超パーフェクションについて(個人的考察メモ)
こんにちは。少し前までShadowverseで競技プレイヤーをしていて、今はポケモンカードゲームの競技プレイヤーで、チーム雷炎無双に所属しているMintです。成績としてはCSP195pで146位(2020/2/19現在)なので、まぁそこそこの中堅プレイヤー、といった感じでしょうか…
今回は「超パーフェクション」についての考察をテーマにした記事を書きました。約1ヶ月の間様々な形で使用してきたので、言語化の練習も兼ねて、使用リストと構築意図を振り返りたいと思います。本稿はあくまで個人的な思考を形に留めておくものなので、拙い文章にはなると思いますが読んで頂けると幸いです。
また、本稿は全て無料記事となっておりますので、全文無料で閲覧して頂くことが可能です。時間を使って読んで頂くからには満足していただきたいので、何か不明な点や分かりにくい部分があれば、TwitterのDMにてご質問頂ければ幸いです。
それでは、以下が本文になります。
前提
前書き程度に本稿内での「超パーフェクション」についての定義付けをしたい。なぜなら、そもそもデッキ自体の認識に差異があると、筆者の意図するところを読者に伝えることが困難になると考えるからだ。
では本稿内の「超パーフェクション」とはどういったデッキであるか?
1.ミュウツー&ミュウGX(以下MM)が複数枚採用されており、超タイプのポケモン(もしくは超タイプの必要エネルギーを要する技を持つポケモン)主体のデッキであること。
2.採用エネルギーは基本超エネルギーとオーロラエネルギーの2種類であること。
3.現行スタンダードレギュレーションに則したデッキ構築であること。
以上の3つを満たすアーキタイプを本稿では「超パーフェクション」と定義する。これには、超タイプのエネルギーのみを使用したデッキやエクストラのデッキ(こちらの勘違いはほとんどないかもしれない)ではないということを明確にするという意図がある。
また、同じ超パーフェクションの中でも私個人としては3タイプあると考えているので、その3タイプについてもそれぞれ定義付けしておきたい。
Aタイプ:サーチ系のカードがクイックボール4、ミステリートレジャー4の
みの構築。ポケモンの採用数が多く、幅広い対面に対して一定の勝率を出せるように構築されているが、その反面デデンネGX等のGXポケモンやカラマネロの進化ラインに触る札が少なくなってしまうことで、安定感は少し落ちているように感じられる。幅広く器用に立ち回れる反面、選択肢を与えられないようなどうしようもない負け方をしてしまう事がある構築だ。
Bタイプ:サーチ系のカードが、前述の8枚に数枚追加されている構築。一般的にはプレシャスボールやポケモン通信が採用されていることが多く、稀にしんかのおこう等のサーチカードが見られる場合もある。Aタイプに比べると安定してデッキが回るようになるが、採用したいカードに対してデッキの枠が足りない場合が多く、ある程度の対面は割り切ったデッキ構築になってしまうことがある為、見当違いの仮想敵を立てて構築してしまうと、環境にマッチしていない弱いデッキになる場合がある。
Cタイプ:サーチカードやドローサポートの代わりにジラーチとエスケープボードを採用し、A.Bどちらの弱点もある程度補った折衷案のような構築。直近のシティリーグではジラーチシステムと共にあとだしハンマーを複数枚採用した後手型超パーフェクションも見られたが、それもこのCタイプに入ると考えている。
以上の3つが、私個人が分類した超パーフェクションの3タイプである。大きな枠組みとして、現状ほとんど全ての構築がどれかのタイプに属するのではないかと考えている。どれも一長一短で、どれが優れているかは人によって意見が分かれるだろう。このように様々なタイプが見られるのも、この超パーフェクションというアーキタイプが流行している一つの要因かもしれない。
実際に使用したデッキリスト
では、私が使用してきたデッキのタイプはA.B.Cのどれなのか。答えはBだ。理由としては1つ。参加予定の大会にどうしても勝ちたかった為、その大会の環境を読んでデッキを構築したからだ。その参加予定だった大会というのが、2/8に開催された「桃屋杯」である。では何故この大会で勝ちたかったのか。その理由は3/8に大阪で開催されるシティリーグにある。一見するとおかしな文章かもしれない。何故2月の大会で勝ちたいと思う理由が3月の大会にあるのか。それはどちらの大会にも「新弾直後の大会」という共通点があるからだ。そういった条件の大会で勝つ為に重要となってくるのが、カードリスト発表~新弾発売までの間に如何に環境を考察し、強いデッキを組めるかという点であると私は考えた。次々回CLの優先権のかかった3月のシティリーグはどうしても勝ちたい。そう思った私は、開催時期や規模がほとんど同じ条件で開催される「桃屋杯」を絶好の練習の場であると考えた。
