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2025年度 大阪大学 工学部 電子情報工学科 電気電子科目 編入合格体験記

2025年度の大阪大学工学部編入試験に合格したので体験談を書きたいと思います。自分は偏差値が低い高専に属しており、自分の周りに編入を希望する友達がいませんでした。その状況での編入勉強はとても辛く、自分と同じ境遇にいる人に向けて書こうと思います。自分は阪大受験生の勉強過程の平均的なところを辿ってきている(楽でも超ハードでもない?)と感じているので参考にしやすいのかなと思います。


注意

本体験記では、阪大の編入試験に関する知識(選択専門科目や各教科の配点など)についての説明を自分が選択した教科くらいしか書かないので、ある程度理解していることを前提として書いています。所々でこの知識を前提として書くことがあると思うので、あんまり阪大の受験に関して知らないよって方はアオミドロさんが丁寧に誰にでも理解できるように書いているので、下のリンクから予習してきてください(ごめんなさい面倒なだけです😭)。
https://aomidro.hatenadiary.com/entry/2023/11/27/174037


自己紹介と受験大学と結果

◯出身
米子高専 / 電気情報工学科(今年が最後の代)
◯席次
1年 2位
2年 4位
3年 1位
4年 1位
◯TOEIC
775(3年11月, R 375/L 400, 提出)
◯受験校
大阪大学 工学部 電気情報工学科 電気電子工学科目(合格)
◯併願校
東北大学 工学部 電気情報物理学科 推薦(不合格)
岡山大学 工学部 情報・電気・数理データサイエンス系 エネルギーエレクトロニクス(合格)


1〜2年

1年の時はバスケ部に所属し学校終わりにバスケを楽しんでいました。しかし先輩とうまくいかず辞め、IoTのイベントに参加して人数カウンターを作ったり、1年の11月くらいに英検2級を取得したりしました。この時からほんのり編入を志望していたので定期テストの勉強は一週間前から勉強するようにしていました。阪大に提出する調査書の点数は200点分あるためしっかり定期テストで点数を取ることをお勧めします。
編入勉強に関しては特になしです。
2年の時は課外活動も部活も本当になにもしておらず、学校に行ってはスマブラを友達とやりまくり帰るというTHE高専生みたいな学校生活を送っていました。この時も定期テストの勉強は1週間前からするようにしていました。


3年

3年から専門科目が増えてきて授業が難しくなり、物理でベクトルを用いたり、数学で微分方程式や固有値を扱うようになりました。授業の内容を授業だけでは理解しにくくなったのでヨビノリを見まくって勉強しました。また、ここで物理のかっこよさ、楽しさに気づき授業とは別で勉強するようになりました。兵頭先生の考える力学や電磁気学を用いてベクトルで物理を学びました。ベクトルで力学や電磁気を学ぶのは他の物理的な学問に応用できるし、本当に重要なことだと思います(かっこいいし)。この時の経験が本当に編入試験に生きていると思います。

3年の夏休みにはTOEICをとるぞ!っと意気込み物理の勉強を完全に止め、英語だけを集中的、短期的に勉強しました。勉強期間は2ヶ月くらいだと思います。英検2級を取得している状態からであると集中的に勉強すれば2ヶ月で775点くらい取れますが、普通は難しいです。英検2級の実力がないと思う方は基礎から見直さないとTOEICは伸び悩みます。3年の11月に775点を
取得しこのTOEICを阪大工学部に提出しました。ここから4年の春休みまでは編入勉強はしておらず「考える力学」と「電磁気学」を読み進めていました。ヨビノリや物理を好きになったくらいから編入を強く意識するようになりました。そのため、定期テストの勉強は2週間前から取り組んでいました。物理を好きになったおかげで定期テストの物理に割く時間を減らすことができ、全体的な点数の向上につながったと思います。数学、物理、英語、専門教科のどれかを好きになると編入試験にアドバンテージが得られると思うので、受験生の皆さんはこの4つの教科いずれかを好きになりましょう笑

◯3年の時に取り組んだ参考書
兵頭先生の考える力学
兵頭先生の電磁気学


4年前期〜夏休み

ここら辺から本格的に編入勉強が始まりました。春休みは物理に取り組んでおり数学に全く手をつけていなかったので、4年の前期が始まると同時に「編入数学徹底研究」に取り掛かりました。全編入受験生が一番最初に解く参考書だと思いますが、むず過ぎて1周終わったのは11月くらいです笑
「徹底研究」と並行してマセマの「線形代数」を進めていました。マセマをやったおかげで線形代数に関する理解が深まったと思います。
4年前期の編入勉強はこれくらいです。個人的には少ないのかなと思います。
定期テストの勉強は2週間前からしっかり取り組んでいました。

