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【参加記録】第8回東京エクストリームウォーク100(2024/5/18-19)

初めて100kmウォークに挑戦した時の記録です。
!読了まで約10分かかります!

大会概要

日程:2024/5/18(土)〜5/19(日)
スタート時間:7:30〜順次
制限時間:26時間・24時間(選択可)
コース:小田原城址公園〜明治神宮外苑 100km
※主たるルートは国道1号と国道15号(第一京浜)

エイド:5箇所(24km、35km、56km、70km、88km)
参加賞:タオル、LEDバッジ、ワセリン
完歩賞:Tシャツ、記録証
参加費:18,000円

準備

1度きりの参加のつもりだったので、装備品は手持ちのものでなんとかするという前提で準備を進めました。
気持ちの面では「無理はしない」を一番にしたかな。不安しかなかったので。
それと、仕事面では月曜日を有給休暇申請しました。

荷物

※参加者の中では大荷物の部類だと思います※
リュックはモンベルのロゼパック20、20L入る大きめのものです。
手持ちのリュックで外を歩けそうなものがこれしかなかっただけで、もっと小さくて良いと思います。

中身については別途、投稿しようと思いますので、本投稿では写真のみといたします。

左:リュックに詰めたもの
真ん中:当日着用したもの
右:預け荷物(塩けんぴは妹へ渡すもの)
前日に買い足し、持って行ったもの。(つぶあんデニッシュは妹に頼まれたもの)
テーピングは当日の朝巻いて、持ち歩かず。

お分かりの通り、かなりの量の食べ物を持って行きました。黒飴・グミ・ナッツ以外は食べたと思います。
TXW100については、コース上にコンビニが多いので食べ物は持って行かなくても大丈夫!ですし、持って行くにしても、量は人によります。
わたしはこれだけ食べてエイドも完食した一方、妹はエイドすら完食していません。
食い意地が張っている、というのは大いにありますが、それとは別に、「固形物を受け付けられるかどうか」の違いがあるのではないかと思いました。

◆靴
HOKAのRINCON3にスポーツ用の中敷きを入れました。
手持ちのランニングシューズで臨む予定が、100km歩いたら壊れそうな状態(8年前に購入!)だったためです。
TXW100のために新たに買わない、という信条はあったものの、身体が第一です。
スポーツショップで相談して一番自分にしっくり来たものを購入しました。1時間くらい悩んだと思います(笑)

◆暑さ対策
当日の最高気温予報は25度。
冷感タオル(水につけると冷たくなるタイプ)と爆冷スプレーに助けられました。スプレーはミニサイズ1本あれば十分。暑さ対策には必携です!


預け荷物

着替えとサンダルをお願いしました。
着替えやすいように、とワンピースを準備したものの、ゴール後に着替える気力はなく、そのままの格好で帰宅しています。

その他

各エイドの到着時刻目安を作りました。
「制限時間26時間ギリギリでもいいから、必ず完歩しよう」との思いで、無理せず歩ける速度を考えました。
以下想定で作成しています。第4CP以降、ガクンと速度が落ちていますが、最後の方はもうまともに歩けないかもしれないと想像していました。
・スタート〜第2CP  5km/h
・第2CP〜第4CP  4.6km/h
・第4CP〜第5CP  4km/h
・第5CP〜ゴール 3km/h
・各CPでは30分休憩する
・50km地点(戸塚駅)に19:15に到着する
・ゴールは日曜9:30到着目標

左が実際に持ち歩いた紙です。
真ん中と右は結果。

スタートまで

7:45頃のスタートということで、7:00頃に小田原駅に着く新幹線で向かいました!
小田原前泊案もありましたが、気づいた時には高い価格帯のホテルしか残っておらず、断念。
前泊したい方は早めにホテルを予約しましょう。

会場に到着したら、受付を済ませ、荷物を預けます。
写真スポットもあって少しはテンションが上りましたが、ここから先に何が待ち受けているのかわからず、ずっと不安でした。