桃屋杯での使用リスト
上のデッキが実際に使用したデッキリストだ。グレートキャッチャーが不採用というふざけたようなデッキ構築だが、私は本気で勝つ為にこのデッキを組んだ。ゲッコウガGXという超パーフェクションでは少し見慣れないカードも採用されているのも特徴の1つかもしれない。
このデッキの仮想敵は御三家VMAX3種と三神ザシアン、LOの5デッキだ。理由は、環境直後の大会で使用されるデッキは、新弾で新たに出たアーキタイプ、もしくは前環境終盤に圧倒的に強かったデッキの2パターンであると考えたからだ。その為、ピカチュウ&ゼクロムやパーフェクション系といった前環境Tier1.5~2くらいの感覚(大会結果などを見た主観)のデッキを持ち込む人間は少ないだろうと判断した。インテレオンVMAXに対して弱点を付き、且つパルスワンVによって強化されたピカチュウ&ゼクロムデッキは正直不安要素ではあったが、こちらも一定数いると予想した三神ザシアンに負けてくれるだろうという希望的観測から、これらのデッキの対面は少し切り気味にデッキを構築した。結果は以下の通りである。
1回戦 インテレオン 〇
マリィナイトウォッチャーで破壊
2回戦 Cインテレオン(凱さん) 〇
コントロールデッキ 初手アゴアクジGXからマリィナイトウォッチャーで人形流しながら、フードミュウミュウがカエループして最後フォトンゲイザーでフリーザー倒して勝ち
3回戦 ピカゼク (みやししさん) ×
相手のミスでイカ落ちず、サイドレース的に勝ちを確信したタイミングで、ライライ 付け替え×3 マリィ 前逃げてタンデム喰らって、山に2枚残ってる入れ替えが山底4枚に沈んで負け 主人公
4回戦 エースバーン 〇
初手溶接工から3エネ加速してイカ落ちる→VMAXになって170出したタイミングでオロヨノGX撃った後相手溶接とエネ揃えれず、前ジラーチ願ってるだけだったので、ベンチ狙いつつ後ろでMM育てて5エネフォトン420で勝ち
5回戦 コケコドール 〇
ナイトウォッチャーでハンド破壊しながらサイドレース優位に進めて、ハンド0エレキホイール→コケコ前のタイミングでビリリターンGX→ナイトウォッチャーで200削る その後ベノムシュートで勝ち
決勝T
1回戦 超MM ×
初手にプレシャスデデンネ2ドロサポ3がダブついてデデチェンジ嫌がったのをマリィで底に埋められて、ナイトウォッチャー連打で何もできず負け 反省。
結果はベスト16で敗退。見事に切っていた対面に負けていることが分かる。この大会で学んだことは、極端なメタ読みや尖った構築は諸刃の剣であるということだ。運良く仮想敵ばかりに当たれば良いが、それ以外のデッキを踏んでしまった時のリスクが余りにも大きすぎた。今後はこのような構築はしないように心掛けたい。
具体的な反省点が見えただけでも全力で発売前から取り組んだ甲斐があったというものだ。
ちなみに、ゲッコウガGXの仕事は、VMAXポケモンや三神に対してMMがワンパンされない状況(おまもり)を作りながら打点を入れて、返しにダメカンを乗せられたタイミングで山に帰るというもので、練習段階では、三神のGX技をクリアビジョンGXで止めた後に、この流れで三神を倒し、適当な非GXポケモンの裏で次のMMを育てて、相手のザシアンやベンチのポケモンを狩って勝ちというパターンがとても強く、このギミックで大会に行くことを決めた。
その後のリスト
桃屋杯直後から、ジラーチ特化型のリストに最近は可能性を見出している。理由は、アブソル採用率の低下である。CL愛知前後の環境では、ほとんど全てのデッキにアブソルが採用されていたが、メタカードのアブソルに対してのメタ的な風船ギミックの一般化により、採用率が低下したように考える。直近のシティリーグ等の大会戦績を見ても、アブソルが採用されているデッキは多くない。そうなればこのジラーチというカードはやはり猛威を振るうのではないかと感じる。
このデッキのコンセプトはジラーチでスタートした試合で真価を発揮する。先手であればサーチカードを1枚多く持ってきてカラマネロラインやGXポケモンの技の準備をすることができる可能性が高まり、後手であれば、相手視点では何のデッキか分からず、とりあえず準備する為にとベンチに出てきた