夏休みは、「徹底研究」を毎日ぼちぼちやりながら地元に帰ってくる友達と遊び散らかしました。またUni-KOSENのイベントに参加し編入勉強のモチベーションを高めました。この時、東工大へ編入を成功させた編入生の話を聞いて感化され、一時的に東工大志望になったのですが化学を勉強してみたところ膨大な暗記をしないといけないと悟ったため大人しく阪大志望に戻りました笑
インターンシップにも参加する予定だったのですが前日にインフルに罹り断念することになりました😭(インターンシップに参加しなくても編入試験は受かります)

◯4年前期〜夏休みの時に取り組んだ参考書
編入数学徹底研究 : 1周目(応用数学、統計を除いた)
マセマの線形代数 : 1周完


4年後期

夏休みが終わり後期が始まりましたがここから学校の行事のことで忙しくなりました。11月に行われる高専祭のために自転車発電を作成することとなり、そのリーダーに選ばれたためオルタネーター(発電機)であったり、インバータであったりを調達しないといけないことになってしまいました。そのため高専祭までの期間約1ヶ月はポスター作りをしたり解体屋に出向いたり準備でほとんど勉強することができませんでした。しかしこの経験は高専でしかできないものですし、やってよかったなと思っています。これがきっかけでパワエレに興味を持ち、そっからパワー半導体…自分の興味や勉強したいことに繋がりました。
高専祭が終わり編入勉強を再開しました。ここら辺でやっと「徹底研究」が1周終わりました。2周目に入るのと同時に「編入数学過去問特訓」を始めました。「過去問特訓」は「徹底研究」が大方理解できていれば初見でも8割くらい解けると思います。しかし第1章のC問題とベクトル空間の章は例外です。あいつらはむず過ぎます。阪大はベクトル空間が出題されないので正味やる意味ないと考えていますが、第1章のC問題は一応やっておくべきではあると思います。編入試験でC問題レベルが出題されたら多分ほとんどの人が解けないと思いますが…後期が終わるまでに「過去問特訓」を1周、「徹底研究」の2周目を終わらせられたかなと思います。
この時点で応用数学と統計には手を付けておらず、後ほど上げる「マセマの複素関数」や「高専シリーズの確率統計」などの参考書で基礎が固まってから解こうと考えていました。
定期テストの勉強はもちろん2週間前からしっかり取り掛かりました。

◯4年後期の時に取り組んだ参考書
編入数学徹底研究 : 2周完(応用数学、統計を除いた)
過去問特訓 : 1周完(応用数学、統計を除いた)


5年春休み

5年春休みは一番勉強しました。この時期に勉強できるかできないかで差がつくと考えています。朝9時に塾に行って夜7~9時の間に家に帰るという生活を送っていました。5年春休みは物理に手をつけ始めました。「大学生の初等力学」「大学生の電磁気学」それぞれ2周はしました。この時は基礎工や神戸大を受ける予定だったので力学を勉強しましたが、阪大工学部を受験する際に力学を使わない人は勉強しなくても良いと思います。私が受けた岡大の電気学科の物理は多分電磁気しか出ないと思います。
基礎工を受ける予定だったので「細野真宏の確率が本当によくわかる本」を2周しました。しかし、ここで確率の応用問題が全然できるようにならなかったので基礎工学部は諦めることにしました😭ですが、工学部を受けるにあたってこの本に取り組んでいてよかったなと思います。また「徹底研究」の3周目を終わらせ、「過去問特訓」も3周したと思います。3周したと言っても徐々にわからない問題が少なくなってくるので、2周目でわからかった問題だけをピックアップして解いていました。阪大工学部では複素関数が出題されるので「マセマの複素関数」も1周しました。その後「複素関数攻略の一本道」を1周しました。この辺りで「徹底研究」と「過去問特訓」の複素関数に取り組みました。マセマと一本道をやっていればほぼ解けると思います。私は阪大工学部の専門選択科目でコンピュータ工学と電磁気学を選択する予定だったので「論理回路入門」を一周しました。5年春休みに取り組んだのはこれくらいです。

