
「みの太家の夜に響く、ぐだぐだのチャゲアス」
「みの太家の夜に響く、ぐだぐだデュエット」
冷たい風が店内に少し吹き込む12月の夜。みの太家では、カウンター越しにおっつぁんが今日のおすすめ「鰤の照り焼き」を仕上げていた。香ばしいタレの香りが漂い、客たちはそれぞれの一皿を楽しんでいた。
そのとき、入り口の暖簾が勢いよくかき分けられた。現れたのは、酔いが回っているサブローとミツル。二人とも赤ら顔で、何やら妙にテンションが高い。
「おっつぁん!今日はチャゲ&飛鳥だぜ!」
サブローがいきなり叫び、ミツルは「俺たちの歌を聴け!」と、妙に決まらないポーズを取りながら続けた。
おっつぁんは呆れたように「なんだそりゃ…まあ、まずは鰤の照り焼きでも食べて落ち着けよ」と言いながら、熱々の皿を二人の前に出した。キラキラとタレが照る鰤の身に二人は目を奪われ、一口食べるとサブローが大げさにのけ反る。
「これ、うますぎる!おっつぁん、これぞ鰤の奇跡だな!」
ミツルも頷きながら、「この味、歌にするしかねえよ!」と意味不明なことを言い出す。
鰤の照り焼きで元気を取り戻した二人は、カウンター横のカラオケマイクを手に取り、「いくぞ、ミツル!曲は『SAY YES』だ!」と気合いを入れる。曲が始まり、サブローが「愛には愛で感じ合おうよー!」と歌い出すが、音程が外れっぱなし。ミツルも「こわがらずにー!」と続けるが、リズムがまるで合わない。
店の片隅で鰤の照り焼きをつまんでいた槍吹ジョーが突然立ち上がり、手を拳にして叫んだ。「その歌、戦いが足りねえ!」
ムーニンが、箸をくわえたままのんびりと槍吹ジョーを見上げ、「歌に戦いを求めるって、どういうことなんだムー?」と呟く。
「歌は心だ!」槍吹ジョーが熱く語り始めるが、ムーニンはふらりと立ち上がり、カラオケマシンのリモコンを操作して新しい曲を入れた。「じゃあ、俺もやるムー」と言いながら、ラジオ体操風の動きで『YAH YAH YAH』を歌い始める。店内は一気に笑いに包まれる。
サブローが「おい、ムーニン!歌うならちゃんとやれよ!」と突っ込むと、ムーニンは笑顔で「ラジオ体操で心も体も感じ合うんだムー!」と返す。そのやり取りに、ミツルも槍吹ジョーも笑いながら「もう一回最初から歌い直そうぜ」とマイクを握る。
結局、サブローとミツル、ムーニン、槍吹ジョーがそれぞれぐだぐだな歌を披露し、店内は大笑いの渦に。おっつぁんがハンチング帽を直しながら、「お前ら、鰤が冷めちまうぞ」と声をかけると、四人は一斉に「鰤の照り焼き、最高!」と叫び、再び皿に手を伸ばした。
今日のおすすめメニュー
「鰤の照り焼き」は香ばしいタレが絶品!脂ののった鰤の身が、特製タレと絶妙に絡み合った一皿をぜひお試しください。

葛飾区鎌倉-もうひとつの我が家-
居酒屋・ご飯処 みの太家
https://minotaya.jimdofree.com/