ここまで来ても不安いっぱいのわたし(手が曲がっているのは不安のせい?笑)と大興奮の妹

道中

ここからは写真を中心に振り返ります。
まずは第1CPまで。余裕があるので二人で話しながら歩きました。ケラケラ笑うシーンもあり、楽しかったです。
ただ、思い返すと、こんな序盤で話すことに体力を使うべきではなかったですね……。

歩道橋上がった瞬間、「わぁっ」と声が出ました。
スタートしてから何度か富士山が見えましたが、初めて綺麗に見えた富士山スポットだったかも。
第1CP手前のコンビニでパピコを購入。
身体の中から冷えて良かった。キウイ味で果肉が入っていたのも◎

コンビニから程なくして第1CPに到着(12:20)!

エイドはペットボトルのお水とカレーパンです。

第1CPはまだまだ元気で、足の痛みも疲れもほぼなかったため、10分程の滞在で出発しました。
次に目指すは第2CPの江ノ島付近です。

道路〜第1CPは砂浜を歩いて往復……。
富士山が見えていたからまあいいか、と思えましたが、それなりに距離があって堪えました。
海辺のサイクリングロードを歩きます。
堆砂がひどく、半分砂浜のようでした。「5/20(=翌々日)に堆砂除去を行う」と書かれており、あと少し早くやってもらえたら……と何度思ったことか。

海沿いは日陰がなく暑いし、景色があまり変わらないしで、精神的にきつかったです。
振り返れば熱中症になりかけていたのかも。
何度も爆冷スプレーをし、塩分タブレットを食べ、必死に歩きました。

ヘロヘロになりながらも第2CPに到着(14:45)!
2人ともHPはほぼゼロでした……。

ジュースはりんご、ぶどう、グレープフルーツ
おにぎりは昆布、おかか、明太子、たらこ、ツナマヨ、もう1種類あったかな?
パイ風お菓子は小倉あん、栗あん

ここで持っていた腰ベルトを装着!筋トレ時に使用しているベルトです。
重すぎる荷物を背負っていたので、ここで装着したのは正解でした。

20分ほど滞在し、第2CPを後にします。
次は第3CPに向かいますが、その前に50km地点の戸塚駅を目指します!

35km部門のゴールも兼ねているからか、華やかなCPでした。
ずっと遠くに見えていた江ノ島がすぐそこに!
箱根駅伝でも有名な「遊行寺の坂」を登ります。
このあたりからエキスパートクラス(制限時間24時間)の方々に抜かれ始める。
ここまで電車で来ましたか?と思うほど、颯爽と歩いていかれる方々。平地を歩くように坂を登る方々。異常だと思いました。笑

18時頃、戸塚駅が見えました。
19:15到着目標だったので、「1時間も前倒しで着けた!」と笑顔がこぼれます。

50km到達!

ここでコースを外れ、ドラッグストアへ。
妹が「足裏にマメがありそう。テーピングで足裏をグルグル巻きにしたい」とのこと。
手で切れるテーピング、貼るサロンパス、エアーサロンパス、OS-1ゼリーを購入。
ドラッグストアはこの先なかったので大正解◎

戸塚駅通過後から、一気に暗くなりました。
わたしは脚が動かなくなり始め、妹と離れますが、同じ信号で渡れるよう、なんとか頑張ります。
遅い方に合わせるのがキツいことはわかっているので、それぞれのペースで歩きました。
なお、先ほどの購入品を持っていたのはわたしだったので、「絶対に一緒に第3CPに行く」と強い心で踏ん張りました。
無事に一緒に到着(19:38)!