◯5年春休みの時に取り組んだ参考書
大学生の電磁気学 : 2周完
大学生の初等力学 : 2周完
細野真宏の確率が本当によくわかる本 : 2周完
編入数学徹底研究 : 3周完
過去問特訓 : 3周完
マセマの複素関数 : 1周完
複素関数攻略の一本道 : 1周完
論理回路入門 : 1周完


5年前期4月~東北大学入試

5年前期は授業も始まり勉強時間は短くなりました。毎日4~6時間くらい勉強していたのかなと思います(全くやらない日も多々ありました)。5年前期から過去問を解き始めました。自分の好きな電磁気を1日1年ペースで解き始め、数学もある程度勉強していた線形代数、複素関数、微分方程式は解いていきました。コンピュータ工学も論理回路の方だけ解き始めていました。電磁気で分からなかったところは先生に質問したり、「電磁気学演習」黄色の分厚い本を用いて似たような問題がないか探したりしました。数学やコンピュータ工学でも同様なことを行いました。過去問を解くのと同時に統計の勉強を開始しました。まずは「高専シリーズの確率統計」を1周しました。これだけでは足りないと思い「マセマの確率統計」も1周しました。コンピュータ工学ではC言語で記述されるアルゴリズムの問題も出題されるので、まずは「やさしいC」を用いてC言語の復習をしました。1周したのち「Cプログラマのためのアルゴリズムとデータ構造」を使ってアルゴリズムの勉強をしました。こちらの本は1周もしていないです。比較によらないソートの章の基数ソートまでしか見ていないです。過去問はアルゴリズムを知ってさえいれば解ける問題が多かったのでこの本をやっていれば間違いないと言いたいのですが、去年と今年はこの本には乗っていないアルゴリズムが出題されたのでなんとも言えません。5月中旬くらいまで上記のことを行っていました。
5月中旬からは岡大の英語対策のために「工業英検3級対策」を用いて工業系の英単語を覚え始めました。それと同時に、私の場合は東北大学の推薦を受ける予定だったので志望理由を考えたり面接練習や口頭試問練習に力を入れなければならず、東北大学の推薦の2週間前くらいから阪大のための勉強を全てやめ東北大学に受かるよう対策しました。

◯5年前期4月~東北大学の推薦入試の間で取り組んだ参考書
過去問 : 少し
電磁気学演習 : 少し
やさしいC : 1周完
Cプログラマのためのアルゴリズムとデータ構造 : 比較によらないソートまで
工業英検3級対策 : 章末の単語一覧のみ


5年前期岡大入試〜阪大入試

岡大入試のために「過去問特訓」のA問題やB問題や個人的に忘れているなと思うところを復習しました。また「大学編入のための数学問題集」を始めました。この本は高校数学的な問題も多いと感じたため必要そうな問題を抽出して解くといいと思います。見たことない問題を減らすために使いました。数学の復習と英単語を覚えているうちに岡大の入試がやってきたので淡々と乗り越えました(合格体験記書きます)。
ここから本格的に阪大工学部の編入試験に向けた勉強が始まりました。阪大工の確率統計では、ベイズの定理が3年に2度くらいの頻度で出題されるため「ベイズの統計学」を1周しました。この本をしっかり理解すれば阪大工学部の条件付き確率の問題は全て解けると思います。この本を理解した後、阪大工学部の統計の問題を解いたところ確率密度関数に関する知識を必要とすることが分かったため、「明快演習 数理統計」を用いて2変数の確率密度関数の変数変換や確率密度関数の畳み込みのようなもの重点的に勉強しました。また、信頼区間や検定にも対応しているためこの範囲もこの本を用いて勉強しました。阪大工学部はたま〜にベクトル解析が出題されるため「大学院・大学編入のための応用数学」をベクトル解析のとこだけ1周しました。基礎を固めるのに十分な本だと思います。この本は複素関数も取り扱っていたためその範囲も一応解きました。この本を解いた後に「徹底研究」「過去問特訓」「大学編入〜問題集」のベクトル解析のところを解きました。9割くらいは普通に解けると思います。ここらへんで大体阪大工学部の数学で出題される線形代数、微分方程式、複素関数、統計、ベクトル解析は抑えることができたので数学の過去問をどんどん解き始めました。解いた過去問の添削は数学の先生にお願いしていました。コンピュータ工学の論理回路、電磁気学もどんどん解き進めてこの2つの添削も先生にお願いしていました。コンピュータ工学のアルゴリズムの方は明石高専の友達と過去問を共有しながら添削していました。自分はアルゴリズムの方が非常に苦手でしたが彼はアルゴリズムが得意で本当にお世話になりました。本当にありがとう…愛してます。
自分の場合は夏休み入る前に過去問を大体解いてしまっていたので夏休み手前から阪大入試までの期間は、各教科の復習と見たことない問題を減らすような勉強を始めました。教科ごとに書きます。
◯数学
・見たことない問題対策
高専テキストシリーズ応用数学問題集 : 複素関数論とベクトル解析の章
新応用数学問題集 : 複素関数論とベクトル解析の章
複素関数演習 : 実積分に適用する複素関数の問題を解く
YouTuberの「AkiyaMath」が投稿している今週の実積分 : 少し
YouTuberの「わんみん」が投稿している今週の微分方程式 : 全て
新確率統計問題集改訂版 : 信頼区間と検定の章
・復習
過去問特訓 : 線形代数と極値
大学編入のための数学問題集 : 線形代数と極値
明快演習 数理統計 : 上記の範囲
過去問 : 添削された問題と自信がない問題の解き直し
◯電磁気学
・見たことない問題対策
例解 電磁気学演習 : 全て
演習 電磁気学[新訂版] : 少し
・復習
過去問 : 添削された問題と自信がない問題の解き直し
兵頭先生の電磁気学 : 理論的なところの確認
◯コンピュータ工学
・見たことない問題対策
特になし
・復習
論理回路入門 : 章末問題から少し
Cプログラマのためのアルゴリズムとデータ構造 : 過去問でわからなかったソートアルゴリズムの確認
YouTuberの「文系でもわかる!IT勉強会」が投稿しているソートアルゴリズムの説明動画
過去問 : 添削された問題と自信がない問題の解き直し

