ターザン山本に褒められてる
なぜか、ターザン山本さんに褒められているインタビューを発見し、転載させてもらいました。
お会いしたことはありませんが、キチガイ編集長として歴史に名を刻んでいる方と耳にしますので嬉しいです。ありがとうございました。
ただ、MVPは間違いなく青木真也だし、ぼくは手抜きもしていません。
元『週刊プロレス』編集長・ターザン山本! インタビュー
聞き手◉“Show”大谷泰顕(闘想家)
▪︎「手抜き」と「救い」
――山本さん、『空気を読んではいけない』(青木真也著/幻冬舎)の売れ行きがもの凄いらしいんですよ!
山本 あー、それは簡単ですよ。
――簡単?
山本 あれは幻冬舎の編集者(箕輪厚介氏)の勝利だよぉぉぉぉ!
――あ、それは激しく同意ですね!
山本 結局、あの本が成功した理由は一つしかない!
――一つ!
山本 つまり現代人は本を読まない。長いものは読みたくない。本を読むような持続性がないわけですよ。
――ええ。
山本 それを考えた時にもの凄くさ、ページ数にしても150ページくらいの薄さにして、文章を詰め込まない。軽くして。空白を多くしてわかりやすく問いかけみたいにしたと。お手軽に。だからあれはさ!
――はい!
山本 あれは極めて巧妙な「手抜き」ですよぉぉぉぉ!
――なーるほどー(笑)。それは褒め言葉ですよぉー、山本さん!
山本 褒めてるんですよ、俺は。だからあれは「手抜き」の最たるものなんだけれど、それが本を読まない現代人にとってはズバリとハマったんだよ、あれ。
――まあ、売れないと「負け」ですからね。
山本 そういうことですよ! もちろんそこには、青木真也独特の生き方が、現代の迷走している若者たちの、出口の見えない彼らにとって、非常に「救い」となったわけですよ。だから「手抜き」と「救い」がバチャーッとハマったわけですよぉぉぉぉ!
――「手抜き」と「救い」が融合しましたかー!
山本 たぶん、あの本は三日で作ったと思うよ、俺は。
――三日で?
山本 俺だったら三日で作るよ、あれは!
――三日では作っていないと思いますけどね。
山本 (無視して)だから世の中が硬くて難しくて価値のあるもの、というのをぜーんぶオール全て捨てて、とにかく本を読まない人たちに向けて何をしたらいいのかということを考えたら、もうさ、ボロボロにズタズタに手抜きにするしかないという。
――ボロボロに、ズタズタに。
山本 だからあれは俺から言わせたら、一つの革命ですよ!
――革命!
山本 その革命が、見事に2016年の今とマッチしているわけですよぉぉぉぉ!
――確かにそうですね! 編集者からすると、『空気を読んではいけない』というタイトルに行き着くまでメチャクチャ悩んだそうですよ!
山本 それはその編集者が、青木真也という素材をどう世に出すかと考えた時に、タイトル、表紙、デザイン、内容を考えついたわけでしょ。だからそれは青木真也の勝利じゃなくて、編集者の勝利なんですよ。
――青木真也の勝利ではないんですかー!?
山本 俺からしたらそうなりますよ。だって「空気を読んではいけない」って言うのはさ、つまり「意味と価値を読んではいけない」ということなんだよな。
――意味と価値を読んではいけない?
山本 だって「意味」も「価値」も重たいものでしょ? だけど、そういうややこしいものはぜーんぶオール全て捨てましょうよと。放り出しているわけよ、あれは。
――ぜーんぶオール全てですね。
山本 そう! だからあの本のMVPはあの編集者なんですよぉぉぉぉ! 編集者の頭脳が時代を読んで、本を読まない人たちへのメッセージを考えた結果、あれに行き着いたわけだから。
――そうなりますね。
山本 本を読まないということは、今、出版社にとって最大のアキレス腱になっているわけ。
――出版社にとっては危機的状況ですよ。
山本 だけど、本を読まないわけだから、そこをどうやってクリアするのか。それを初めて考えた男だよ、その編集者は!
――そこまで言いますか!
山本 そこに青木真也というヘソ曲がりの男がいて、世の中の常識とか価値観とかそういうものを無視して勝手に生きているというさ。普通はそういう男はみんな嫌うんだけれども、その青木真也を世の中にある閉塞感に落とし込んだら、バーン! とヒットしたんだよね。それも、難しい小理屈じゃなしに、わかりやすい文章をポーンポーンポーンポーンと並べていくだけ。羅列していくだけ。だからそこには統一感も整合性もクソもないわけですよぉぉぉぉ!
続きはここから読めるらしい。
※有料
【連載】青木真也は本当に空気を読んでいないのか?〈vol.2〉http://sp.ch.nicovideo.jp/nekketsu/blomaga/ar1123495