クリームパン、メロンパン、あんぱん、チョコ&クリームパンがありました。
魚肉ソーセージとミニゼリーもいただきました。
飲み物には初めてコーラがおいてあったかも?
こういうの嬉しいですよね!
スタッフさんの気遣いに救われました。

ここで持参したカステラをいただきました。
びっくりするほどパワーが出る!途中、脚が動かなくなったのは、恐らく糖質切れ。あのとき食べるべきでした。

35分ほど滞在し、第4CPに向かいます。
もう真っ暗になっていたので、ヘッドランプを装着します。

保土ヶ谷から横浜へ。
キツい坂を登り降りし、見慣れた景色がチラチラと出てきました(横浜エリアは諸用で妹と一緒によく訪れていたため、土地勘がある)。

なかなか見る機会がない夜景に気持ちが上がる!
自分のライトが明るすぎて笑う。
周りの人よりも明らかに光を放つヘッドランプ。
標識がキラッキラに光っていました。
夜景で急に元気になる姉に対し、疲労で終始無言の妹。
「知っている場所なだけに距離感がわかっていて、第4CPまでの距離を思い愕然としていた」とのこと。
歩きながらバシバシ撮影しました。

そんなこんなで第4CPに到着(23:13)!
ここまで来たら残り30km!絶対に歩き切ろう、と誓います。

よく歩いたな、という気持ちでいっぱいでした。
おせんべいはサラダせん、えびせん
他にバウムロール、チョコレート等

使用はしませんでしたが、テントには横になるスペースが用意されていました。
30分ほど滞在し、第5CPへ向かいます。

ここからはひたすらに第一京浜を歩きます。
日付が変わっていく時間帯。車も人も少なく、お店の灯りも消えていき、街全体が静かになるため、自然と元気も消えていくのでした……。
妹は眠気に襲われていたこともあり、無言。

生麦、川崎を抜け、やっと東京!
疲れ切っている妹の後ろ姿が辛さを物語ります。

この区間は足裏がもう痛くて痛くて仕方がなかったです。蒲田付近で靴を脱いでマッサージしながら進みますが、全く回復せず。
それでも歩みを進め、第5CPに到着(4:00)!

到着は夜明け前。
辛くて泣きそうでした。

辛すぎて写真も撮れなかったようですが、ビスコ(普通の味といちご味)がありました。

こんな笑顔は出ませんでしたが、「最後12km絶対に歩ききろうね!」と誓う。
休んでいる間にすっかり明るくなっていました。

45分ほど滞在し、ゴールへ向かいます。
ここまで来たら制限時間内にはゴールできるという安心感からか、話をする元気が出てきて、2人でここまでの振り返りを始めます。
結論:思い出は得られたが、本当に辛かった。もう二度と出ない。

東京タワーが見えて興奮するも、私たちの目に光は宿っていませんでした。
最後の銀杏並木!
距離を知っているだけに、「最後にこれ?!無理だよ」

ほぼ歩けない状態ですが、20cmずつくらい歩みを進めながらゴール!!!23時間46分でした。
完歩賞のTシャツ(170cm女性、XSサイズにしました)と記録賞をいただき、すぐ、床に座り込むのでした……。

ほぼ1日歩いていました
記録証です。
26時間ギリギリでゴールする想定でしたが、24時間切り!嬉しい!

ゴール後

着替える気力はなく、足裏をとにかくマッサージしました。
原因不明のかぶれがあり、まずは靴下を脱ぎます。痒くて仕方なかった。そして、足(脚)はパンパンに浮腫んでいました。
(汚い写真で申し訳ありません)

足首付近と足に原因不明のかぶれがありました。
足首付近は第3CPで痒みに気づいたのですが、気にしないようにしていました。
かぶれは1週間後には綺麗に消えていました。

帰宅後はすぐに全てを洗濯機に入れ、入浴。汗と砂と埃で汚れていたので、サッパリ!
眠くて仕方なかったので、仮眠したところ、11時から16時まで爆睡でした。

ご参考までに…
仮眠後、起き上がってから歩き始め数歩は怪しい動きなものの、歩き始めればおかしなところはありませんでした。
また、翌日以降、筋肉痛や足裏の痛みは一切ありませんでした。元気なものですね!
ただ、頭が回らず、有給休暇にして良かったと思いました。

感想など

完歩できた要因(考察)

この大会は完歩率81.5%でした。
リタイアした方もいる中で、なぜ初参加で完歩できたのかを考えます。

◆精神面
①2人で歩いたこと
喜びも辛さも共有でき、完歩に向けて励まし合うことができました。
ウルトラウォーキングは身体面のみならず、精神面も考慮する必要があると感じています。
特に初参加の場合、「なぜ高い参加費を払って、辛いことをしているのだろう」と考えてリタイアに至ることを絶対に避けるべし!