この内容を阪大入試までに行いました。


阪大入試前日

前日は、9時くらいに米子駅からバスで大阪へ出発しました。バスの中ではアルゴリズムを復習したり寝たり音楽を聞いたり自由に過ごしていました。
12時30分くらいに梅田駅に到着しました。梅田駅で阪大の友達と待ち合わせをしていたので特に迷うことなく移動することができました。阪大の友達じゃなくても良いですが、友達と待ち合わせしておくと気疲れせずに済むと思います。友達と梅田駅で昼飯(ラーメン)を食べてどこにも寄ることなく阪大に近い彼の家に向かいました。友達の家に着き次第すぐに受験会場の下見に向かいました。下見が終わった後は夜飯(おにぎりやナナチキ)を買って帰り、友達の家でゆっくり過ごしました。夜飯は翌日響かないものを食べるようにしました。最後の確認で数学と電磁気と論理回路それぞれ自信がない問題を解いて12時くらいに寝ました。


阪大入試当日1日目(筆記試験)

入試本番の日は、朝7時に起きて準備をしコンビニで一本満足バーを買って会場に向かいました。会場に着いたのは集合時間の30分前でした。すでにたくさんの受験者が集まっており、緊張感が漂っていました。会場の部屋には座席表が掲示されており電子情報は約50人くらいでした。2日目に判明しましたがこの中で電気電子を志望していた人は20人くらいだったと思います。
会場ではtwitterで知り合った友達と会話したり、統計の最後の確認をしたりしました。
まずは数学から始まりました。

数学
問1. 線形代数
少し易化していた?
与えられた2次形式を対称行列で表したり、その対称行列の固有値を求めたり、与えられた2次形式 = 1の時、楕円体になるためのaの必要十分条件を答えたりする問題でした。

最後のaの必要十分条件が微妙にわからなかったのですが、小問1,2は完璧に解けたので7~8割くらいだと思います。線形代数を勉強していれば、誰でも1,2問目は解けると思います。

問2. 微分方程式
めちゃくちゃ易化していました。
単純な変数分離系の問題と同次の2階線形微分方程式の問題でした。

変数分離の方は、高専でも普通に取り扱うレベルで積分も部分分数分解するだけでした。同次の2階線形微分方程式は、特性方程式を用いれば一発で解ける超簡単な問題でした。2問とも完璧に解けたので10割は固いと思います。ここで落とすとかなりまずかったです。本当に微分方程式をちょっと勉強していれば誰でも解けます。

問3. 複素関数
難化していた?
複素関数が与えられていて、その関数の除去可能な特異点と極を求める問題、z = -2でローラン展開した時の複素関数が正則である範囲の正則半径?を答える問題、z = -2でローラン展開した時の(z+2)^0の係数と(z+2)^-1の係数を答える問題、留数定理を用いて複素積分する問題でした。