相手のMMが大きな勝ち筋に繋がる場合もある。少し極端な構築だが、スタートしたいジラーチは4枚投入し、次点でスタートする可能性の高いマーイーカに対して安くエスケープボードを付けられるように、ジラーチボードラインは4-3の採用となっている。また、ジラーチから触れないエネルギーの部分は出来るだけ減らさず、7-4ラインという比較的初手でも引き込みやすい枚数の調整になっている。欲を言えばお守りやうねりはもっと枚数が欲しいので、その辺りの調整はまだまだ詰め切れていない未熟なデッキだと言える。
今日超パーフェクションでシティリーグに出るなら
今日これからシティリーグだと言われて、超パーフェクションを持ち込むとしたら私はこのようなデッキを持ち込むだろう。超パーフェクション、ピカゼク、LO辺りが多そうなので、フーパ、ラティオス、アゴアクジ辺りでそれぞれ対応していくことになるだろう。
フーパに関しては、大きなおまもりを付けることでナイトウォッチャーを1発耐えられる性能を持っている為、ミラーでの活躍が期待されるポケモンだ。1発でオーロットヨノワールを気絶させることは出来ないが、取られるサイドの差がかなり大きく、おまもりまでつけることが出来れば優秀なアタッカーとしてゲームの展開を大きく動かす存在になり得る。
各対面ごとの簡易的な立ち回り
対超パーフェクション
超パーフェクションミラーは知っての通りMMは出し辛い。超タイプが弱点の為だ。そこで重要となるのが他のアタッカーの存在だ。アタッカーとしてオススメなのは、オーロット&ヨノワールGX(以降オロヨノ)、ウルトラネクロズマGX(以降ウルネク)の2種類だ。まずオロヨノは悪弱点なので、相手のMMの弱点を一方的に付くことが出来る。しかし、相手もそう簡単にMMを出しては来ない。そこで、他のTAGアタッカーに対して無類の強さを誇るのがウルネクだ。ウルネクのHPは190と高く、TAGGXが1撃で倒せる技がポルターガイスト(4枚以上)しか存在しない為、かなり厄介な存在になるカードだ。お互いにこの事を知っている場合には先にウルネクが準備してTAGを落としてしまった方が今度はウルネクを落とされて一気に辛くなる。といった展開が良くあるので、オロヨノの弱点を付いてこの流れをよりスムーズに進めるようにする為に、フーパやアブソルの採用を検討しても良いのではないかと考えている。原案ではアブソルだったが、フードや風船で比較的簡単にケアされてしまうので、いっそフーパを入れてナイトウォッチャー+あくのいましめで相手のオロヨノを先に倒しながら、且つ前がフーパという状況を作るのはどうかというアプローチだ。後攻型超パーフェクションが結果を残したこともあり、対面がアブソルを採用している可能性も否めない為、ジラーチはクッション的な役割での採用となっている(前が倒されたタイミングで一度ねがいぼしから入る等)。ジラーチ採用型の超パーフェクションが一定以上居そうなら確実にフーパではなくアブソルになりそうだが、どこまで環境が進むかが楽しみだ。
対ピカゼク
ピカゼク対面で重要になってくるのはタッグパージだ。以前まではエレパを1枚ラティオスGXに切らせることで、お守りを付けたMMがタッグパージを撃ちだすと止まらないという状況が簡単に作りだせたが、今はパルスワンVが居るということもあり、なるべく早い段階で相手のピカゼクは倒しておかなければならない。とはいえ基本戦術は変わらず、タッグパージから展開していくことになると考えられる。以前まではサンダーボルトやアサルトサンダーをミラクルツインGXで回復していた対面かもしれないが、今はそんなこともなく、どこでペイルムーンGXやホラーハウスGXを撃つかが重要になっている気がする。
対LO
LO対面は基本的に山を掘りに行く動きをすべて止め、引けたらラッキーくらいの感覚でカラマネロラインや隠密フードを探しに行く試合展開になりやすい。そんな時に強いカードが、アーゴヨン&アクジキングGXのカオスオーダーGXだ。私はこの対面はこのGX技を撃つのが一番強いと思っているので、もう撃てるなら2ターン目に撃って、デッキとサイド全てで戦えるように場を作り出すようにしている。また、マリィ+ナイトウォッチャーのコンボで数ターン止める事も出来る対面である為、比較的勝ちやすい対面であると認識している。
あとがき
最後まで読んで頂きありがとうございました。まだまだ無名のプレイヤーなので、簡単な名刺代わりになれば嬉しいです。感想や質問等あればTwitterのリプかDMまでお願いします。拙い文章を最後まで読んで頂き本当にありがとうございました!