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クラウドファンディング終了直前!活動のご報告⑤:坂本昌彦

みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト小児科チームの坂本昌彦です。

8月31日に開始した、みんパピ!のクラウドファンディングも残すところあと7日。

多くの皆様のご支援をいただき、とても嬉しく思います。

予想を超える多くの支援をいただきチーム一同感謝とともに気を引き締めています。

私は一般小児科医として、お子さんのワクチン接種や日常診療に関わっています。

また診療の傍ら、保護者の皆さんに分かりやすく子どもの病気やホームケアの知識を届ける「教えて!ドクター」という活動をしています。

保護者向けの冊子を作ったり,保育園や子育て広場等で出前講座をする活動です。

出前講座には、普段病院では話しにくい相談をされる保護者の方がいらっしゃいます。

何年か前に来られた10才前後の2人のお子さんを持つ母親もそうでした。

彼女はこれまで子どもたちにワクチンを一切打たせてこなかったのですが、本当にこのままで良いのか相談しようと思い、講座に来られたのです。

僕は実は駆け出しの頃、ワクチンを接種していないお母さん達を健診で見つけると「それは医学的にみても許されないことです」と健診の時間を超過して説教するようなことを繰り返していました。

ある保健センターにはそういった指導を受けた母親からクレームが入り、また保健センター職員からも業務が進まないのであの医者はよこさないでくれと病院に連絡が入って、僕だけ出禁になったところもありました。

保健センターを出禁になった小児科医なんてあまりいないかもしれませんね。

そんな背景を持つ自分だけに、少し緊張したことを今でも覚えています。相談してくれて嬉しい気持ちと、僕の説明がうまくいかなかったら、せっかくの機会を逃してしまうのでは、という気持ちが混ざった複雑な気持ちでした。

おそるおそる、お母さんのこれまでのご苦労をねぎらいつつ、
「子どもの健康を願う気持ちはどの親も同じです。ワクチンが不安な気持ちも分かります。今から一緒に接種プランについて考えてみませんか?」と伝えました。

するとお母さんは泣き出してしまいました。

「ダメな保護者だとお医者さんに怒られると思って,ドキドキしていました。安心しました」とお母さんは続けました。

そのときようやく、大切なのは論理で押し通すことではなくて安心してもらうことなんだ、ということに気づきました。

僕は出前講座のお母さんから大切なことを学ばせていただきました。

その日の出前講座を機に彼女は子どもに予防接種を受けさせようと決心し、子ども達も受けてくれました。

医療者が正しいと思うことを話せば相手に伝わるはず、と思っている医療者は少なくないかも知れません。

でも、医療者の言葉は非医療者にとって時に圧が強く責められているように感じるものです。

私達みんパピ!は圧の強い啓発はしません。

相手を責めるのではなく、とにかく分かりやすさと正確性に徹すること、それを優しく伝えること。

メンバー皆が、北風と太陽の話で言うと「太陽のような啓発」をしようと考えて活動しています。

安心感は大切です。

分からなければ不安なのは当然です。

だからまず、知ってもらうこと。

プロジェクト名が「みんなで知ろう!」になっているのはそのような理由からです。

応援してくださる皆様は,全員みんぱぴ!チームの一員だと思っています。

私達と一緒に、みんなでHPV感染症、そしてワクチンのことを知り、そして伝え,広げるお手伝いをいただければ心強く思います。

引き続きよろしくお願いいたします。

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