除去可能な特異点を探す際に計算間違いをしているのと、z = -2でローラン展開した時の(z+2)^0の係数がわからなかったくらいで他は計算間違えしていなければ合っているのかなと思うので8~9割はあると思います。

問4. 確率統計
いつも通り?
確率と統計で分かれていて今回は確率ではもろベイズの定理が統計では2次元のデータが出題されました。確率の問題は乗法定理を使って解いたり、ベイズの定理を使って解いたり問題の内容は忘れましたが誘導に乗って解けばよい単純な問題でした。統計では平均を求めたり、標本分散を求めたり、不偏分散を求めたり、相関係数が-1の時のあるデータの値を求めたり、回帰直線を求めたりする問題でした。

確率の方は誘導に乗るだけなので普通に解くことができ計算を間違えていなければ10割あると思います。統計の方は計算間違いさえしていなければ始めの3問は解けていて、残りの2問はわからなかったので方針だけ書きました。統計の方は6割だとして確率統計は7~8割だと思います。

数学全体では7〜8割くらい取れたのかなと思います。去年に比べて微分方程式が超易化していたのでいつもより平均点は高くなっていると思います。同じ机で試験を受けていた横の子が爆速で解いていてめちゃくちゃ優秀だったので超焦りました。テストでは焦らないように気をつけてください。


数学の後1時間くらい休憩があり、昼飯は阪大の学食でカレーを食べました。
謎にめちゃくちゃ便通が良くなりう◯こが大量に出たため、午後からの専門を気持ちよく受けることができました。午後は電磁気学と、コンピュータ工学です。

電磁気学
易化していました。
問1では半径aと半径bの無限に長い円筒が空間上に存在していて半径aの方の円筒上に電荷が分布している時、なぜ電場は円柱座標系における動径方向にしか存在しないのかを答える問題、a ~ bの電場と電束密度を求める問題、電位を求める問題、半径bの円筒を接地する時の静電容量を求める問題、ここで状況が変わり誘電体が円筒内に挿入される。その時の分極ベクトルを求める問題、面分極電荷を求める問題でした。
問2では円形コイルが作る磁場をベクトルで求めてみようといった趣旨の問題でした。電流素片が点P(0,0,z)に作る磁場をベクトルで求める問題、円形コイルが点Pに作る磁場を求める問題、ここで状況が変わり(0,0,a)の位置にもう1つの円形コイルが置かれた時のa/2に生じる磁場を求める問題、a/2 + Δz に生じる磁場がΔzによらないことを示す問題でした。

出題された問題が基礎的であったり、過去問の傾向通りであったり、過去問の使い回しであったりしたのでほとんど間違えずに解くことができたと思いますが、問1の1番を具体的に答えることができなかったためおそらく9.5割くらいだと思います。去年や一昨年に比べて易化したので得意の電磁気学で点数を離すことが失敗してしまったなと思いました。


コンピュータ工学
論理回路は易化、アルゴリズムは難化?
問1では基数変換やカルノー図に関する問題、
問2では5進カウンタの問題で入力z = 0の時にカウントアップさせ、z = 1の時に状態を維持するような問題でした。
問3ではdptableと書かれた配列が定義されていたり…なんかよくわからないアルゴリズムの問題でした。漸化式をイメージして解いたり?処理過程の結果を書いたり?計算量を求めたりする問題でした。

論理回路に関しては去年より確実に簡単になっており変なミスをしていなければ10割あると思います。え〜アルゴリズムに関しては何にもわかりませんでした!!最後の計算量を答える問題のところにそれっぽいO(n^2)とだけ書いて他の問題は白紙です。あって1割!!従ってコンピュータ工学全体では書いた答え全部合ってて6割かなと思います。

目標にしていた全体で7割は取れたかな?取れてないかな?といったラインだったので受けた当日は受かる自信がありませんでしたが、切り替えて面接で高得点を取ろう!といった気持ちでいました。阪大からはどこにもよらずに家に帰り、友達の家で少しモンハンをやらせてもらって、その後すぐに面接練習を開始しました。私の場合は、東北の時に面接練習はかなりやってきていたので、志望理由の確認をしてイメージトレーニングをするくらいでした。この日は夜飯で一蘭を食べて12時には気持ちよく寝ました。


阪大入試当日2日目(面接)

