妊娠中に子宮頸がんと分かった際の治療と赤ちゃんへの影響を解説
子宮頸がんは20代~30代の女性に多く、妊娠中に子宮頸がんが見つかるケースもあります。
「もし妊娠中に子宮頸がんが見つかったらどうしよう」
このような不安をお持ちの方もいらしゃるのではないでしょうか。
この記事では以下について解説をしています。
・ 妊娠中の子宮頸がんの検査
・ 妊娠中に子宮頸がんが見つかったら?
・ 赤ちゃんへの影響
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妊娠初期の子宮頸がんの検査について
■ 子宮頸部異形成
「子宮頸部異形成」は、子宮頸がんの前段階(前がん病変)で、その段階の進度によって以下の3つに分類されます。
・軽度異形成
・中等度異形成
・高度異形成・上皮内がん
妊娠中はこのいずれの段階でも、すぐに子宮の入り口部分を切り取る手術(子宮頸部円錐切除術)を行うことは通常ありません。
■ 妊娠中に子宮頸部異形成が見つかった場合
異形成が見つかっただけでは妊娠中にすぐに手術することは通常ありませんが、悪化していないかを確認するために細胞診やコルポスコープを数回行います。
これは妊娠前に既に異形成と診断されていた場合も同じです。
また、異形成があることだけが原因で、分娩方法が帝王切開になることはありません。
異形成が子宮頸がんに進行した場合の治療については事項で説明します。
妊娠中に子宮頸がんと診断された場合
■ 子宮頸がんの進行状況の把握
妊娠中の子宮頸がんの治療内容は、妊娠していない場合の治療内容と同じです。まず、全身検査(CTやMRI)でさらに詳しくがんの進行状況を把握します。その上で、手術(子宮摘出など)、放射線治療、化学療法(抗がん剤など)などが実施されます。
■ 治療の選択
子宮頸がんの治療には、以下の方法があり、それぞれの治療法は、単独で行われるばかりでなく、組み合わせて行われることがあります。
・手術(外科治療)
がんの広がり次第で、子宮頸部または子宮全部を切除します。卵巣と卵管は、年齢や病状を考慮して切除するかどうかを判断します。切り取った組織は、顕微鏡で詳しく調べて、がんの広がりを診断し、手術後の治療方針を決めます。
・放射線治療
子宮頸がんでは、病期にかかわらず放射線治療を行うことができます。また、比較的進行した子宮頸がんは、抗がん薬などの化学療法とともに放射線治療を行うことが多くなっています。また、術後再発リスクの高い人や、初回治療で放射線治療を行わなかった人の再発の際の治療手段にもなります。
・化学療法
子宮頸がんでの化学療法は、主に、遠隔転移のある進行がんや再発した場合に行われます。クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を保ち生存期間を延ばすことが治療の目的です。
まとめ
妊娠したら、子宮頸がんの検査は必ず行われます。検査で子宮頸がんが見つかった場合はがんの進行度やがん細胞のタイプなどから治療方針を判断します。
状況によっては妊娠を諦めざるを得ないこともあります。子宮頸がんを防ぐためにHPVワクチンの接種はとても大切です。
もっと詳しいことが知りたい方はこちらのサイトをご覧下さい。
» 妊娠中に子宮頸がんが見つかった場合の治療や赤ちゃんへの影響は?
参照
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19740709/
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/boshi-hoken13/dl/02.pdf
https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/treatment.html