②同行者が無言でも耐えられる相手だった
100kmを初めて歩いてみると、極限状態とまでは言いませんが、心身ともに非常に辛い状態に追い込まれます。
話す体力すらなくなったり、眠気に襲われてしまったり(妹は大変そうでした)。
誰かと歩くのであれば、無言の時間に耐えられる人がおすすめです。
ただの無言の時間だけでなく、相手が疲れや眠気でイラついているのが明らかにわかる無言の時間もあります(もちろん、自身も相手にそう思われるわけで)。そういった時にもグッと堪えられる、また、堪えてもらえる相手であることが大切です。
もし、友人や会社の同僚等と出場していたら、今後の関係に亀裂が入っていたと思います。苦笑

③各CPへの到着時間目安が自分達に合っていた
計画は普段の歩行速度をベースにした無理のないものとしました。
実際は計画よりも少しずつ早く到着できています。
これは完全に想定外でしたが、この「計画よりも○分早い」というのが、心の支えや達成感に繋がりました。
計画より遅いと焦りますし、ピッタリでも「遅れたら終わりだ」とどきどきしてしまいます。自分たちにとっての「丁度良い速度」の計画が大切です。

なお、当日は計画を意識しながら歩いたわけではありません。速度を計測できるものを持っていなかったため、意識しようにも難しかったのです。
したがって、普段の歩行速度より僅かに早い程度で歩いていきました。
速度を気にしたのは第4〜5CPの間のみ。疲れていると、思っているよりも遅い速度になるので、焦りがありました。
妹は瞬時に計算ができるので(すごい!)、距離とかかった時間を伝えて計算してもらいました(今思えば、電卓を使えば良かったのでは?)。

◆身体面
①糖質の補給ができていた
途中、脚が動かなくなるタイミングもありましたが、基本的には止まることなく動き続けられました。これは恐らく糖質のおかげです。

②足裏のケア
24時間近く歩いてもマメができなかったのは、以下が要因と思います。
・自分に合う靴だった
 →これが一番大きいです。妹はここがNGで大きなマメを複数作っていました。
・自分に合う靴下だった
・ワセリンを各CPで塗り込んだ
・マメができそう、と思った箇所はバンドエイドで保護

③腰ベルト
わたしは荷物が重すぎた(約5kg)ので、腰にかなりの負荷がかかっていました。姿勢を正してくれる腰ベルトを巻いたことで、腰への負荷が軽減され、歩き続けることができました。

フォトブックの作成

無事にゴールしたら、記念にフォトブックを作ろうと決めており、早々に作成を始めます。

作成にあたり、事前に妹と写真を共有し、記憶が新しいうちにお互いのコメントを書き込んでおきました。
長くてキツかった24時間の振り返りですね。
フォトブックが手元に届いたら、そのコメントをマジックで記入していきます。

デジタルの時代に敢えてのアナログ。思い出がカタチとして残り、妹は大喜びしてくれました。
作って良かったです!

心境の変化

終了直後は「精神力は得られたし、妹と唯一無二の思い出も作れたけれど、もう出ない」という気持ちでいっぱいでした。
しかし、日が経つにつれ、「辛かったけれど、楽しかった」「また出てもいいかも」「もう一度出たい」と心境に変化が現れます。

自分の足で100km歩いたという達成感や清々しさは格別でした。また、1日中屋外にいることで感じ取れる空気や景色の変化は、この「競技(言葉は適切ではないように思う)」ならでは。それらをまた味わいたいと思うようになってきました。
そう思えたのは、身体のダメージが思いのほかなかったからかもしれませんが……。

妹に誘われ、何度も断って仕方なく出場したTXW100でしたが、これをきっかけにウルトラウォーキングの魅力に取り憑かれ始めたのでした。

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