この日の朝も朝7時に起きて準備をしコンビニで一本満足バーを買って会場に向かいました。会場に着いたのは1日目と同じ30分前でした。この日は誰とも喋らずに集中していました。1日目と同じ会場に受験者全員が集まり、そこから各工学科の科目ごとに呼ばれ別室に移動していきます。この時に、電子情報工学科の電気電子科目は20人くらいいると確認できました。別室に移動したのち、4人ずつ呼ばれ面接室へと案内されました。私は57番だったので1番始めの組でした。面接室の前では、自分の番が来るまで普通に携帯を構うことができ、私の場合はNotionに志望理由や面接で話すことを書いていたので面接の順番が来るまでずっと携帯を眺めていました。
面接では、志望理由、どこの大学を受けたのか、受かったらうちに進学するか、志望理由のちょっとした深掘り、博士課程に進学するかを聞かれました。なんと面接時間は4〜5分くらいでめちゃくちゃ短かったです。電気電子を受けた受験生の間で話題となっていました。

もっと卒研のことや志望理由の深掘りがくると思っていましたが、あっさりした面接でどうやって点数をつけるんだといった感じでした。すでに受かる人が決まっていたのでしょうか…

今年は物理が簡単になっていたらしく電磁気と物理を選択した人が無双しすぎて点差が離れてしまい面接する意味がないと判断したんだ、と面接が終わった後に勝手に思い込み絶望していました。でもこれで受験終わりなんだと思うと頭からやっと、受験の2文字の錘が消え体が軽くなりました。面接後は誰とも喋らず、阪大を後にしました。


合格発表

面接が終了してから1週間くらいで合格発表でした。合格発表は友達の家でモンハンワールドをしながら合格発表の14時まで待っていました。岡大より阪大の方が自分の学びたい専攻に関して幅広く扱っていたため絶対に阪大に入りたいという気持ちでいっぱいでした。阪大に落ちたら勉学に取り組むやる気を失うくらいの気持ちでした。14時ちょうどに合格発表を見ました。
まず50番台は何人受かっているのかを確認したところ、3人しか受かっておらず落ちたな…と一瞬萎えました。もうどうでもいいやっと思い確認したところなんと57の数字があり友達の家にいながら雄叫びを上げてしまいました。(友達のお母さんうるさくしてすみませんでした😭)
3年の時くらいからずっと大阪大学志望だったので(ちょっと浮気したけど)本当に努力が実った感じがして嬉しかったです。

その後、過去問を添削してくださった先生方に感謝と受かったことを伝えました。先生方は大変喜んでくださいました。家族にも報告したところとても喜んでくれてよかったです。おばあちゃんは泣いて喜んでくれました😭ずっとお世話になった塾の先生にも報告し感謝を伝えました。


成績開示

9月13日に成績表が届きました。

成績表

予想通りボーダー(最低点)は昨年に比べて高くなっていました。
自己採点通りだとすると、
TOEIC775点 → 約7.7割 : 115.5/150
数学 → 7,8割 : 140~160/200
電磁気学 → 9.5割 : 95/100
コンピュータ工学 → 5割 : 50/100
4つの合計 : 400.5~420.5点
になる。

すなわち
面接点と調査書の合計 : 269.5~289.5点
と考えられる。
面接点はつけようがないので、受験者一律で100点とすると
面接 : 100/100
調査書 : 169.5~189.5/200 
となる。
調査書の点数が70点くらいだったら落ちてたかもしれない…
やはり、調査書は重要であることが分かる。受験生は四年生の定期テストを真剣に取り組もう。

使用した参考書と所感

数学

やっぱり編入数学のための参考書として1冊目はこの本がおすすめできます。youtuberのわんみんさんが例題を全て解説してくれているので進めやすいと思います。第1章の章末問題が1番難しく私はここで挫折したくなったので、1周目の時は章末問題をやらなくてもいいかなと思います。正味第1章の問題は編入試験にほぼ出ないんじゃないかなあと考えたりもしました。

2冊目はこの本がおすすめです。徹底研究をある程度理解できていればA問題B問題は大方解けるようになっています。1章のC問題は鬼むずなので答えを確認しながら解くとよいかも。

この本は知らない問題をなくしたい時に解くと良いですね。解説も上記の2冊より非常に丁寧でわかりやすく考え方の参考になるものが多いイメージです。また問題を解くコツなども記載されていてめちゃおすすめです。この本を1冊目にしても良いと思います。

この3冊は複素関数と線形代数と確率統計の全体の大まかな理解をするために使用しました。ユーモアの溢れた参考書で容易に理解できるし、3日くらいで1周できるので基礎を固めたい時におすすめできる。

