結果を聞くために、ソンファが病院で医師を待つ場面。
付き添いのイクジュンが「(もし癌だったら)俺が治してやる」とソンファに言う。
その言葉にソンファはこう応える。
いい響だわ 医師の断固とした言葉
なぜ医師が断言してはいけないのか、分かった気がする
どんな病気でも治してもらえそう
そして「だから、こそ患者には断言できない」とも。
それは結果が悪かったときの患者の絶望を考慮してのこと。いや、患者のためだけではない。医師だって同じだ。最善を尽くしたのに助けられなかったという絶望と直面することになる。
当たり前だが、医師は、いや、人は万能ではない。技術や知恵を尽くしても抗えないこともある。そういう意味で「絶対」はこの世に存在しないのだ。
しかし、ジュンワンは言う。
「今日は何があってもウンジを助けます」
それはEp3でも登場した、ドナーを待つウンジの母親に向けた言葉。
病院の中で誰よりも長くVADをつけているウンジにドナーが現れず、悲嘆に暮れていたあの母親にだ。
最後には「最善を尽くし、ウンジを助けます」と、いつもの「最善を尽くし」が出てくるには出てくるけど、前出の言葉には「患者と家族の努力と苦労を無にするわけにはいかない」という彼の強い思いが滲み出ている。
医師として適切とは言えない言葉をジュンワンは選んだわけだけど、感情をコントロールすることに長けている彼の、冷静な口調の中に秘められた強い思いが伝わってくる。
クールを装っている彼の熱い部分や優しさが前面に出ていて、ジュンワンがどうしようもなく好きになってしまう場面でもある。
そして、他にも心温まる場面が。
寝たきりで動けない患者の話し相手を、自身のSNSで募るジュンワン。
さりげない優しさに「こんないい人、そうそういないよね〜」とますます彼の株が上がってしまう。キャラとしてはツンデレ的なんだけど、「ツン」の部分がイマイチ弱いところがジュンワンならでは魅力なのだ。
で、そんなジュンワンが不幸になるなんて癒しドラマ「賢い医師生活シリーズ」ではありえん展開だと思うので、イクスンとの恋は最終的には上手くいくはず(と信じている・・・)。
【今週のイクジュン】
手のひらにハングルの母音を書いて&口の形と合体させて、「와 わぁー」や「어 おー」を表現する場面。
ソンファと同じく、お腹を抱えて笑ってしまった。
ハングル勉強中の身としてはとってもツボでした。
トップ画像:tvN「賢い医師生活2」公式サイトより引用http://program.tving.com/tvn/doctorlife2