秋の夜長はタルトを焼こう(Vol.1:キャラメルナッツタルト)
ケーキも美味しいけど、タルトは底や端っこの生地がちょっと固めでサクサクで、食べ応えがあって好きなんです。生地さえマスターしてしまえば、上に乗せるものは結構どんなものでもうまくいったりするし。
ところで、暦の上ではとっくに秋。秋の夜長って良いですよね。花火大会もバーベキューもお盆もキャンプも…と、予定が詰まっていて喧噪でいっぱいだった夏が終わり、ゆっくり自分の時間を持てるとき。百人一首ではそれぞれ柿本人麿が「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかもねむ」と、藤原良経が「きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき 独りかも寝む」と詠んだほどだけあり、孤独を感じやすい秋ですが、現代に住むわたしたちにとって、少しスローダウンして一人の時間を持てることは贅沢なことだとも思えます。本を読んだり、部屋で映画を観たり、月をただ眺めたり…疲れた身体や心を回復させていくのに、ゆっくりと時間を過ごすことはとても大事だと思います。
本を読んだり、映画を観たり、月をただ眺めたりするときに、良いお供となるのはワインとチーズだったり、焼き立てのクッキーとホットミルクだったり(2006年の映画『Stranger than Fiction(主人公は僕だった)』で、ウィル・フェレルが扮する単調な生活を続けるカタブツの主人公に、ベーカリーを営む女性役のマギー・ジレンホールが焼き立てのクッキーとミルクを差し出すシーンを観て以来このコンボが大好き)するわけですが、今回は美味しいタルトの作り方をご紹介しようと思います。
しかしここに記すレシピはあくまでもわたしの環境によってうまくいっているレシピですので、あくまで「基本」というか「テンプレ的なもの」という存在にとどめておいてください。材料の性質や作業場の湿度や温度、オーブンの種類によって適切な量や温度、時間など変動すると思いますので、仮に一度失敗してしまったとしても、慣れてくると実質作業時間は30分ほどですので、一度や二度といわず何度でも挑戦してみてください。そのうちレシピを見なくても作れるようになり、自分の中で納得のいく美味しいものができるはずです。まぁ、音楽もダンスも語学も料理も文章を書くのも一緒で、とにかく繰り返し練習することで気がついたら上手になってたりするものだと思います。
🌠タルト生地の基本🌠
≪タルト生地の材料≫(26㎝タルト型使用の場合)
・小麦粉(薄力粉)200g
・グラニュー糖大さじ3
・すりおろしたレモンの皮大さじ2
・無塩バター125g(さいの目切りにする)
・卵黄2個
・冷水大さじ2
≪タルト生地の作り方≫
①小麦粉、グラニュー糖、レモンの皮をボウルの中で合わせ混ぜる
②さいの目に切ったバターを加え、①に馴染むようにすり込む
③小さなボウルに卵黄をとき、冷水をしっかり混ぜ合わせたら、②にゆっくりと流し込み、手で生地をこねる。べちゃべちゃと手にくっつくようなら粉が足りないので、少しずつ足して調整する(※1)
④生地を丸め、ラップに包んで冷蔵庫へ
⑤生地は冷蔵庫で最短30分〜最長1日眠らせる
⑥綿棒で均一に伸ばした生地をタルト生地に敷き、フォークで底に10回程度穴を開けて再び冷蔵庫で30分〜3日ほど休ませる
⑦ オーブンを200度に設定し、重しをして(※2)18分ほど焼く。様子を見ながら、生地が焼けていたら取り出す
(※1)こね時間は短くてOK。2~3分で完了です
(※2)パイやタルトを焼成する際、生地が浮き上がるのを防ぐために重石を使いますが、一般的に使われるものはアルミ製のタルトストーンです。タルトストーンがない時は、生米・小豆・またはアルミホイルで代用可能です。わたしは生地の上にバイキングペーパーを敷き、その上に空の耐熱皿を置いてます
🌠キャラメルナッツタルト🌠
≪タルト生地≫
上記と同じ
≪フィリングの材料≫
・有塩バター125g
・黒砂糖105g
・はちみつ90g
・アーモンド175g
・くるみ125g
・カシューナッツ125g
・生クリーム大さじ2
≪フィリングの作り方≫
①オーブンを180度に設定する
②小鍋に弱火をかけ、バター、黒砂糖、はちみつを入れて砂糖が溶けるまでかき混ぜる。強火にし、沸騰するまでかき混ぜ続ける。沸騰したらかき混ぜるのをやめ、ぶくぶくと泡ができたら1分これを見守る。火からおろし、ナッツと生クリームを投入する
③小鍋の中にあるものを軽くかき混ぜ、タルト生地の中に流し込む。オーブンの中に入れて20分ほど焼き、その後30分室内で冷まし、冷蔵庫でさらに30分冷ましたら出来上がり。
生クリームやアイスクリームと一緒に食べても美味しいです。紅茶やコーヒーのお供に是非。生クリームは粉砂糖とレモンの皮をおろしたものを加えてホイップクリームにします。フィリングに使った生クリームの残りを使うと無駄が出ずに良いです。分量は生クリーム170ccくらいに対して粉砂糖50gくらい、レモンの皮小さじ2くらい。ふわふわ生クリームの中にほのかに香るレモン風味がタルトと相性良いです。
※このレシピはTwitterでも一度公開したものです。Vol.2はレモンタルトをご紹介します。