この本はマセマの複素関数を1周した後に使用しました。色々な演習問題があり、この本のおかげで阪大工学部の問題が解けるようになりました。留数の求め方のコツであったり、特異点が二つある時の場合わけを必要とするローラン展開の方法であったり、今年の複素関数論で初めて出題された除去可能な特異点の求め方であったりこの一冊があれば阪大工学部で出題される複素関数論の範囲は大体網羅できてしまいます。やった方が良いです。

この本は演習問題が豊富にあり見たことない問題をなくす対策のために使用しました。実積分を解くために複素関数を適用する問題をピックアップして解いてました。一本道よりはおすすめ度が下がるけどおすすめ。

この本は同じ阪大に編入した友達におすすめされて主にベクトル解析の基礎を固めるために使用しました。基礎的な問題はもちろんあるが、過去問特訓や徹底研究とは一味違う問題がいくつもあり応用力をつけるのに良い本でした。複素関数の演習問題も多くあり非常に力の付く一冊でした。この一冊をしっかり理解すれば阪大のベクトル解析の問題は解けるようになると思います。

この本はベイズの定理を理解するために使用しました。初歩の初歩から丁寧に教えてくれるので絶対に理解できるようになると思います。この本を理解さえすれば阪大のベイズの定理を用いる問題は普通に解けるようになると思います。ベイズの定理は良く出題されるので絶対にやるべき1冊です。(来年は出ない気がしますがね…)

この本は主に連続型の確率密度関数の理解を深めるために使用しました。1変数の変数変換や2変数の変数変換、畳み込み積分みたいなやつなど色々な問題があって連続型の理解を深めるために十分な本でした。統計や検定の問題も豊富に揃っているのでこの1冊は見たことない問題をなくすために使うと良いかもしれないです。統計に自信がなかったり余裕があればすればいいと思う。

この2冊は見たことない問題をなくすために使用しました。ベクトル解析と複素関数、推定と検定の範囲だけやりました。余裕があればやれば良いと思います。

電磁気学

この本は電磁気学をベクトルを用いて理論的に学ぶために使用しました。個人的には砂川著書よりも理論的ではなく、抽象的に感覚的に書かれている本だと思っており、誰でも時間をかければ読むことができるのかなと思います。4年生がこれで勉強するのは時間がかかってしまうかもしれないのであまりおすすめできませんが3年生でやる気があるならやっても良いと思います。
4年生ならマセマの電磁気学で十分な気がします。絶対にベクトルで電磁気学を勉強しておきましょう。

この本は基礎的な問題を網羅するために使用しました。非常に問題数が多く演習を積むのに適した本だと思いましたが、誤植が多すぎて話になりませんでした。むかつきながらやってました。でもおすすめできます。みんなやってると思うのでやると良いです。

この本は過去問で解けなかった問題に似た問題を探すために使用していました。ほとんど使わなかったです。辞書程度に使うと良いですね。

この本は見たことない問題を減らすために使用しました。磁化の問題はあまり豊富にない気がしますが、2024年のアンペールの法則を微分系で解いていく問題はこの本に載っていました(この本ではベクトルポテンシャルで考えていました)。誘電体の知識もこの本で大体勉強できるかなと思います。電磁気が苦手であったり得点源にしたい人はやると良いと思います。めちゃおすすめです。

この本は見たことない問題を減らすためにちょっと使用しました。ほとんど使ってないです。例解電磁気学演習さえあれば良いのかなと思いますが、磁性体についてはこっちの方が理論的に抑えてくれているので磁性体に関しての知識を深めたい人はこっちで勉強すると良いです。

コンピュータ工学

この本はコンピュータ工学の論理回路の方の対策のために使いました。この1冊やっていれば論理回路は普通に解けるようになります。状態遷移図の問題がほぼないのでネットで調べるなりして解けるようにすると良いと思います。絶対やるべき1冊です。

この本はコンピュータ工学のアルゴリズムの方の対策のために使いました。この1冊で過去に出題されたアルゴリズムのほとんどをカバーすることができます。しかしながらここ2年はこの本にないアルゴリズムが出題されているので、この本とこの本に載っていないアルゴリズムが載っている本の2冊すると安心かなと思います。(最悪論理回路ができていれば、アルゴリズムの方は白紙でも受かるので…)

おすすめのYouTuber

ユウコさんは主に色々な大学の過去問解説の動画を投稿しており、私は他の大学のベクトル解析(名古屋大学などなど)の問題や線形代数の問題を解くために利用していました。また阪大工学部の過去問解説も行っているので参考にすると良いと思います。ユウコさんは現高専の先生で講義の動画も投稿しているのでそちらもみてみると良いと思います。なんでこんなに登録者数が少ないのか謎です。非常にお世話になりました。

ヨビノリを知らない人はいないでしょう…説明は省きます。

わんみんさんは主に高専から大学に編入する人に向けた動画を投稿しています。編入数学徹底研究の例題を全て解説しており、自分で例題を解いてわんみんさんの解説を見るといったサイクルで徹底研究を使用していました。例題解説では徹底研究に載ってない方法で例題を解いていたりするので非常に勉強になると思います。また、微分方程式の問題を解説する動画である「今週の微分方程式」は徹底研究や過去問特訓に載ってないクレローやリッカチの問題を解説しており微分方程式の知識を深めることができます。過去の阪大数学でも誘導付きで確かリッカチ型?の微分方程式が出題されてたので必ず見るべき動画ですね。他にも良いところがありすぎて長くなりそうなので後は自分で調べてみてください!

Akiyaさんは主に大学数学に関する動画を投稿しています。「今週の実積分」という実積分に複素積分を適用して解く動画を投稿しており、私は阪大の複素関数対策のために見ていました。ここ最近は実積分に適用する複素積分ばっかり出題されているので絶対見るべきだなと思っていましたが、今年は傾向が違ったので2026年度以降に受験する人には優先度が低くなったと思います。

低偏差値高専から阪大を目指す人に向けて

低偏差値高専から阪大を目指すのは正直、厳しい戦いになるのは間違いないと思います。阪大の入試は夏休み序盤なので周りの友達は大体推薦で編入を終わらせていたり、就職活動を終わらせていたりしています。自分の場合はもろこれでした。そんななか1人で勉強し続けなければなりません。周りのみんなは遊び散らかしているのになんで自分だけ勉強しなければならないんだとキレそうになったことが何度もあります。ですが、これを乗り越えれば自分の夢や目標にとてつもない大きな一歩を踏み出すことができるのは明らかすぎるので諦めることなく最後までやり遂げてください。自分と同じ境遇の人を心から応援しています。

ここからは低偏差値高専から阪大を目指すためにやっとくと良いことを2つ書いていきます。
1つ目は、定期テストを全力で頑張ることです。阪大は学校の成績を重要視していて調査書の配点が200点あります。これはTOEICの配点の150点より大きく重要になってきます。低偏差値の高専であればやる気のない学生が多くいたり、学校の定期テストが簡単だったりするので環境は最悪ですが、他の予備校高専に比べて調査書で点数を稼ぎやすいです。ほとんどのテストで100点を狙うように頑張りましょう!
2つ目は、twitterやstudy plusで他高専の編入仲間を見つけて仲良くなることです。自分の周りでは一般で編入を受ける人がいなかったので一人孤独で勉強をしていました。ずっと孤独でいるといつか挫折するなと思ったのでtwitterで編入を志望している他高専の子を見つけて仲良くなりました。他高専の子と仲良くなると過去問を共有したり解答を共有したり、孤独に勉強している人たちと比べて情報戦でかなり有利になると思います。また、仲良くなった友達と受験日に会場で少し話して緊張をほぐしたり、その友達も同じ大学に編入できたら大学生活を快適に過ごすことができたり、本当に色々なメリットがあると思います。本当に編入仲間を見つけることをお勧めします。

最後に

私は現在「(編入)阪大志望者の集まり」という名前のオープンチャットを運営?(ほぼ動いていません)しています。そこではNotionという情報共有サイトを用いて阪大志望者のデータをまとめています。
阪大生がすでに参加していたり、今年阪大工学部、基礎工学部の編入試験に合格した人も数多く参加している興味のある方は、ぜひこのオープンチャットに入って質問してみてください。ウェルカムです!
リンクはこちらです↓
https://line.me/ti/g2/DeC7WVwzsg5t5imHMr_nbbDScUAeBDAjke5usg?utm_source=invitation&utm_medium=link_copy&utm_campaign=default

この体験記を読んで参考になれば嬉しいです。私は文章能力が乏しいので読むのに苦労させたかもしれませんね…すみません😭
何か質問があれば私のtwitter(@kosen_name)のDMになんでも質問してきてください!ご覧いただきありがとうございました!












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